赤ちゃんがアトピーかもと思ったら受診する前にまず気を付ける5つのポイント
あなたの赤ちゃんがアトピーかもしれないと思ったら不安になりますよね。
なんだか頬にプツプツができているけど、これは何だろう。ひょっとしてアトピーではないか、かわいい赤ちゃんの顔にこんなプツプツができてしまうなんて、、、。でも大丈夫、クリニックに行く前に5つのことに気を付けてみましょう。もちろん症状が重篤な場合は早めに受診することをお勧めします。また、既にアトピーと診断されている場合も同様に有効です。
1まずは乳児湿疹なのかアトピー性皮膚炎なのかその他の疾患なのか
乳児湿疹とアトピーの見分け方は実は難しいです。なぜならアトピー性皮膚炎の診断基準が乳児では2か月以上、その他では6か月以上続く皮疹となっているからです。つまり初めてプツプツができた場合はどちらかわからないということです。しかし心配はいりません。乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は基本的に同じ対応で良いのですから。
乳児湿疹は典型的には顔や頭にできる湿疹なので、その他の部位にできた場合や広範囲の場合は、受診した方が良いでしょう。手足口病やヘルペス、細菌感染などのこともあります。
2毎日入浴はしなくてもよいが、保湿はしっかりする
一般的に皮膚科などでのアドバイスは入浴を毎日して、石鹸で洗浄し、保湿をしっかりするというものです。生後3か月までの赤ちゃんはこの通りで良いでしょう。しかし、その後生後6か月に向かって赤ちゃんの肌に変化が起こり乾燥方向に向かいます。乾燥傾向の赤ちゃんの場合、入浴は毎日でなくても良いです。石鹸での洗浄もしない方が良いでしょう。これは大人のアトピー性皮膚炎の方でも同様、お風呂の回数を減らしたり石鹸の使用を控えて良くなることはよくあります。
Sarre(2015)はアトピー性皮膚炎の患者にとってお風呂が有効であるとは言えない、と結論しています。(大人を対象としている)
そして入浴後は特にしっかり保湿をしてください。保湿剤として手軽に買えるお勧めはワセリンです。いろいろな成分がたくさん入っているものは避けた方が無難でしょう。
スキンケアをしっかりするだけで良くなることも多いものです。
また、保湿剤を塗り続けることはアトピー性皮膚炎の発症予防になることを国立成育医療研究センターが発表し、話題になりました。
症状の始まりの乾燥状態も放置せずに保湿することで湿疹に移行しにくくなります。
3母子共に食べ物に気を付けること
赤ちゃんは消化機能が未熟なため食物アレルギーの症状が出やすいと言われています。食物アレルギーの症状は弱った腸粘膜からアレルゲンが入り込み、過剰な免疫応答が起こることで起きます。過去にはアトピー性皮膚炎は消化機能が高まる大人になればほぼ治る病気だと言われていたのですが、近年では大人になっても治らない症例が増えています。これは乱れた腸管が大人になっても乱れたままということも原因の一つでしょう。(もちろん重金属の害などもありますが)
アレルギーを過度に気にしてアレルゲンになりやすいと言われる食べ物を徹底的に避けることはあまりお勧めしませんが、明らかに食べると調子が悪くなるものは一旦避けても良いでしょう。
アトピーの食事についてはそのテーマだけで本が書けるほどの内容なのでまた別の機会に詳しく書きたいと思いますので、ここでは簡単にやれることだけ紹介します。まずは離乳食に小麦・乳製品・植物油を避けましょう
また母乳育児ならお母さんの食事からの栄養、添加物の除去も大切です。お母さんが栄養不足では赤ちゃんに栄養は足りなくなります。
腸のケアという意味で乳酸菌などのプロバイオティクスはとれも効果があります。乳児に飲ませやすい粉状のものも市販されています。
4生活環境に気を付ける
ハウスダストやダニ、カビなどの悪化要因を減らすために掃除をする。ただしどうせゼロにはできないのであまり徹底しない。
肌にあたる衣類やお布団は天然素材の方が良いでしょう。
汗をたくさんかくほど厚着しないこと。
生活環境は保湿や食事に比べればあまり重要ではありません。
5気にしない
自然によくなるだろうとあまり気にしない。お母さんが神経質になると赤ちゃんに悪影響があります。また、顔が痒くてゴシゴシこすりつけているのを無理にやめさせたりしなくて良いです。乳児湿疹であればほとんどが1歳までに治るので深刻に考えない。
赤ちゃんに湿疹が出現したら慌てずに生活を見直して重症化を防ぎましょう。早めのケアでアトピー性皮膚炎に移行せずに治っていくと良いですね。クリニックにわざわざ通わなくてもご家庭で治せることが一番ですよね。