ピルでニキビが悪化する可能性がある|悪化の原因の対処法
低用量ピルは、ニキビ治療に効果が期待できます。
しかし、場合によっては低用量ピルでニキビが悪化するケースもあるのです。
そこで今回は「どのような場合にニキビが悪化してしまうのか」また「悪化してしまった場合の対処」について解説します。
正しい知識でピルを服用して、ニキビ改善に努めましょう。
ニキビ治療に処方される主な低用量ピル
ニキビに効果のあるピルは「低用量ピル」と呼ばれるものです。
主に処方されるピルとして、以下のようなものがあります。
- マーベロン……とくにニキビ治療に効果的
- フォボワール……マーベロンのジェネリック医薬品
- ヤーズフレックス……ホルモンの量を抑えた超低用量ピル
それぞれのピルについては、以下の記事でも解説しているので、参考にしてください。
ニキビに効果のあるピルの種類|ピルでニキビ改善が期待できる仕組み
低用量ピルを飲むとニキビは悪化する?
低用量ピルを服用して、ニキビが悪化する可能性はあります。
そもそも低用量ピルの有効率は40~60%とされており、低用量ピルを飲めば確実にニキビが改善されるわけではありません。
また、基本的に低用量ピルの飲み始めは、ホルモンバランスの変化によってニキビや肌荒れができやすいです。
ただし、ホルモンバランスの変化によるニキビの悪化は一時的なものなので、継続して飲み続けて問題ありません。
ピルによるニキビ悪化の原因
ピルによるニキビ悪化の原因は、主に4つあります。
- ピルが合っていない
- 用法・用量を守ってピルを服用していない
- 基礎疾患がある
- 生活習慣が乱れている
いずれかに当てはまる場合は、ピルによってニキビが悪化する可能性があるので注意してください。
以下では、なぜそれぞれの原因でニキビが悪化してしまうのかについて解説します。
ピルが合っていない
ピルがニキビ改善効果をもたらすのは、ピルに配合されている女性ホルモン「エストロゲン」が男性ホルモンである「アンドロゲン」を抑えるためです。
しかし、同じ女性ホルモンである「プロゲステロン」が含まれていると、アンドロゲンに作用して活性化させてしまい、ニキビを悪化させてしまう可能性があります。
そのため、ピルを使用する際には、アンドロゲン活性を抑えたものを選ばなければいけません。
ただし、アンドロゲン活性を抑えた低用量ピルにおいても、配合されている女性ホルモンの量によりニキビへの効果は異なります。
自身の体質に「合う」「合わない」があるので、必ず医師に相談してください。
用法・用量を守ってピルを服用していない
ピルを服用する際は、必ず用法・用量を守って使用しましょう。
低用量ピルは、継続しての服用しなければ、ニキビに効果がでません。
たとえば、一定期間服用して、少しの間服用をしないでいると、ニキビや肌荒れが起こりやすくなります。
その他、ピルの飲み忘れやピルをやめた後などはニキビが悪化しやすい原因と考えられているので、必ず医師の指示を守って一定期間継続して服用してください。
基礎疾患がある
基礎疾患がある場合は、ニキビが改善しなかったり悪化したりする可能性があると言われています。
たとえば、高脂血症などです。
基礎疾患がある場合は、ピルでニキビを治すのではなく、基礎疾患を治す方を優先しましょう。
生活習慣が乱れている
低用量ピルでニキビが改善しなかったり悪化したりする場合には、生活習慣を見直してみてください。
そもそも、低用量ピルは、ホルモンバランスが原因のニキビに有効的です。
生活習慣が原因であるニキビに対して大きな効果は期待できません。
たとえば、以下のようなケースが原因のニキビです。
- ストレス
- 睡眠不足
- 食生活の乱れ
- 紫外線による肌荒れ
- 洗顔や保湿を行えていない
これらが原因のニキビは、ピルだけではなく、毎日の予防ケアを優先するべきです。
ピルによってニキビが悪化した際の対処法
ピルの服用でニキビが改善しなかったり悪化したりする場合は、一度医師まで相談してください。
低用量ピルには様々な種類があるため、ニキビを悪化させてしまう可能性があります。
ただし、先述したように、どの種類のピルにおいても飲み始めは一時的にニキビが悪化する傾向があるので、まずは2~3ヵ月飲み続けてみましょう。
2~3ヵ月飲み続けてもニキビが改善しなかったり悪化したままだったりする場合は、ピルの服用を中断して医師に相談してください。
まとめ
ニキビ治療に低用量ピルは効果的ですが、必ずしも改善されるものではありません。
今回解説したように、ピルによってニキビを悪化させてしまう可能性もあります。
ただし、ニキビが悪化したからといって焦る必要はありません。
ニキビの悪化原因はいくつもあるので、今回の記事を参考にしながら悪化原因を探ってみましょう。
どうしてもニキビが改善されなかったり悪化したりする場合には、一度医師まで相談してみてください。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗