クリニックのホームページ作成費用の考え方

よく、医院のホームページの標準的な価格を問われるのですが、いつも答えに窮してしまいます。

何故かと言うと、場合によって価格に違いが大きく出てしまうからです。

ホームページは、いろいろな作成ツールが充実していますので、もちろん先生ご自身で作成することができます。その場合にかかる費用は、ほとんどのケースで最安となります。

しかし、日々の診療がある中で、ご自身で作成するというのは、現実的ではありません。デザインなどは、プロが作成したものには勝てません。よって、業者に依頼することになるのですが、要するに、「先生が出来ない部分でプロに任せた費用」、この費用が、ホームページの価格です。

診療所のホームページの価格は、初期製作費と月額保守費の2つ考える必要があります。初期作成費はホームページを作るための費用、月額保守費は、ホームページを維持していくための費用です。

保守費用については、別のブログでお話ししますので、今回は初期費用にフォーカスしてお話しします。

弊社でしらべたところ、標準的な価格は、初期製作費30万円前後だろうという結果がでました。

ただし、重要なのはその内訳です。

主な初期製作費の項目

初期作成費の項目を大きく分けると下記になります。

  1. デザイン費
  2. コーディング(デザインをホームページの形に落とし込む作業)費
  3. システム設定費(CMS等の導入)
  4. 写真撮影費
  5. 文章、コンテンツのライティング費
  6. ウェブサーバの設置費
  7. ドメインの取得費
  8. SEO(検索エンジン対策)費
  9. 広告(クリック課金型広告)出稿費
  10. その他諸経費

上記の項目のうち、外注先が作業するのはどれかという部分で、価格が変わってきます。

特に大きく価格が違ってくる項目は、「1.デザイン費」「2.コーディング費」でしょう。

「1.デザイン費」「2.コーディング費」については、完全にオリジナル・オーダーメイドのデザインを作るのか、ある程度のテンプレートに当てはめて作るのかで違ってきます。

保険診療が中心の診療所であれば、Wevery!のような、テンプレートのデザインで十分な場合が多いと感じます。一方で、美容や婦人科など自費かつ女性に向けてPRしたい診療所であれば、オーダーメイドのほうが良いでしょう。(Wevery!でもオーダメイドでデザインを組んでいくことができます)この場合は、初期製作費で100万円を超えるケースも珍しくありません。

また、初期作成が無料というサービスもあります。もちろん、保守費に転嫁されているケースが多くありますので、この場合は保守費が高くないかという視点で考える必要があります。

価格は作業対価

結局のところ、価格の要素は、先生がどこまでをご自身でやるかという点で大きく変化します。違う業者間でも、サービス内容が同じであれば、価格差はあまりつかないと感じます。

診療所にとってホームページは積極的に情報発信ができる唯一の媒体ですから、フルスペックで、初期作成費100万をかけても十分にその役割は果たしてくれるでしょう。

河村伸哉

河村伸哉

東北大学法学部卒業後、フリーランスの期間を経て、大手飲料メーカーや通信系システム会社等のウェブサイト作成を経験。 現在、日本経営グループのメディキャスト株式会社にて、医療機関のマーケティングを担当。これまで約2000件のウェブサイトをプロデュース。 開業時のマーケティングを多く経験していることから、開業前に予約が殺到した心療内科や、強豪ひしめく地域で月間3,000 名の新患獲得を達成しているレディースクリニック、100 キロ離れた場所からわざわざ患者が通ってくる一般耳鼻科など、診療科目別の増患ノウハウを確立させ、ドクターの強みを地域住民に訴求する手法で、確実に増患に導いている。 日本でも数少ない医療機関のマーケティングに精通したメディカルWebプロデューサーとして、著書「クリニック広報戦略の教科書」「医院ホームページの教科書」があるほか、YouTube「ウェブリィチャンネル」を主催。全国で講演活動などもおこなっている。
医院ホームページ作成の教科書
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