カフェインはニキビの原因になる【とくにコーヒーに注意】|カフェインの影響から注意点まで解説
コーヒーがニキビの原因になると聞いたことはありませんか?
実際は、コーヒーそのものではなく、コーヒーに含まれるカフェインがニキビの原因となるのです。
今回は、カフェインが原因でニキビができる理由について解説します。
毎日コーヒーを飲んでいる人や、その他カフェインの含まれるものを摂取している人は、ぜひ参考にしてください。
カフェインが原因でニキビができる理由
カフェインが原因でニキビができる理由は、主に以下の3つです。
- ミネラルを排出してしまう
- 胃酸分泌が増える
- 生活リズムが乱れる
また、コーヒーに入れるミルク類もニキビができる原因になります。
それぞれがどのように作用してしまうのか、以下で詳しく解説します。
利尿作用が働いてミネラルを排出してしまう
カフェインは、肌の健康維持に欠かせない成分を阻害してしまう作用があります。
カルシウムやマグネシウム、亜鉛やカリウムなどのミネラルの吸収を阻害してしまうのです。
さらに、カフェインを摂取すると利尿作用が働き、尿とともにビタミンやミネラルを排出してしまいます。
これらの肌に必要な栄養分が不足することで、ニキビの原因となるのです。
胃酸分泌が増える
カフェインは、胃の機能を低下させてしまうため、ニキビの原因になります。
これは、カフェインが胃酸の分泌を活性化するからです。
カフェインの作用で胃酸過多になると、胃が荒れてしまい、胃の機能が低下します。
胃の機能が低下すると、全身に栄養が巡りにくくなるために、肌荒れやニキビの原因となるのです。
覚醒作用によって生活リズムが乱れる
ニキビの原因の一つは、生活リズムの乱れ。
カフェインは覚醒作用があるため、睡眠不足などの生活リズムの乱れが生じやすいです。
生活リズムが乱れた結果、ニキビの原因となります。
コーヒーに入れるミルク類にも注意
コーヒーの場合は、ミルク類にも注意してください。
コーヒーに加えるようなミルクは、加工したものを使用しています。
加工したミルクは、体に悪影響を与える「トランス脂肪酸」を含めた多くの添加物が使用されており、これがニキビの原因となってしまうのです。
トランス脂肪酸や添加物は体内で代謝されにくく、毒素となって残ってしまいます。
加工ミルクは缶コーヒーにも多く含まれている傾向にあるので、注意してください。
カフェインは肌荒れの原因にもなる
カフェインは、ニキビの他にも、さまざまな肌荒れの原因になります。
とくにニキビで悩まされていない方でも、カフェインの摂取で以下のような症状が出る可能性があるので、注意してください。
- メラニンの拡散
- 肌の乾燥
なぜこれらの症状が出てしまうのか、以下で解説します。
メラニンの拡散
カフェインを過剰摂取してしまうと、肌にくすみやシミが生じます。
これは、カフェインがメラニンを拡散させてしまう働きがあるからです。
コーヒーに含まれるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」はメラニンを抑制する働きがあるので、適量であれば肌に良い影響を与えます。
しかし、過剰摂取は肌荒れの原因となるので、あくまで適量を意識してください。
利尿作用の働きによる水分不足
カフェインの利尿作用は、肌の乾燥の原因になります。
利尿作用によって毒素を排出するのは良いことですが、体内の水分量を減らす原因になってしまうからです。
普段からトイレが近い人や肌が乾燥しがちな人は、カフェインの摂取を控えましょう。
ニキビを悪化させるコーヒーの飲み方
カフェインを含む代表的な飲み物として、コーヒーを例に注意すべき飲み方について解説します。
基本的にコーヒーのようなカフェインを含む飲み物は、過剰摂取に注意してください。
過剰摂取がニキビの原因にもなります。
以下で具体的な注意点について解説しますので、よくコーヒーを飲む人は参考にしてください。
飲みすぎ
コーヒーの飲みすぎは、ニキビを悪化させるだけではなく、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
カフェインやクロロゲン酸を多く摂取すると、ニキビの原因となりやすくなるほか、カフェインの過剰摂取は不眠などの症状を引き起こすこともあります。
カナダ保健省によると、健康な成人の場合、1日のコーヒー摂取量をマグカップ3杯(1杯あたり約240ml)までと推奨しています。
適量を心がけ、過剰摂取は控えるようにしましょう。
寝る前に飲む
コーヒーに含まれるカフェインには覚醒作用があり、摂取後30分〜1時間で血中濃度がピークに達し、半減するのに約4時間かかります。
そのため、寝る前にコーヒーを飲むと、カフェインにより中枢神経が刺激され、脳が覚醒状態のまま睡眠をとることになり、睡眠の質が低下します。
その結果、肌のターンオーバーが乱れ、皮脂の排出が滞り、ニキビができやすくなるのです。
ニキビを防ぐためのコーヒーの飲み方
コーヒーは適切な量を飲むのであれば大きな影響を及ぼしません。
ですから、現在「コーヒーを毎日飲んでいる」という方でも、以下で解説するポイントを意識すればニキビを防げます。
具体的な飲み方について解説しますので、参考にしてください。
コーヒーの量を適量に抑える
コーヒーを適量で飲むことは、むしろニキビ予防に役立つ可能性があります。
コーヒーに含まれるカフェインは、中枢神経に作用し、食欲を抑える効果を持っています。
そのため、適量のコーヒーを飲むことで、食べ過ぎによるニキビの発生を予防できる可能性があります。
ただし、コーヒーの1日の最大摂取目安量は、年齢や個人の状況によって異なるので注意が必要です。
食後に飲む
食後にコーヒーを適量飲むことで、肌の健康維持に役立つ可能性があります。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、胃酸の分泌を促進する作用があります。
胃酸は消化を助ける「酸」の一つで、適量のコーヒーを食後に飲むことで胃酸の分泌が促進され、消化器官の働きが活発化されます。
その結果、食べ物から摂取した栄養素が効率よく吸収され、肌に栄養が届きやすくなります。
運動する30分~1時間前に飲む
運動前にコーヒーを飲むことで、肌のターンオーバー(新陳代謝)が促進され、ニキビ予防に役立つ可能性があります。
コーヒーに含まれるカフェインは、中枢神経を刺激し、交感神経を優位に働かせます。その結果、脂質を分解する脂肪分解酵素が活性化されるのです。
さらに、カフェインは摂取後30分〜1時間で血中濃度がピークに達するため、運動前の30分〜1時間前にコーヒーを飲むことで、運動時の脂肪燃焼が効率化されます。
脂肪燃焼の効率化により、代謝が向上し、肌細胞の生まれ変わりであるターンオーバーも促進されます。
寝る前は4時間前まで
就寝前のコーヒー摂取は、睡眠の質を低下させ、ニキビの原因になる可能性があります。
コーヒーに含まれるカフェインには覚醒作用があり、その血中濃度が半減するのに約4時間かかると言われています。
したがって、就寝時刻の4時間前以降にコーヒーを飲むと、入眠時にカフェインの血中濃度が高い状態になり、脳が覚醒して深い眠りに入りづらくなるのです。
睡眠の質が低下すると、肌のターンオーバーが乱れ、ニキビができやすくなります。
コーヒーには嬉しい効果もあります
コーヒーのようにカフェインを含む飲み物は、決して悪いものではありません。
コーヒーに含まれる成分には、肌に良いものもあります。
とくに美肌や健康に関係する成分について、以下の表にまとめました。
ポリフェノール(クロロゲン酸) | 抗酸化作用があり、糖尿病などの予防に役立つと言われています。 |
オリゴ糖 | オリゴ糖には体脂肪低減効果があるという研究成果が報告されています。 |
エストロゲン | エストロゲンを増やすことで更年期障害の予防が期待できます。 |
上記のようにコーヒーには健康効果もありますから、「悪いもの」と決めつけて完全に飲まないようにしなければならないわけではありません。
適量であれば、健康や美肌に良い効果を与えてくれます。
カフェイン摂取をやめる際の注意点
日常的にカフェインを摂取しているのであれば、摂取をやめる際にも注意をしてください。
急にカフェインの摂取をやめてしまうと「カフェイン離脱」の症状になる可能性があるからです。
カフェイン離脱症状とは、突然カフェインの摂取をやめた際に現れる不快な症状。
カフェイン離脱症状について理解した上で、少しずつカフェインを抑えていくようにしましょう。
以下では、カフェイン離脱について、詳しく解説します。
カフェインの離脱症状に注意
カフェインの離脱症状には、以下のようなものがあります。
- 頭痛
- 疲労感
- 眠気
- 不快感
- 抑うつ
- 集中できない
- 吐き気
とくに多いのは頭痛です。
カフェインに依存している人は、カフェイン不足による慢性的な頭痛に悩まされるケースも少なくありません(多くの場合カフェインの摂取で軽減される)。
カフェイン摂取をやめる際は徐々に減量
カフェインの摂取をやめる際は、突然やめるのではなく、徐々に減量していきましょう。
徐々に減量することで、離脱症状は軽減していきます。
たとえば、1日3本の缶コーヒーを飲んでいたなら1日2本で1週間待つ。
今度は1日2本から1日1本、次は2日に1本……といったように減らしていくと、離脱症状を防げます。
お肌のためにはカフェイン摂取を控えた方が良いですが、離脱症状とも上手く付き合いながら減量していきましょう。
まとめ
お肌のために、カフェインの摂取は避けましょう。
ただし、適量であれば美肌効果も得られるので、たしなむ程度の量であれば問題ありません。
問題なのは、過剰摂取です。
リモートワークが増えた昨今では、パソコンの前でコーヒーを飲む時間も増えているのではないでしょうか。
「最近肌の調子が悪い」と感じているなら、カフェインが原因かもしれません。
少しでも心当たりがあるなら、カフェインを抑えた生活を心がけてください。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗