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エチルアスコルビン酸(水溶性ビタミンC誘導体)の特徴や効果|お肌に良い影響を与える成分

[2023.01.27]

エチルアスコルビン酸(VCエチル)は、優れた水溶性ビタミンC誘導体して注目されています。

しかし、具体的にどんな効果があり、どんなメリットがあるのか知らない人は多いでしょう。

今回の記事では、VCエチルの効果や特徴について解説します。

スキンケア商品を選ぶ際にも、ぜひVCエチル配合のものを選んでみてください。

 

VCエチルとは?

VCエチルとは、水溶性ビタミンC誘導体の一種で、化粧品などには「3-O-エチルアスコルビン酸」と記載されています。

医学部外品としても認められており、美肌効果に期待できる成分です。

ビタミンC含有量も多く、現在では様々なメーカーが活用しています。

 

VCのビタミンC含有量

VCエチルは、他のビタミンC誘導体と比べて、ビタミンC含有量が豊富です。

主なビタミンC誘導体と比べると、以下のようになります。

ビタミンC誘導体 ビタミンC含有率
APS 55%
APM 61%
AA 52%
G 31%
APPS 15.6%
GOVC 44%
VCエチル 86%

比較的ビタミンC含有率の高いAPMでもビタミンC含有率は61%ですが、VCエチルは86%と、圧倒的な含有率です。

 

VCエチルの特徴

VCエチルは、ビタミンC含有率が高いことも含め、様々な特徴があります。

  • 厚生労働省から認可された医薬部外品有効成分
  • 即効性がある
  • 安定性が高い
  • 高い浸透性
  • チロシナーゼ活性阻害効果
  • 皮膚の黒化を防ぐ

それぞれの特徴について、一つずつ解説します。

 

厚生労働省から認可された医薬部外品有効成分

VCエチルは、2004年に医学部外品美白有効成分として、厚生労働省に承認されている成分です。

日本は比較的安全性に厳しい国ですが、その日本が認めた成分であるため、安心して使用できます。

もちろん、美白効果についても認められています。

 

即効性がある

VCエチルは、他のビタミンC誘導体と比べて、即効性が高いです。

通常、ビタミンC誘導体がビタミンCへ変換されるには、酵素によって分解される必要があります。

対してVCエチルは、酵素による分解を必要としません。

そのままの形で皮膚内でビタミンCと同様の作用を発揮します。

 

持続性が高い

VCエチルは、持続性も兼ね備えています。

通常、水溶性ビタミンC誘導体が分解されるのには、6~8時間ほどかけられると言われています。

対して、VCエチルは72時間かけてゆっくりと変換され、代謝されていくのです。

72時間お肌にとどまり、効果を持続させてくれます。

 

安定性が高い

ビタミンCやビタミンC誘導体は、熱に弱く、安定性が低い特徴があります。

しかし、VCエチルについては、従来のビタミンC誘導体と比べて、安定性が高いのです。

ある実験では、40℃で90日が経過しても、95.9%のビタミンC残存率が確認されています。

 

高い浸透性

VCエチルは、高い浸透性も持ち合わせています。

ある実験では、以下のような結果が出ました。

  • モルモットの皮膚に塗布したところ、24時間で1%以上が肌の奥にある真皮層にまで移行
  • 3次元皮膚モデルを用いた浸透量の比較では、AA2Gと比較して約3倍、APMと比較して約10倍の浸透力が確認

 

チロシナーゼ活性阻害効果

チロシナーゼというのは、UVBを浴びた際に活性化する酵素です。

チロシナーゼが活性化すると、メラニンを過剰に作り出してしまいます。

VCエチルは、このチロシナーゼの活性を阻害する効果を持っているため、美白に効果的なのです。

 

皮膚の黒化を防ぐ

メラニンというのは、メラニン単量体が重合することにより、メラニンになります。

とくにUVAを浴びてしまうと、メラニン単量体の重合を促進して、皮膚の黒化を起こさせます。

VCエチルは、このメラニン単量体が重合化するのを抑制するために、皮膚の黒化を防げるのです。

 

VCエチルの主な効果

VCエチルは、とても肌に良い影響を与えます。

肌に与える効果として主なものは、以下の4つです。

  • 美白効果
  • コラーゲンの生成
  • 皮脂の過剰分泌を防ぐ
  • 抗酸化作用

VCエチルがどのように作用するのかについて、以下で解説します。

 

美白効果

特徴でも解説したように、VCエチルはメラニンを抑制するなどの効果があります。

そのため、シミやそばかす、お肌のくすみを予防、改善する働きがあるのです。

昨今では、美白化粧水としてVCエチルが配合されている商品も多くあります。

 

コラーゲンの生成

VCエチルは、コラーゲンの生成をサポートする働きがあります。

エイジングケアに効果的なので、お肌のハリをもたらす効果に期待できるでしょう。

その他、しわやたるみ、老化の予防にも効果的です。

 

皮脂の過剰分泌を防ぐ

VCエチルは、皮脂の分泌をコントロールする働きがあります。

過剰な皮脂分泌を防いでくれるので、ニキビ予防や脂性肌の対策としてもおすすめです。

さらに、皮脂のコントロールにより、毛穴を引き締めて、目立ちにくくしてくれます。

 

抗酸化作用

肌は酸化してしまうと、老化やシミ・シワ、肌荒れなどの原因になります。

VCエチルは、これらの酸化を抑制する抗酸化作用も高いです。

とくに紫外線やストレスによる影響は酸化を促進してしまうので、日々の生活で陽を浴びたりストレスを感じたりしている人には、高い効果のあるVCエチルをおすすめします。

 

まとめ

VCエチルは、化粧品などに配合される美肌効果の高い水溶性ビタミンCです。

市販されている化粧品にも配合されているので、化粧品を購入する際にも参考にしてください。

当院オリジナルスキンケア商品のオールレチノCクリームにもこのVCエチルが含まれます。

化粧品を選ぶ際には各成分への理解を深めて、美肌ケアを行いましょう。

 

 

文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック  院長 祖父江 千紗

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