ニキビ跡の最新治療「サブシジョン」の効果と特徴について解説
クレーター状のニキビ跡を改善する施術はいくつかありますが、今回はサブシジョンについて解説します。
サブシジョンの特徴や効果、基本的な施術の流れについて解説しますので、ニキビ跡で悩んでいる方は参考にしてください。
サブシジョンとは?
サブシジョンは、ニキビ跡で固くなった組織を針で切り、クレーターの陥没した部分を上に持ち上げる施術です。
範囲が広く浅いニキビ跡には、フラクショナルレーザーやダーマペンが適しているケースもありますが、深く局所的なニキビ跡はレーザーで難しい場合があります。
そんなときに使えるのが、サブシジョンです。
どんなニキビ跡に使うかはクリニックによって多少異なりますが、一般的には皿状に陥没したローリング型といわれるクレーターニキビ跡(皮膚表面が4~5mm凹んだ状態)に適用されます。
自己判断は難しいので、一度クリニックでカウンセリングを受けましょう。
サブシジョンの仕組み
サブシジョンの仕組みについて、もう少しわかりやすく説明します。
そもそも、ニキビ跡で凹んでしまうのは、固くなった皮下組織がニキビ跡を下に引っ張ってしまうからです。
この繊維部分を、サブシジョンの針で切り離すことで、へこみが改善します。
サブシジョンの特徴
サブシジョンは患者様にとっても受けやすく、メリットを感じられる施術です。
その理由は、以下の2つ。
- ダウンタイムが少ない
- 皮膚再生を促す
上記それぞれについて、具体的に解説します。
ダウンタイムが少ない
サブシジョンは、他の施術と比べて、ダウンタイムが少ないです。
皮膚を切らずに皮膚深部へ針を挿入するので、肌表面に傷が残りません。
ただし、サブシジョンの範囲や程度、また、個人差によって内出血になる可能性があります。
内出血が出た場合は1週間~2週間ほど残りますが、自然に消えていくので心配はありません。
また、洗顔や化粧については、針穴を避ければ当日からでも可能です。
皮膚再生を促す
サブシジョンは、自己治癒力の促進も促します。
肌を針の深部へ挿入することで、皮膚細胞の再生を促してくれるのです。
そのため、サブシジョンを複数回繰り返すことで、凹凸のニキビ跡が改善されます。
ヒアルロン酸注射との併用で効果が高まる
サブシジョンの施術は、ヒアルロン酸注入と併用されるケースがあります。
併用することで、ニキビ跡の凹みを持ち上げられるからです。
ただし、サブシジョンと併用するヒアルロン酸は、ほうれい線改善のために使用されるヒアルロン酸とは異なる、より柔らかいヒアルロン酸です。
昨今では、ヒアルロン酸ではなく「ジュルベルック」と呼ばれる製剤を使うこともあります。
ヒアルロン酸注入については、以下の記事も参考にしてください。
ヒアルロン酸注入のデメリットや副作用|安心安全の施術をおこなうためには?
サブシジョンの効果
サブシジョンは、日本ではまだ馴染みのない施術ですが、医学的データも多く発表されています。
Nilforoushzadehらの報告ではフラクショナルレーザー+サブシジョン 3週インターバル5回で 54.7%の改善、フラクショナルレーザーのみの場合は43.0%の改善が見られたと報告されています。 |
Balighiらの報告では20名のローリング型のニキビ痕の患者様に対してサブシジョンを行ったところは半年後の評価では、10%が効果なし、70%が軽度効果あり、20%が中程度の効果があったと判断しました。 |
Ramadanらは同様の方法でローリング型のTCAピーリングとサブシジョンを比較しました。にきび跡の減少はピーリング側では0.08657 ± 0.090 cm2 、サブシジョン側では0.3867 ± 0.09 cm2 anとサブシジョン側の方が効果が高いことが示されました。 |
Garg Sらは顔の半分にサブシジョンとダーマローラと行い、残り半分にサブシジョンとクライオローラを行いました。その結果、サブシジョンとダーマローラを行った方は平均40%の改善、サブシジョンとクライオローラを行った方が平均57%の改善が見られました。 |
上記のように安定的な効果が出ている医学データが出ておりますので、他の治療でニキビ跡が改善しなかった方も、ぜひサブシジョンをご検討ください。
サブシジョンの基本的な施術の流れ
サブシジョンの基本的な施術の流れは、以下のとおりです。
- クリニックによるカウンセリング
- 局所麻酔をかける
- 針で小さな穴を開ける
- サブシジョンの針を挿入して固くなった組織を切断
- 止血圧迫して治療終了
局所麻酔で痛みは和らぎますし、サブシジョンの針はとても細いので、心配するほどの痛みは出ません。
サブシジョンで起こりうる副作用
サブシジョンで起きる可能性のある副作用は、一時的なものと稀に起きるもので分かれます。
一時的に起きる副作用は、以下のとおりです。
- 内出血
- 赤み・ほてり
- 腫れ・痛み
- しびれ・かゆみ・違和感
- 発疹
上記の副作用は一時的なものなので、自然に治ります。
稀に起きる副作用としては、以下の5つがあります。
- 色素沈着
- 感染症
- ケロイド
- 神経の損傷
- 視力障害
- アレルギー
ただし、上記の副作用は報告されている例があるというだけで、頻繁に起きるわけではありません。
サブシジョンの適切な施術を行えば、上記のような副作用は起ほとんどきません。
サブシジョンがおすすめな人
サブシジョンは、最新のクレーター型ニキビ跡の施術です。
そのため、以下のような方は、サブシジョンをご検討ください。
- クレーター型ニキビ跡を治したい
- セルフケアでニキビ跡が改善されない
- 他のクリニックでニキビ跡が改善されなかった
- 他の施術でニキビ跡が改善されなかった
サブシジョンで改善できる可能性がありますので、まずは一度ご相談ください。
当院でのサブシジョン
名古屋地区でサブシジョンを行っているクリニックはまだ少ないようですが、当院ではニキビ跡の患者様が多く、ご要望が多かったためにサブシジョンを導入しています。
料金(自由診療)
1か所(1cm×1cm) | 22,000円 |
4cm×4cm | 88,000円 |
両ほほ | 132,000円 |
全顔 | 220,000円 |
リスク:内出血・痛み・針穴の赤み
通常の治療間隔:1回でも効果があるが、3か月おきに2回程度
当院では、サブシジョンの際にジュべルックを追加することをお勧めしています。
ジュべルックのオプション追加は以下の価格で承っております。
1mlあたり | 22,000円 |
まとめ
クレーター型のニキビ跡で悩んでいる方は、ぜひサブシジョンをご検討ください。
サブシジョンであれば、これまでの施術で治らなかったケースでも、治る可能性があります。
ただし、肌質やニキビ跡の症状によって「施術できるかどうか」「効果が出るかどうか」は異なりますので、お近くのクリニックまでご相談ください。
【クレーター型のニキビ跡にお悩みの方は、以下の記事も参考にしてください】
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文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗