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脳梗塞・一過性脳虚血発作

脳梗塞

  • 発症から早期であればあるほど治療効果が高いです。
  • 発症後4.5時間以内であれば血栓溶解療法(tPA)の適応時間内となります。
  • 脳梗塞は大きく下記の4病型に分類され、治療法が異なることが多く、鑑別を要します。
  • 脳梗塞の治療は急性期の血栓溶解・症状増悪予防治療、リハビリテーション、慢性期の脳梗塞発症予防の為の抗血栓療法・基礎疾患管理治療となります。
  • 下記は脳梗塞4病型の病態、症状、治療方法です。

ラクナ梗塞

  • 穿通枝という太い血管から直角に分枝する0.2mm程度の細い血管が閉塞する病気です。
  • 視床、基底核、放線冠、橋など穿通枝の存在する部位にしか起こりません。
  • 症状は部位によりますが、嚥下障害(飲み込みずらさ)、麻痺(手足の動かしにくさ)などが出現しますが、失語(言葉が出ない、理解できない)や意識障害などは生じません。
  • 原因は長年の高血圧や喫煙と言われております。
  • 急性期は血栓溶解療法や抗血小板薬の点滴(オザグレル®など)、リハビリを実施します。
  • 再発予防には抗血小板薬の内服(バイアスピリン®、プラビックス®、プレタール®など)と高血圧などの基礎疾患管理が重要となります。

アテローム血栓性脳梗塞

  • 糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙などの生活習慣の乱れやそれに伴う疾患により血管が動脈硬化性変化を起こして、狭窄することで発症する脳梗塞です。
  • 主幹動脈と呼ばれる太い血管(内頸動脈や中大脳動脈など)が狭窄や閉塞を起こします。
  • 脳血流が減少する、狭窄部位が塞栓物質の巣となる、狭窄した血管がついに閉塞するという3つの機序がアテローム血栓性脳梗塞の発症メカニズムとなります。
  • MRIにより脳梗塞の分布や狭窄血管の存在を確認し、診断します。
  • 頸動脈狭窄症や頭蓋内動脈狭窄症の程度が強ければ外科的治療が検討されます。
  • 症状は階段状に進むことが多く、段々と麻痺や構音障害(しゃべりにくさ)が進んでいくことを特徴とします。治療は基礎疾患管理に加え、抗血小板薬の投与となります。

MRA(拡大)

脳血管撮影 3D

心原性脳塞栓症

  • 心臓に不整脈があり、血液が澱むことで血栓が作られ、それが塞栓物質となる梗塞です。
  • 突然太い血管が閉塞することになるので重症脳梗塞となりやすいです。
  • 左側の頸部から頭蓋内動脈が閉塞すると、ほとんどの方は右手足の麻痺(動かしにくさ・動かない)に加え、失語(言葉が出ない、理解できない)などの重篤な症状を来します。
  • 発症からなるべく早期に診断し、血栓回収療法や血栓溶解療法を実施しないと命に関わることになります。また発症から血栓除去までの時間が後遺症の有無に直結します。
  • 再発予防には抗凝固薬(ワーファリン®、エリキュース®、リクシアナ®など)を内服して頂きます。
治療前

経皮的血栓回収術(血管内治療)

治療後

その他の梗塞

  • 上記以外にも奇異性脳塞栓症(静脈血栓が動静脈シャントを介して梗塞となる)、脳動脈解離(別鉱で説明)、癌によるトルソー症候群(癌により血液がドロドロで起こる脳梗塞)、心内膜炎による塞栓性梗塞などが有名です。また子宮腺筋症が脳梗塞を引き起こすということも最近経験しました。(論文は下記)。典型的な脳梗塞でなければ様々な原因の精査が必要となります。

一過性脳虚血発作

  • 脳梗塞様の症状後に症状が完全に消失し、MRIなどでも異常がない状態です。
  • 脳梗塞の前駆病態で、リスクが高い場合は入院・抗血栓薬の点滴が必要となります。
  • 下記の項目により再発リスクを計算し、治療方針を検討します。
  • 重要な項目は左右差のある手足の脱力(しびれではありません)とその持続時間です。

ABCD2スコア

A Age(年齢) 年齢 > 60歳 1点
B Blood pressure(血圧) 血圧 > 140/90mmHg 1点
C Clinical feature(臨床像) 臨床像 > 臨床症状とし片麻痺あり 2点
臨床像 > 麻痺のない言語障害あり 1点
D Diabetes(糖尿病) 糖尿病 1点
D Duration of symptoms(持続時間) 10分 - 59分 1点
60分以上 2点

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