洗わないスキンケアで乾燥肌を撃退!
肌が痒いといって受診される方が毎日たくさんいらっしゃいます。その方たちはひどくなると乾燥性の湿疹(皮脂欠乏性湿疹)になります。冬になると増えます。
皮脂欠乏性湿疹の方に対しての標準医療は抗ヒスタミン薬やステロイド、保湿剤などを用いて治療していきますが、その中にはなかなか治りにくい方もいらっしゃいます。
そんな方はスキンケアを見直されてはいかがでしょう。間違ったスキンケアを続けているといくらお薬を塗っても改善しません。もしくは一旦改善してもお薬をやめると出てきてしまいます。今回はスキンケアについてまとめてみます。
洗顔を見直してみる
洗顔方法はどうされていますか?女性はお化粧をすることが多いのでクレンジングは必須で、そのあとに洗顔せっけんで洗顔する方も多いでしょう。しかしダブル洗顔は皮脂の落としすぎになることがあるので注意が必要です。
大事な皮脂
皮脂とは皮脂腺から出る油で、中性脂肪が主成分です。皮膚の表面を覆い保護・保湿しています。また皮膚の常在菌の餌になって脂肪酸となり、皮膚は弱酸性に保たれ、病原菌の繁殖を防ぎます。このように皮膚にも細菌叢があって、細菌叢が正常に保たれることで皮膚の病気を防いでいます。これは腸内と似ています。(腸内の細菌叢の話はこちらを参考にしてください。)ニキビやアトピー性皮膚炎は皮膚の細菌叢が乱れる代表的な疾患です。
つまり、皮脂は皮膚を守る大事なものなのです。
正しい洗い方
乾燥肌の方の正しい洗顔方法は、皮脂を落としすぎないことが大切です。クレンジングが必要な方はなるべく弱めのクレンジングを使ってください。そのためにはお化粧自体も落としやすいものにする。間違ってもウォータープルーフのものを使わない。石鹸で落ちるメイクアップも出ていますから、その場合は洗顔せっけんだけで良いでしょう。
お化粧をしている方は夜はクレンジングのみでダブル洗顔しない、朝はぬるま湯のみで軽くすすぐのみで良いでしょう。私はこの方法で3~4年過ごしていますが、肌は強くなりトラブルが減ったと実感します。
お化粧をしない方は朝晩お湯のみでOKです。
顔のみならず体も同様と考えてください。お風呂に入った時点で大まかな汚れは落ちていますので、乾燥肌の方はさらに石鹸を使って体を洗う必要はありません。股と脇だけ石鹸で洗っても良いでしょう。
洗いすぎないこと、これだけでも肌は変わります。乾燥に悩んでいる方はお試しあれ。