水頭症
- 脳には脳室という部屋があります。
- 脳室内に脳脊髄液が通常より貯留して、正常脳を圧迫する病態です。
- 脳脊髄液は側脳室内で1日500ccが産出され、下図のように循環してくも膜顆粒といわれる脳表で吸収されています。脳脊髄液は衝撃から脳を守る役割を果たしています。
- 水頭症の発生機序は①腫瘍や出血などによる脳脊髄液の通路が閉塞すること、②くも膜顆粒からの吸収不良があります。
- 治療法は急性水頭症では脳室ドレナージや内視鏡治療を実施することが多く、正常圧の水頭症ではシャント術が適応となります。
- シャント術には1.脳室-腹腔、2. 腰椎-腹腔、3. 脳室-心房の3パターンがあります。
- シャント術合併症は脳室側チューブを脳室内へ挿入する際に伴う出血と創部感染及び髄膜炎があり、前者は場合によっては緊急手術、後者は長期抗生剤加療が必要となることがある。1%前後で合併症を生じます。