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痙攣

痙攣とは自身の意志とは関係なく起こる手足の筋肉の収縮運動であり、様々な原因が考えられます。代表的なものはパーキンソン病、てんかん発作がありますが、これら二つの疾患は全く異なるメカニズムで発生する痙攣であります。痙攣はまず生理的範疇のものか、それとも病的かを判断します。次に発症の状況が発作的なのか、それとも断続的に続いているのか、また意識障害を伴うものなのか、そうでないかなどが重要なポイントとなります。また痙攣が長い時間続き、止まらない状態となるとうまく呼吸が出来ず生命の危機となります。この状態は痙攣重責発作と呼ばれ、人工呼吸器管理などが必要となる緊急疾患です。以下痙攣を引き起こす原因となるものを挙げます。

生理的範疇

  1. 過度の運動による筋疲労
  2. パソコンなどによる目の酷使や睡眠不足
  3. 過換気症候群後の手の震え

病的なもの

1.てんかん発作

病態:脳梗塞や脳出血、外傷などで損傷した脳細胞や脳腫瘍細胞などが異常発火することで、様々な神経学的異常症状を生じる病態です。
症状;痙攣(手足のふるえ)がありますが、他に失語や意識障害なども呈します。また加齢の影響で、てんかん発作を起こす高齢者てんかんという疾患も増加しています。
治療法:腫瘍や出血があれば摘出術となりますが、古い傷が原因であれば抗てんかん薬の内服開始を検討します。痙攣発作が初めてで再発リスクが低い場合は抗痙攣薬の内服を開始せず、一旦は経過観察とすることもあります。
抗痙攣薬:当院ではイーケプラ®、ビムパット®、フィコンパ®といった新規抗痙攣を投与するが、総じてふらつきや眠気などの副作用が生じる可能性があります。
注意事項:車の運転は最終発作から2年間原則禁止となります。

2.眼瞼痙攣

症状:自分の意志とは無関係にまぶたがピクピク動いてしまう状態です。
原因:目の疲れ、ドライアイ、ストレスなどが言われますが、はっきりとしていません。特徴:両眼に起こることが特徴で、片目の場合は下記の顔面痙攣と鑑別が必要です。

3.顔面痙攣

病態:眼瞼痙攣と鑑別を要する疾患です。顔面神経という顔面の表情筋を動かす神経が血管に圧迫されることで発症します。
症状:片側性の症状であることや口周囲にもピクつきがあることが鑑別ポイント
治療法:内科的にはボトックス注射ですが、根治的には微小血管減圧術という外科手術

4.痙性斜頸

症状:首や肩の筋肉が不随意に収縮し、首が曲がった不自然な姿勢を示してしまう病気。原因・治療法:原因はっきりとしていません。治療はボツリヌス療法を行います。

5.書痙・職業性ジストニー

特徴:無意識的に筋肉がこわばってしまう不随意運動の一種です
症状:全身のあらゆる筋肉に発症します。
原因:はっきりとわからないものや薬剤性のものがあります。
治療法:脳深部の刺激療法や凝固術があり、専門の医療機関で実施する必要があります。

6.チック

症状:突然、手足の運動や音声が出現し、不随意に繰り返す病気です。
原因:不明で、家族内発症が多いと言われています。
特徴:就学時前に運動性のチックで発症し、多くの場合は1年以内に消失しますが、慢性化した際は思春期に特に強い症状が出現します。
治療法:症状が強い場合は薬物療法を実施します。

7.パーキンソン病

症状:ふるえ、動作がゆっくりとなる、筋肉のこわばり、転びやすいこと、を主な運動症状とする病気で、主には50歳以上で発症します。
病態・治療法:大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少して起こります。ドパミン自体を飲んでも脳へは移行しないため、ドパミン前駆物質のL-dopaを服用します。手術療法は脳内に電極を入れて視床下核を刺激する方法が最もよく行われます。

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