長引く咳について
長引く(慢性)咳というのは、医学的には一般に8週間以上(2ヶ月以上)続く咳とされています。
これらの咳はレントゲン検査を行っても異常は見つからず、聴診器でも喘息の音は確認できません。
タンが絡まない咳は注意が必要です
咳にはタンが絡む咳とそうでない咳があります。
タンが絡む咳(湿性咳嗽:しっせいがいそう)は、タンを出すために出る咳で、咳自体を治療することはあまりありません。どちらかといえば、問題となるのはタンが出ない咳(乾性咳嗽:かんせいがいそう)、つまり「長く続くカラ咳」です。
この、タンが出ない咳は、以下の3つが大きな原因とされています。
- 気道過敏性を有する咳(風邪などの後の咳)
- 鼻水が口腔内に流れ出て、その刺激で出る咳(後鼻漏)
- 胃炎があり、食道への逆流で出る咳
その他、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、高血圧治療薬(ACEI)による咳も有名ですが、ここでは上記3つの原因について説明していきます。
風邪などの後の咳
患者様によくご相談いただく咳の原因は、風邪などの感染後に起こるものです。
通常は3~8週程度ですが、8週間以上続く場合もあります。
最も多いのは、風邪症候群、つまりウィルスによるものですが、百日咳菌感染や感染症による咳もここに含まれ、最近成人でも多く見られる咳の原因として注目されつつあります。
ある報告では、2 週間以上咳が続く患者様の12~26%は、百日咳の感染があったとされています。
治療には、気管を広げる喘息の薬がよく効きます。
感染症が残っているかいないかを考えて行います。
鼻水により出る咳(後鼻漏)
後鼻漏になる原因は、鼻の病気です。
主な病気は、副鼻腔炎、特に慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎などが多いと言われています。
感染症かアレルギーかを見極めた上で、タイプにあった治療を選ぶ必要があります。
胃炎による咳
この咳の原因は、胃酸の逆流ですので、胃炎の治療を行っていきます。
胃炎などの治療は学会の標準療法が確立していますので、多くの場合それに従い治療します。
なかなか胃炎が治らない場合は、ピロリ菌の除菌なども含めて治療を行う場合があります。
たけおクリニックでは、患者様の病気や原因に合った咳の治療を行っていきます。
必要に応じて精密検査や漢方薬の処方をいたします。