肌の保湿しすぎはニキビに逆効果?保湿しすぎによる肌への影響
ニキビ対策として、保湿は基本中の基本です。
しかし、保湿のしすぎもニキビの原因になるとご存じでしょうか。
そこで今回は、保湿のしすぎによる影響について解説します。
「保湿しているのにニキビができてしまう」と悩んでいる人は、保湿のしすぎが原因になっているかもしれません。
保湿のし過ぎは肌に逆効果?
基本的に、ニキビ肌に対して保湿は効果的です。
しかし、人の肌というのは肌トラブルを防止してくれる作用(バリア機能)があります。
ところが保湿をしすぎてしまうと、角質層が「肌を守らなくても良い」と判断してしまい、本来のバリア機能が十分に機能しなくなってしまうのです。
バリア機能が低下した結果、ニキビなどの肌トラブルを惹きこしてしまいます。
保湿のしすぎで起きる可能性がある肌トラブル
保湿のしすぎによる肌トラブルは、ニキビだけではありません。
以下の肌トラブルも、保湿のしすぎによって引きこされる可能性があります。
- 毛穴の開きが目立ちやすくなる
- 肌のかゆみ
- 肌のたるみ
- 皮膚炎
なぜそれぞれの症状が発生する可能性があるのか、以下で解説します。
ニキビの発生
肌を保湿しすぎると、皮脂の分泌が乱れてニキビが発生します。
とくにニキビができやすい体質の人は注意が必要です。
ニキビができやすい人は過剰保湿になりやすく、スキンケアによってニキビを増やしてしまう恐れがあります。
毛穴の開きが目立ちやすくなる
保湿のしすぎは、毛穴の開きを目立ちやすくする可能性があります。
なぜなら、開いた毛穴に保湿剤が入りこんでしまうからです。
その結果、毛穴が開いたように見え、目立ってしまいます。
肌のかゆみ
保湿のしすぎから、肌のかゆみが生じる可能性もあります。
肌のバリア機能が低下すると、カビや細菌が入り込んでしまいやすくなるからです。
とくにマラセチア菌が原因のニキビは、油分や皮脂を好むため、保湿のしすぎによって増殖しやすい環境になってしまいます。
肌のたるみ
保湿は肌にハリを与えるためにも重要ですが、保湿のしすぎは肌にたるみを与える可能性があります。
これは、保湿のしすぎによる肌本来の保湿機能が低下することが原因です。
保湿機能が低下してしまうと、肌が重力にたえられなくなり、たるみとなってしまいます。
皮膚炎
保湿のしすぎによって、皮膚炎を引き起こす可能性もあります。
保湿によって油分を与えすぎてしまうと、菌が増殖しやすくなるからです。
菌が増殖した結果、皮膚の炎症につながります。
さらに、炎症から、皮膚の赤みやニキビの発生とつながっていくのです。
保湿しすぎないための適切な方法
肌を保湿しすぎないための方法について解説します。
「肌を保湿しすぎないようにする」と言っても、どのような保湿方法が適切なのかわからない人もいるでしょう。
以下で適切な方法として、5つのポイントを解説します。
普段から保湿を行っている人は、以下を注意しながら保湿ケアを行ってください。
保湿剤の使用量を守る
保湿剤を使用する際は、適正量を守って使いましょう。
適正量以上に使えば効果があるわけではありません。
商品によって、成分や配合割合、テクスチャの性質などで適正量が定められています。
もし適正量がわからない場合は、販売店やメーカーなどで確認してみてください。
自分の肌と水分と油分のバランスが合っているものを選ぶ
保湿剤は、自分の肌と相性の良いものを選びましょう。
保湿剤にはさまざまなものがあるので、水分と油分のバランスを考えながら選んでください。
たとえば、油分の多い肌であれば油分の少ない保湿剤が良いです。
肌と合わない保湿剤を使うと、過剰保湿または保湿が足りないなどの原因になってしまうので、自分の肌との相性を必ず確認してください。
化粧水を叩いて浸透させない
化粧水を肌に叩いて浸透させるような方法がありますが、おすすめしません。
肌を叩く行為は、肌への刺激となります。
肌へダメージを加わえているため、肌トラブルの可能性は当然高くなるでしょう。
化粧水を浸透させるときは、叩くのではなく優しく撫でながら浸透させてください。
うるおい成分が強いアイテムを重ねない
保湿のために複数のアイテムを使用する人もいるかもしれませんが、おすすめしません。
肌に塗るものは、できるだけ種類が少ない方が良いです。
複数の化粧品を重ねて塗ると、成分変化によって悪影響を与える可能性があります。
当然、過剰保湿の可能性もあるので、アイテムを重ねるような保湿はしないようにしてください。
保湿グッズを長時間使用しない
保湿のために、長時間のフェイシャルマスクやスチーマーを使用する人もいるかもしれませんが、避けた方が良いです。
フェイシャルマスク、スチーマーともに長時間の使用で水分が蒸発しやすくなります。
いずれにおいても適切な時間が商品に記載されているので、必ず使用目安時間を守ってください。
まとめ
肌の保湿しすぎは、悪影響を与える可能性があるので注意してください。
世の中の保湿アイテムは、必ず適正量や適正時間を守って使用するようにしましょう。
ニキビ改善のためには「ただ保湿する」のではなく「適切な保湿」が大事です。
自身の肌の特性がわからない場合は、一度クリニックを受診して、相談してみてください。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗