ディフェリンゲル
ディフェリンゲルは、日本では2008年に初めて発売されました。
日本におけるニキビ治療が大きく進化した、とても効果の高いお薬です。
有効成分であるアダパレンを使いやすくするようなニキビ治療ガイドラインが皮膚科学会から発表されたほど、
発売当時のインパクトが大きい塗り薬だったのです。
その2008年から今に至るまで、ニキビ治療の中心と言えるのがディフェリンゲルです。
ディフェリンゲルの解説動画はこちらからご覧ください
ディフェリンゲルの主成分
有効成分はアダパレンです。
ニキビの3段階、白ニキビ→赤ニキビ→黄色ニキビの
どの段階でも作用してニキビを治療できます。
妊娠中の方を除く、すべてのニキビ患者さんに適用できるお薬です。
また、ニキビ改善に効果の高いエピディオゲルにもアダパレンは入っています。
ディフェリンゲルの塗り方
ニキビができやすい場所全体に、夜塗って、朝洗い流します。
ディフェリンゲルの塗り方は、基本的にはエピディオゲルと同様です。
しかし、エピディオゲルほど慎重に使うような指導はメーカーからもされていません。
その理由は、ディフェリンゲルにはエピディオゲルほど強い刺激成分「過酸化ベンゾイル」が入っていない為、
刺激が抑えられているからです。
顔全体にニキビができやすい方は、1回に塗る量は1FTU(※後述)で顔全体に塗ります。
特に注意書きにはありませんが、刺激が強いのでまぶたと唇は避けてください。
※FTU(フィンガーチップユニット)とは?
大人の人差し指の先から第一関節まで薬を乗せた量で、チューブタイプ(口径が5mm程度)の軟膏やクリームでは、1FTU=約0.5gに相当します。
ディフェリンゲルの副作用
アダパレンはレチノイドの仲間の一つなので、ビタミンA反応と言われる副作用が出ます。
皮膚の乾燥・ヒリヒリ感・皮めくれ・赤み・痒みといった反応です。
皮膚の乾燥は17%程度の人に出ると添付文書にはありますが、
実際にはもっと多くの方が皮膚の乾燥を感じているように思います。
エピディオゲルに比べると副作用は出にくい印象です。
副作用を感じる方は、保湿剤を塗ってからディフェリンゲルを塗ることで
副作用を軽減することができます。
ディフェリンゲルの特徴
ディフェリンゲルはニキビを治す能力も高いのですが、
なんと言っても素晴らしいのはニキビを出来にくくする力です。
ニキビが出来にくくなってからも数ヶ月塗り続けることで、
新しいニキビが出来にくくなります。
ニキビ跡の色素沈着も改善しやすくなりますので、継続的に使いたいお薬です。
結局、ニキビに一番良いお薬とは?
ニキビ改善に高い効果を発揮するお薬に「エピディオゲル」があります。
エピディオゲルとディフェリンゲルを比較したときに、
ディフェリンゲルはニキビの急性期を過ぎてからの維持治療では最強のお薬
だと私は考えています。
ガイドライン上にはエピディオゲルを塗り続けることが推奨されていますが、
エピディオゲルに含まれる「過酸化ベンゾイル」は強い酸化作用があるので、
皮膚に塗り続けることには若干の心配を感じています。
その為、維持治療になった患者様には
「エピディオゲル」から「ディフェリンゲル」へ変更することをオススメします。
しかし、みなさまは目の前で実際にお肌を見てもらえる主治医の先生と
相談しながら治療を行ってください。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗