ポテンツァは新しいニキビ跡治療として導入しました
ポテンツァはダーマペンのような針によるフラクショナル治療と、肌に熱を与えるRF波、薬剤を肌の奥深くに浸透させる導入施術を1台で実施する新しい美容機器です。
ドラッグデリバリーモードは、従来ニキビ跡や毛穴治療で使用されてきたフラクショナル治療とRF波治療、浸透治療を組み合わせた治療です。3つの治療すべてコラーゲンを増やす効果をもっています。
フラクショナルにより、肌の再生を促し、RFで熱を加えコラーゲンを増やし、コラーゲンが増える薬剤を肌の奥深くまで浸透させることができ、ニキビ跡の治療として画期的な効果をもたらすとして近年開発されました。
ここでは当院でのニキビ・ニキビ跡治療の歴史を振り返り、ポテンツァ導入に至った経緯を書いてみたいと思います。
当院でのニキビ・ニキビ跡治療の歴史
当院では開院以来ニキビ・ニキビ跡治療の患者さまに本気で向き合ってきました。
いりなかという文教地区に立地することから開院当初から思春期ニキビに悩まれる患者さまを多く抱え、保険の付け薬を主に用いて治療を行ってきました。
付け薬は使い方が難しく、スキンケアなどのアドバイスが必要になることも多く毎回丁寧に説明を行ってきました。徐々に患者様が多くなり、個別の説明に長い時間をかけることが難しくなり、院長ブログに多くの患者さまに当てはまるアドバイス内容をまとめて書くようになりました。
ブログ記事を読まれた患者さまが遠方から受診されることも増え、中には重症ニキビの方もいらっしゃいました。ニキビが落ち着いてきた方の中にはニキビ跡が残ってしまう方もいて、多くの相談を受けます。
開院当初から導入していたノンアブレーティブフラクショナルレーザー(以下モザイク)はとても効果を発揮してくれました。モザイクはダウンタイムが一晩と少なく、日常生活を送りながらニキビ跡治療を行いたい方に大きな力を発揮してくれました。今でもモザイクのファンの方は多く、3クール以上の治療を行っている方も多いです。
そのうちモザイクのようなダウンタイムが短いものではなく、ダウンタイムが長くても1回の効果が強いものを求める方もいらっしゃいました。とくに遠方からお越しになる方がその傾向があります。
そこでより皮膚のダメージが強いフラクショナルレーザー(エコツー)を導入しました。こちらは皮膚を剥離するのでダウンタイムが5日程度あります。開院から3年程度経過した頃です。
患者さまにとってはダウンタイムが短いものと長いものと選んでいただくことができ、ありがたいとお声をいただきました。
ところがせっかくニキビ跡の治療を積極的に行っているのに、膿を持つニキビのコントロールが難しい方がいらっしゃってニキビ跡を直していってもまた新しいニキビができてくるという方がいらっしゃいました。保険の付け薬や内服薬でもコントロールが難しい方です。
その悩みを解決するためにイソトレチノインという自費の内服薬を導入しました。イソトレチノインは海外ではよく利用されているニキビの特効薬で、まだ日本では保険適応がないため一部の皮膚科で導入されているものです。
イソトレチノインの導入後、かなり多くの方が内服され、ニキビのできにく肌を作ることができました。ニキビとニキビ跡の悩みを両方持つ方にはフラクショナルレーザーとイソトレチノインの併用で満足いく結果が得られるようになりました。
ここまででほぼすべてのニキビ・ニキビ跡のお悩みの方にはお答えできるようになったと思います。
ポテンツァ出現・導入
満足いく診療を行っている中、最近ニードルRFという新しい機械が出てきました。冒頭でご紹介したポテンツァです。
近年研究会や学会でもポテンツァに関する報告が多くなり、調べる限りはダウンタイムが少なく、従来フラクショナルレーザーで行っていたニキビ跡治療に対して短いダウンタイムで治療できかつ美肌効果も得られるような機械のようです。
フラクショナルレーザーの唯一の問題点は、エネルギーを上げないと効果が得られにくいことです。エネルギーを上げて打てるかどうかは肌質と痛みに対する敏感性に依るところがあります。
そこで、ポテンツァはエネルギーだけでなく深さも調整できるので痛みに敏感な方でも打ち方を調整しやすいのでは、と考えています。
当院におけるポテンツァの立ち位置はモザイクのようにダウンタイムが短く、痛みに敏感な方にも適応しやすいことを期待して当院での導入を決めました。
これまで以上に多くのニキビ・ニキビ跡に悩む方のお力になれることを期待しています。