エピデュオゲル
エピデュオゲルはアダパレンと過酸化ベンゾイルが混合されたものです。
アダパレンはディフェリンゲル、過酸化ベンゾイルはベピオゲルとしてそれぞれ単体でのお薬が出ています。
ディフェリンゲルは日本では2008年に認可された薬で外用レチノイドという分類のお薬です。
このアダパレンこそが白ニキビを強力に治療し、目に見えるニキビが治った後もずっと続けることで目に見えないニキビのできかけを治してくれて肌をよりきれいにしてくれるすごい成分なのです。
私はディフェリンゲルが大好きなのですが、残念ながら私が高校生大学生でニキビに悩んでいたころにまだ発売されていませんでした。
過酸化ベンゾイルを含むベピオゲルはディフェリンゲルよりもっと遅く、2015年に日本で認可されました。
ベピオゲルも画期的な薬で、それまで問題となっていた抗菌薬を長期投与する方法のかわりに、有効な殺菌作用をもつ物質として使われるようになったのです。
そしてアダパレンと過酸化ベンゾイルは同時配合しても問題ない成分であったことから2016年にエピデュオゲルが発売されました。この二つの画期的な成分が同時配合されたことで、現状処方できるニキビに対して、最も効果の強い治療薬の一つといってもよいのではというお薬になったと私は考えています。
エピデュオゲルの有効性
ニキビの治療には
①毛穴をつまりにくくする
②殺菌作用
③抗炎症作用
の3つの作用が必要です。
①毛穴を詰まりにくくする作用
アダパレンが持つ角化抑制作用と過酸化ベンゾイルによるピーリング作用の合わせ技で、面皰や白ニキビが改善し、さらに顕微鏡レベルでの微小面皰というニキビのできかけを治してくれます。
②殺菌作用
過酸化ベンゾイルは、強い酸化作用を持っているのでアクネ菌やブドウ球菌を殺菌します。抗菌薬を塗ったり飲んだりする治療も標準的に行われているが、そういった抗菌薬は耐性菌が発生して効きにくくなるために長期間使えないという問題が解決された素晴らしい成分です。
③抗炎症作用
アダパレンを6週間以上使うことによって抗炎症作用が認められています。塗り続けることでどんどん治っていきます。
エピデュオゲルの副作用について
2つの強い成分が入っている分、副作用があります。
・使用して2週間以内に「乾燥・ヒリヒリ感・皮めくれ・赤み・痛み」がピークになります。80パーセントの人が感じるのでその反応がでても問題ありません。
・その後2週間以上使えば落ち着いてくる人がほとんどです。
・それが耐えられなくて途中でやめてしまい、薬が合わなかったと思いがちですが、この副作用は、8割の人が経験する一般的な症状なので、できたら続けて欲しいと考えています。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗