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尿漏れ・尿失禁(尿が漏れる、トイレに間に合わない)

尿漏れ・尿失禁で悩んでいる方は非常に多いです。

この症状はなかなか他人に打ち明けることが難しく、家族にさえ言えないという方も多くいらっしゃいます。何科に相談すれば良いのか、どのような治療をするのか、治るのかなどの不安を感じていると思います。

一概に尿漏れ・尿失禁といっても様々な種類があり治療法も様々です。尿もれ・尿失禁で悩まれている方にぜひこのページを見ていただき、少しでも不安が解消されれば幸いです。

◆目次◆

1 尿漏れ・尿失禁とは
2 尿漏れ・尿失禁の検査
 2.1 視診・触診
 2.2 尿検査
 2.3 超音波(エコー)検査
 2.4 採血検査
 2.5 尿流動態検査
 2.6 残尿測定検査
 2.7 膀胱鏡検査
3 尿漏れ・尿失禁の種類とその治療
 3.1 腹圧性尿失禁
 3.1.1 腹圧性尿失禁とは
 3.1.2 腹圧性尿失禁の原因
 3.1.3 腹圧性尿失禁の治療
 3.2 切迫性尿失禁
 3.2.1 切迫性尿失禁とは
 3.2.2 切迫性尿失禁の原因
 3.2.3 切迫性尿失禁の治療
 3.3 混合性尿失禁
 3.3.1 混合性尿失禁とは
 3.3.2 混合性尿失禁の治療
 3.4 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
 3.4.1 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁とは
 3.4.2 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁の原因
 3.4.3 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁の治療
4 診察費用

1 尿漏れ・尿失禁とは

尿が自分の意図に反して漏れてしまうことです。尿もれ・尿失禁の原因は様々で腹圧性尿失禁・切迫性尿失禁・混合性尿失禁・溢流性尿失禁の4つがあります。それぞれの概要・治療に関しては詳しく後述します。

2 尿漏れ・尿失禁の検査

2.1 視診・触診

患者さんの合意のもと、子宮や膀胱などが膣から飛び出す骨盤臓器脱がないかなどの診察をします。患者さんが望まない場合、若い患者さんで必要性が低い場合はこのような診察を行いません。

2.2 尿検査

尿の中に赤血球・白血球がないか、細菌がないか癌細胞がないかなどを調べます。感染やがん(悪性腫瘍)などがあると尿失禁が起きてしまうこともあるので尿検査で確認をします。

2.3 超音波(エコー)検査

尿路に異常がないかの検査をします。結石や腫瘍があることで尿失禁が起きることもあるので調べていきます。超音波(エコー)検査はゼリーを体に塗布し器械を当てて診ていきます。痛みを伴わず被曝もないので体に非常に優しい検査です。

2.4 採血検査

体の中に炎症がないか、前立腺癌がないか腎機能が衰えていないかなどを検査します。一般的に尿漏れ・尿失禁のある方に採血で異常はありませんが、非常に稀に大きな病気が隠れている場合があるため採血でその可能性が無いかを調べていきます。

2.5 尿流動態検査

おしっこの勢いを測ることで前立腺肥大がどれくらいあるか,尿路に閉塞などがないか、膀胱機能に問題はないか、などを検査します。当院でもこの検査を行っております。

2.6 残尿測定検査

おしっこをした後にどれくらい膀胱の中に尿が残っているかを検査します。超音波で検査するので体には負担のない検査です。

2.7 膀胱鏡検査

直接尿道から膀胱の中にカメラを挿入して尿路に異常はないか、結石や腫瘍がないかなどを確認します。

当院では軟性膀胱鏡を使用していますので体には優しい検査になっています。

尿失禁で受診する全ての方に必要な検査ではありませんが、結石や悪性腫瘍を疑った場合はこの膀胱鏡検査を行います。

3 尿漏れ・尿失禁の種類とその治療

3.1 腹圧性尿失禁

3.1.1 腹圧性尿失禁とは

お腹に力を入れることで尿が漏れてしまうという代表的な尿漏れです。くしゃみや咳をした時に出てしまい恥ずかしいと思い悩む人が非常に多くいらっしゃいます。

若い10代でもなる方もいて女性の尿失禁の中でも一番多く、腹圧性尿失禁を持っている方は500万人以上、約10人に一人くらいいると言われています。女性は男性に比べると尿道が短く、簡単に膀胱から外に漏れ出てしまいます。

くしゃみや咳、歩いてお腹に力を入れることで尿が漏れてしまいます。
お腹に力を入れることで膀胱に圧力が加わり、その力が尿道を閉める尿道括約筋の力を上回った場合に尿が漏れることになります。

男性でも前立腺癌の手術後に腹圧性尿失禁になる方もいます。これは、前立腺癌の手術の際に尿道括約筋が損傷してしまうためです。

3.1.2 腹圧性尿失禁の原因

出産・加齢・肥満・前立腺癌の手術があげられます。女性の場合は出産や加齢で尿道括約筋の筋肉が弱くなることが原因だと言われています。

骨盤の中の筋肉の一つである尿道括約筋が緩むと、本来だったら括約筋の力で尿が出るのを抑えられるのですが、お腹の力の方が強くなってしまい、ぐっと膀胱が圧迫されて抑えきれずに漏れてしまいます。

男性の場合は前立腺癌の手術の時に尿道括約筋を切ってしまったり傷つけたりしてしまうことで尿道括約筋が働かなくなってしまい腹圧性尿失禁が起きてしまいます。

最近はロボット手術や腹腔鏡手術が多く行われており、以前の開腹手術に比べて身体へのダメージも少なく手術後の尿失禁も減っています。

3.1.3 腹圧性尿失禁の治療

まずは保存的な治療として骨盤底筋体操をして尿道括約筋を締めます。尿道括約筋を締めることで尿道括約筋の力を強化し尿が漏れるのを防ぎます。

もちろんそれだけでは抑えられないこともあるのでその場合はβ2刺激薬を内服することもあります。それでも治らない場合は外科的な手術をする場合もあります。

最近ではこの手術をする病院も増えてきていて泌尿器科や婦人科、両方の病院でこの手術を行っています。当院では腹圧性尿失禁の手術は行っておりません。手術が必要な場合は適切な医療機関にご紹介させていただいております。

3.2 切迫性尿失禁

3.2.1 切迫性尿失禁とは

尿が我慢できずにトイレまで間に合わずに尿が漏れてしまうことです。我慢出来ない状態を尿意切迫感と呼びます。

ほとんどの場合に頻尿を伴います。頻尿があってこのような尿意切迫感や尿漏れが出てきます。

3.2.2 切迫性尿失禁の原因

男性だと前立腺肥大症。女性だと過活動膀胱や膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も原因になります。

脳血管障害で神経のコントロールができなくなって尿失禁が起こってしまう方もいます。切迫性尿失禁というのは括約筋の問題ではなく、膀胱の収縮する力が尿道括約筋の力を上回ってしまい漏れてしまうことです。

3.2.3 切迫性尿失禁の治療

男性は前立腺肥大症に準じた治療を行います。α1ブロッカーや抗コリン薬といった薬を使用します。

女性は過活動膀胱であれば過活動膀胱に準じた治療を行います。抗コリン薬やβ3作動薬といった薬を使用します。骨盤臓器脱や膀胱瘤がある場合はその原因となるものの治療をすることで改善します。腹圧性尿失禁と同様に骨盤を締める骨盤底筋体操も有効です。

3.3 混合性尿失禁

3.3.1 混合性尿失禁とは

混合性尿失禁とは腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の二つが合わさった状態です。患者さんにどのように尿漏れをしてしまうのかを聞いた時に「お腹に力が入った時にも漏れるし、間に合わなくて漏らしてしまうことがある」と答える方が多く、このように二つの状態を持っている方を混合性尿失禁といいます。50代60代の女性に多いと言われています。

3.3.2 混合性尿失禁の治療

腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の治療に準じて行います。

3.4 溢流性(いつりゅうせい)尿失禁

3.4.1 溢流性尿失禁とは

尿閉のイメージ図

尿が出なくなる状態で膀胱の中に尿がたくさん溜まってしまいその圧力で漏れ出てしまいます。

前立腺肥大症や前立腺癌で尿道が完全に閉まってしまう尿閉の状態で尿は出ないのですが、膀胱内に尿が溜まり過ぎることで漏れ出てしまうのです。字の如く、溢れ出てくることによる尿失禁です。

尿が出ないことで腎臓の機能が低下し急性腎不全になることもあります。お腹がパンパンに張っているのでお腹の上からでも膀胱が張っているのを確認できます。

3.4.2 溢流性尿失禁の原因

前立腺肥大症や前立腺癌による尿閉が原因とされ、女性ではあまり見られることはありません。

3.4.3 溢流性尿失禁の治療

前立腺肥大や前立腺癌などの根本の治療をするのが一番ですが、まずは尿道の中にカテーテルを入れて尿を膀胱から外に出すことが大事です。

全身状態を整えた後で前立腺肥大や前立腺癌の治療を行います。基本的にここまでの状態になったらお薬で治すことは難しく、手術を行ったり常時カテーテルを入れている状態にならざるを得ない場合がほとんどです。

4 診療費用

当院は全て保険診療です。
初診の診療費用は薬代を除き、およそ下記のようになります。(3割負担です)

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
膀胱鏡検査 4000円前後

当院は泌尿器科専門の保険診療を行ってるクリニックであり、プライバシー管理と感染予防対策を徹底しております。
老若男女気軽に受診出来る環境を整えております。
泌尿器科疾患でお悩みの方は是非お気軽に東京泌尿器科クリニックまでご受診下さい。

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