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手のひらの痒いブツブツ対策(汗疱・異汗性湿疹)

[2021.07.19]

汗ばむ季節になると、

手のひらに水膨れが出来てかゆくて掻きむしってしまう、

そしてつぶれると汁が出てくる、

なかなか治らないという症状に悩んでいませんか?

 

 

 

それは汗疱という病気です。

汗疱、または異汗性湿疹と言われる手のひらの痒い水膨れは

暑くなり汗ばむ季節に出来やすいものです。

今回は、汗疱と言われる病気についてお届けします。

なかなか改善せず悩んでいる方は必見です。

こちらの動画も併せてご覧ください。

 

汗疱の基礎知識

はじめは手のひらと足の裏だけに、小さな水膨れができて広がっていきます。

さらにそれが刺激になって痒みを伴う皮膚の炎症となります。

その状態になると手の甲側や指にも出てきて広がることがあります。

通常は2~3週間で皮がめくれて落ちて治ります。

 

 

 

完全に治すのが難しい病気として知られています。

原因不明なことが多いのですが、体質によって出来やすい場合もあります。

どのような体質の方に多いのかというと、

多汗症といって手汗足汗が多い方に出来やすく、

汗腺が関わっているのではないかと言われています。

 

 

 

実際に汗をかき始める季節の変わり目に出ることが多いです。

また、後述しますが金属アレルギーが原因であることもあります。

 

 

 

 

 

 

汗疱の治療

汗疱で皮膚科を受診すると、痒みを伴う場合はステロイドの塗り薬や抗アレルギーの飲み薬を処方されます。

そのお薬を使って収まるまで待つということになりますが、季節の変わり目に発症することがあるので

完治するのが難しい病気です。

 

 

 

金属アレルギーが原因の場合、特にニッケルに対するアレルギーが多いことが報告されています。

ニッケルのアレルギーは皮膚のパッチテストを行って診断出来ます。

ニッケルは食品に含まれているので、ニッケルアレルギーの場合には低ニッケル食という食事法を行うと改善することがあります。

 

 

 

またパッチテストで様々な金属をテストしても何も反応がなく、

金属アレルギーと診断されない場合には

実は口の中の歯科金属による影響で

汗疱が出ていることもありますので注意が必要です。

歯科金属が疑われる場合には、口の中の金属を除去してみるしか方法がありません。

 

 

 

汗疱の海外での治療とボツリヌストキシン治療

また、特に海外では手のボツリヌストキシン治療を行い汗を止めることで汗疱が改善するという治療が行われています。

日本では保険適応がありませんが、

手汗が関わって汗疱が出来やすい方は一定数いらっしゃるので手のひらのボツリヌストキシン治療を検討されるのも良いでしょう。

 

 

 

手のひらのボツリヌストキシン治療とは、ボツリヌス菌が作るたんぱく質を手のひらに注射して

エクリン線という汗の腺の働きを止めて汗を出にくくする治療です。

この治療の効果は5ヵ月ほどで切れてしまうので根本治療ではありませんが、

長年、汗疱に困っている方には有効なので、改善方法のひとつとして検討してみてください。

 

 

 

民間療法のビオチン治療について

その他、民間治療でビオチン治療といわれる治療があります。

こちらはもともと掌蹠膿疱症という

汗疱とよく似た病気の治療に対して用いられてきた民間治療法が汗疱にも用いられてきたもので、

医療機関主導ではありません。

 

 

 

患者様の一部に効果があったということで

インターネットなどの情報で知られるようになりました。

ビオチン治療の効果は確かに一部の人には出ているようです。

ただし注意が必要なのは、海外での研究が出ているということはありませんし、

医師の立場としては特におすすめ出来るものではありません。

 

 

 

やり方を簡単にご紹介すると、ビオチンというビタミン群の一種のサプリメントと、

プロバイオティクスとビタミンCを一定期間内服するというものです。

 

 

 

ビオチンは一部の湿疹の方には保険適応があるように、

皮膚に対して一定の役割は果たしているのでビオチン治療で改善したと感じる方もいらっしゃるでしょう。

わたしの解釈では、腸内環境が良くない方がプロバイオティクスとビオチンを飲むことで

正常に近づく為に効果が出ることがあるのだと思います。

 

 

 

保険適応の治療ではありませんし、エビデンスもないですが

2週間程度試してみるには副作用もほぼないでしょうから、

自己責任で試してみても良いでしょう。

 

 

 

 

 

まとめ

汗疱について知識を深めていただけましたか?

この季節の手荒れは汗疱であることも多いので、

疑われる場合は、一度皮膚科を受診してください。

 

 

 

軽症の場合は自然に治ることが多いですが、

重症で困っている方は今回ご紹介した低ニッケル食やボツリヌストキシン治療なども含め、

いろいろな治療法も検討されるとよいと思います。

 

 

 

文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック  院長 祖父江 千紗

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