夜間低血糖で肩こりが出ます
寝ている間に疲れが取れていない。朝起きたら何となく疲れている。朝から肩こりがひどい。
これ、夜間低血糖のサインです。
低血糖は糖尿病の方に起きやすく、飴を持ち歩くように指導されていたりすることをご存知の方もいるでしょう。しかし糖尿病の方でなくても低血糖は起きるのです。
薬剤性低血糖と非薬剤性低血糖があり、薬剤性低血糖は糖尿病の方に処方されるインスリンや経口血糖降下剤などで起こるものが代表的です。
非薬剤性低血糖は反応性低血糖や絶食低血糖などがあり、反応性低血糖は食事によってインスリンの分泌が過剰になって起こるものです。反応性低血糖は食事の摂り方で改善することができます。それについてはこちら。
また、アルコールの多飲でも低血糖は起こります。
今回取り上げたいのは特に病気ではないのに空腹時に低血糖になってしまう状態です。
なぜ低血糖が起こるのか。それを知るためには空腹時の血糖維持システムを知ることが必要です。
糖質を含む食事を食べれば血糖値は上がりますが、食事を食べなければ血糖値は下がっていきます。
血糖値が下がりすぎると低血糖になるわけですが、それは非常に危険な状態なので肝臓に蓄えられたグリコーゲンを分解してグルコースを作り出して血糖値を保ちます。
また、肝臓ではグルコースを作り出す糖新生というシステムが働きます。糖新生は一部には腎臓でも行いますが、大部分は肝臓で行われています。糖新生を調節する酵素が働くためにコルチゾールが必要で、コルチゾール不足は糖新生を妨げます。
以上より肝臓が弱っている場合や、コルチゾールの分泌が少ない副腎疲労の状態では空腹時の血糖値を保つことができず、低血糖になりやすいことがお分かりいただけるでしょう。
低血糖の症状は交感神経症状と中枢神経症状に分けられます
交感神経症状は血糖値が下がってしまったことに反応して血糖値を上げるホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン・コルチゾール)が出ることによっておこる症状です。急激に血糖値が下がる場合は、血糖値自体は低くなくても症状が出ます。
- 発汗
- 神経質
- 不安症状
- イライラ
- 空腹感
- 動悸
- しびれ感
- 悪心・嘔吐
この症状、パニック発作にそっくりではないでしょうか。実際パニック発作と診断されている人の中には低血糖症の方も少なくないと言われています。
中枢神経症状は脳にエネルギーがなくなった時に起こる症状です。血糖値の数値自体も低いことが多いです。
- めまい
- 脱力
- 疲労感
- 目の霞み
- 頭痛
- 集中力の欠如
- てんかん様発作
- 昏睡
- 意識消失
この二つの症状はゆっくり出ることもあれば、突然出ることもあります。
低血糖が起こりやすい時間帯
空腹時の血糖維持システムのところでも書いたように、空腹時に血糖値を維持するためにはグリコーゲンとコルチゾールが必要になります。
夕方16時頃と朝5時頃は肝臓のグリコーゲンも少なく、コルチゾールの分泌も減る時間帯なので低血糖になりやすいのです。
夕方イライラしながら食事の支度をしている主婦の方は低血糖の可能性がありますので少しつまみ食いをすると落ち着くかもしれません。もっと良いのは低血糖になる前に間食をした方が良いです。それについてはこちら。
朝5時頃に目が覚めて頭が重たかったり、だるい感じのする方も低血糖かもしれません。また、目が覚めなくても悪夢を見ることもあります。寝ている間にアドレナリンが出ることで怖い夢を見ます。
9月は夜間低血糖にしばしばなりました
私は9月の間ちょこちょこ夜間低血糖になって、眠りの質が悪かったです。寝起きが悪かったり、夜中に目が覚めたり。寝起きからだるいと一日中だるくて辛かったです。
9月は台風や低気圧の影響があって、コルチゾールの出番が多かったのですが、十分にコルチゾールが出せていない私はかなり打撃をうけました。飲酒した日はなおさらです。肩がこってマッサージに行きました。
そんな方は他にもいらっしゃったでしょう。低気圧の日は患者さんも受診する足が遠のくみたいです。
10月になって楽になり、元気になりましたよ!
コルチゾールって何?副腎疲労って何?って方はこちらのサイトが参考になると思います。
辛い時はまず休むのが一番ですが、ちょっと楽になる漢方などの力を借りたり、副腎疲労の治療をやっていくのが良いかと思います。