水虫
水虫とは
水虫は白癬菌(はくせんきん)という真菌(カビの一種)が皮膚に感染して起こる病気です。白癬菌の感染は足指の間や、足の裏、足の爪(爪白癬)、陰部(陰部白癬)などに多いですが、特に爪を含む手足に白癬菌が感染した状態を水虫と呼びます。白癬菌はもともと土の中に住んでいましたが、人の皮膚の最外層の角質の成分であるケラチンを食べて繁殖するようになりました。ケラチンは角層・爪・毛包に存在します。
白癬菌は、人ばかりではなく、動物にも感染するため、犬や猫といったペットから感染することもあります。水虫の可能性がある場合、皮膚の一部や爪を採取し顕微鏡検査で判断します。
水虫の原因
水虫の原因である、白癬菌が長い期間皮膚に潜伏していることで発症します。カビなので湿気が多い場所が大好きですのでお風呂場などで感染します。多くの人が集まる浴場などでは注意が必要です。しかし、毎日足の裏や指の間をしっかり洗っていればなかなか発症しませんし、乾燥させることが重要なので通気性の良い靴下を履くことも予防や治療に大切です。靴下は化学繊維のものよりも天然素材の方が良いです。また長い時間はいた革靴やブーツも白癬菌が増えやすい環境となりますので同じ靴を毎日履かないことも予防となります。皮膚の表面に菌がついただけでは発症しないのでしっかり洗って乾燥させること、高温多湿の条件を作らないことに注意すれば水虫は対策できます。
水虫の種類
白癬の種類は、感染した部位によって、「足白癬」「手白癬」「爪白癬」「頭部白癬」「股部白癬」などに分類されます。足白癬は、一般的に水虫と呼ばれ白癬の中でも一番よくみられるものです。水虫は「趾間型」「小水疱型」「角質増殖型」の3種類に分けられます。
趾間型
「趾間型」は、足の指と指の間にできる水虫で、もっとも水虫ができやすい場所になります。皮膚に水ぶくれができたり、白っぽくなりじゅくじゅくすることもあります。かゆみも出ます。ばい菌が入ると痛くなったり腫れてくることもあるのでそうなる前に治療する方が良いでしょう。
小水疱型
「小水疱型」は、小さな水ぶくれが皮膚の表面にできて皮がめくれる水虫です。この水ぶくれは主に土踏まずにできることが多いですが、他の場所にできることもあります。「趾間型」と同じように白くじゅくじゅくした状態で皮が剥がれたり、かゆみはあったりするので、水虫とわかりやすいのが特徴です。
角質増殖型
「角質増殖型」は、かかとを中心とした足の裏の皮膚がぶ厚くなり、ガサガサ、ゴワゴワになる水虫です。ひどくなるとひび割れして痛みが出ることがあります。「趾間型」や「小水疱型」と違って表面が乾燥しており、痒みがでることが少ないため、水虫と気づかず放っておきがちです。
水虫の治療法
足白癬の場合は、真菌(カビ)の増殖を抑える抗真菌薬の外用薬で治療します。通常は数週間で症状が改善されますが、場合によっては、もっと長くかかる場合もあります。足白癬の場合は、病変部だけでなく周囲も含め、広い範囲で外用薬を使用することが大事です。また、症状がなくなったように見えても白癬菌は角層で生き残っているので、見た目に治ってからも1~2ヶ月は外用薬を続けることが大事です。カビによっては、はじめに処方された抗真菌薬で効かないもの(耐性菌)があるので、その場合は別の種類の抗真菌薬に変更します。爪白癬の場合、爪用の外用薬を用いることが多いですが、薬が効きにくい場合は内服薬で治療します。角質増殖型足白癬の場合、なかなか患部まで外用薬が浸透しないため、内服での治療となります。糖尿病の方は白癬になりやすいです。特に血糖値のコントロールが悪いと白癬になりやすく治りにくいので、血糖コントロールも合わせて行うことが大事です。また、汗をかく人も白癬になりやすいです。足汗が多い人は低血糖で汗が出ていることもあるので食事指導をすることもあります。
日常のスキンケア
皮膚の表面に白癬菌がついているだけであれば、皮膚を石鹸などで優しく洗うだけで十分取れますので、こまめに洗い清潔に乾かしておくことが大事です。また、2.3日続けて同じ靴を履いていると菌が増殖しやすいので、なるべく同じ靴を履くことは避けた方が良いです。指と指がくっついている形をしている方は指と指の間を乾燥させるために、靴下は通気性のよい天然素材で5本指の靴下をこまめに替えて履くのが良いでしょう。