タバコはニキビに悪影響|喫煙が引き起こす肌のトラブル
タバコを吸っていると肌が汚くなると聞いたことはありませんか?
これは、事実と言っても過言ではありません。
タバコを吸っているとニキビができやすくなる他、スモーカーズフェイス(タバコ顔)になってしまいます。
今回は、タバコと肌の関係性について解説するので、喫煙者の方はぜひ参考にしてください。
タバコによる肌への影響
タバコによる身体への影響(主に肌に関連する影響)は、大きく分けて3つあります。
- ニキビができやすい肌になってしまう
- 女性ホルモンの低下
- スモーカーズフェイス
タバコを吸っていると潤いのある肌が失われ、美しい肌は保てません。
なぜこのような影響が出てしまうのかについて、以下で具体的に解説します。
ニキビができやすい肌になってしまう
タバコは、ニキビがをできやすくしてしまいます。
これは、タバコに含まれるニコチンによる影響です。
ニコチンは体内のビタミンCを破壊したり肌の新陳代謝を低下させる働きを持っています。
そのため、肌の老化が進み、ニキビができやすくなってしまうのです。
お顔はもちろんですが、全身のニキビや肌荒れにもつながります。
女性ホルモンの低下
タバコは、女性ホルモンの低下を招いてしまいます。
これは、喫煙による一酸化炭素の発生とニコチンの作用によるものです。
女性ホルモンが低下した結果、皮膚の潤いが失われ、綺麗な肌を保てなくなります。
スモーカーズフェイス
喫煙による大きな肌への影響が「スモーカーズフェイス」です。
スモーカーズフェイスとは、タバコ顔とも呼ばれており、喫煙者の顔に同じような特徴が現れる症状を言います。
スモーカーズフェイスの主な特徴は、以下のとおりです。
- 肌の張りがなくなる
- しみ・くすみが目立つようになる
- 鼻周辺の毛穴が開く
- 目の下にくまや色素沈着ができる
- 目じりが少し下がって見えるようになる
- 頬がこけてくる
- ほうれい線や口元のシワが増える
- 肌が黄ばみ、唇が黒くなる
- 歯茎が黒ずんでくる
喫煙による血行障害や体温低下、代謝低下などによって引き起こされるため、禁煙で改善される場合もあります。
喫煙者と非喫煙者の比較研究ではメラニンの増加が報告
ある喫煙者と非喫煙者を比較した研究においては、喫煙者には以下のような特徴があると報告されています。
- カサつきやかゆみを感じやすい
- 角層細胞の重層剥離量やメラニン量の増加
- ニキビができやすくなる
- 肌の脂っぽさを感じる
- 毛穴が目立ちやすくなる
研究結果においても肌への影響がはっきりわかっているため、「喫煙=肌に悪い」は事実と言えるでしょう。
メラニンの増加ということはシミ・くすみが出やすくなるということです。
タバコによるニキビへの影響
タバコは、ニキビへの影響も大きいです。
「ニキビができやすい」や「ニキビが治りにくい」と悩んでいる喫煙者の方は、タバコが原因になっているかもしれません。
以下でタバコによるニキビへの影響について解説していきます。
白ニキビが増える
タバコは、スクワランを酸化させてしまい、毛穴を詰まらせてニキビの元となります。
「スクワラン」というのは、乾燥や紫外線を肌から守る天然の潤い成分です。
しかし、タバコのニコチン作用はスクワランを酸化させてしまう効果があるため、正常な肌を保てなくさせてしまうのです。
さらに、ニコチンの作用によってビタミンEを減少させてしまうことも、ニキビを作る原因になります。
ニキビ跡が目立つようになる
タバコを吸うと、ニキビができやすくなるだけではなく、ニキビ跡も消えにくくなります。
これは、タバコのニコチンがビタミンCを失わせてしまうからです。
ビタミンCはコラーゲン生成に関わる大切な栄養素であるため、タバコによってビタミンCが足りなくなった肌は、弾力が失われてしまいます。
その結果、シワが深くなるとともに、肌表面のニキビ跡が目立つようになってしまうのです。
タバコによる肌への影響を抑える方法
タバコによる肌への影響を抑える方法について解説します。
最もよいのは禁煙することですが、すぐにタバコをやめられない方もいるでしょう。
以下で、タバコによる肌への影響を抑える方法について、いくつかを紹介するので、ぜひ実践してみてください。
ビタミンCを摂取する
タバコはビタミンCを失わせてしまう効果があるため、食事で積極的にビタミンCを摂取すると良いです。
一般的な大人に必要なビタミンC量は1日に100mgとされていますが、喫煙者の場合は非喫煙者の方よりもビタミンCを摂取しなければいけません。
参考までに、ビタミンCが多く含まれている野菜を以下に記載するので、ぜひ普段の食生活に取り入れてみてください。
- パプリカ…170mg
- ブロッコリー…120mg
- ケール…81mg
- モロヘイヤ…65mg
- かぼちゃ…43mg
※いずれも100gあたりの含有量
ビタミンC誘導体配合のスキンケア商品を使う
食事でビタミンCを補えない場合は、ビタミンC誘導代の含まれているスキンケア商品を使うと良いでしょう。
なかには、美白有効成分が含まれている商品もあります。
ただし、化粧品の作用はあくまで「予防」であり「改善」ではありません。
ビタミンC誘導体配合のスキンケア商品については、以下の記事で紹介しているので、参考にしてください。
トラネキサム酸配合のおすすめ美容液3選|トラネキサム酸の効果と仕組み
禁煙をする
ビタミンCの摂取は、一時的な対処法にしかなりません。
そのため、肌を綺麗に保つのであれば、禁煙が最も適している方法です。
すぐにタバコをやめられない場合は、禁煙外来などで少しずつ減らしていくと良いでしょう。
タバコを吸っている限り肌への影響は続くので、少しでも肌を綺麗な状態に戻すなら、禁煙をおすすめします。
まとめ
本気で肌を綺麗にしたいと考えるなら、ぜひ禁煙をおすすめします。
禁煙することでビタミンCが正常に働き、肌は若返ります。
血行も良くなり、健康的な肌になっていくでしょう。
ニキビなどの肌荒れも起きにくくなるので、ぜひ肌荒れやニキビに悩んでいる人は、今回の記事をきっかけに禁煙を検討してみてくださいね。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗