ピコレーザーとは?「ピコトーニング・ピコフラクショナル・ピコスポット」それぞれの違い
ピコレーザーは、シミやくすみなどへの効果に期待できる治療です。
ピコレーザーと一括りにしていますが、厳密には「ピコトーニング・ピコフラクショナル・ピコスポット」のようにいろいろな照射方法があります。
そこで今回は、ピコレーザーの主な効果や特徴から、照射方法による違いについて解説します。
ピコレーザーとは?
ピコレーザーとは波長がピコ秒単位のパルス幅で発振するレーザーの総称です。
従来の美容皮膚科領域で美白や美肌のために使ってきたレーザーはナノ秒単位のものが多くありました。
しかし、ピコレーザーであれば、従来のレーザーよりもより細かなレーザーを照射できるというイメージです。
そのため、レーザーを照射したときの熱によるダメージを減らすことが期待できます。
ピコ秒単位のパルス幅のレーザーの中にも532nm・730nm・1064nmなど波長はいろいろあるので、それによってもレーザーの特性は変わります。
ピコレーザーの主な効果と対応症状
ピコレーザーは、幅広い症状に対応しているレーザー治療です。
主な効果として、5つが挙げられます。
- シミ・そばかす
- あざ
- 毛穴
- ニキビ跡
- シワ
それぞれの症状への効果について、解説します。
シミ・そばかす
ピコレーザーは、シミ・そばかすの改善に効果的です。
とくに効果が期待できるのは、薄いシミ。
シミは紫外線が主な原因と言われていますが、肝斑がある場合もあります。
肝斑はホルモンバランスの崩れなどによって炎症性の色素沈着を起こしている症状です。
そのため、肌に刺激を与えるレーザー治療は不向きだといわれていましたが、ピコレーザーは弱い出力で炎症を起こさないように治療することができます。
あざ
従来のレーザーでは治療が難しいアザへの効果も期待できます。
特に肝斑と似ている「ADM」や「太田母斑」と呼ばれるアザの治療は回数が必要で難しいですが、ピコレーザーを使用すればより効率よく改善できる可能性があります。
毛穴開きの改善
ピコレーザーは、毛穴開きの改善効果に期待できます。
毛穴の開きは、紫外線や加齢によって生じますが、ピコフラクショナルによって毛穴を引き締める治療が可能です。
毛穴を引き締めることで、肌本来の弾力を取り戻せます。
ニキビ跡
ピコレーザーは、ニキビ跡の改善効果にも期待できます。
微細なレーザーを照射することで皮膚の再生を促すので、クレーター型のニキビ跡にも有効です。
シワ
ピコレーザーは、シワ改善効果にも期待できます。
細かいレーザーで肌の奥まで届くので、コラーゲンやエラスチンの生成を促してくれるのです。
その結果、肌本来のハリを取り戻せます。
ピコレーザーの照射モードによる違い
冒頭で解説したように、ピコレーザーには主に3つの照射モードがあります。
- ピコトーニング
- ピコフラクショナル
- ピコスポット
それぞれでどのような違いがあるのか、以下で解説します。
ピコトーニング
ピコトーニングは、低エネルギーのレーザーを優しく照射する方法です。
波長が長いので、皮膚の深い部分にある肝斑のメラニン色素までしっかりレーザーが届きます。
主に効果的な症状は、以下のとおりです。
- 肝斑
- シミ
- そばかす
- 色素沈着
ただし、症状の出方によって合っている場合と合わない場合がありますので、一度クリニックに相談してください。
ピコフラクショナル
ピコフラクショナルは、レーザーで皮膚に点状の微細な穴をあける方法です。
穴をあけることで、自然治癒力が働き、新しい綺麗な肌に再生します。
主に効果的な症状は、以下のとおりです。
- 毛穴の開き
- ニキビ跡
- 小じわ改善
ピコスポット
ピコスポットは、ピコレーザーのなかでも最も照射パワーが強い治療です。
高いパワーを照射して、メラニン色素を衝撃はで破壊します。
そのため、以下のような症状に効果的です。
- 濃いシミ
- そばかす
- あざ
- タトゥー
ピコレーザーのメリット・デメリット
ピコレーザーは、多くの肌トラブルを解決してくれますが、デメリットもあります。
ピコレーザーの治療を検討している方は、デメリットも加味した上で治療をご検討ください。
ピコレーザーのメリット
ピコレーザーのメリットは、主に以下の3つです。
- 肌へのダメージが少ない
- ダウンタイムが少ない
- 少ない施術回数で効果を実感できる
従来のレーザー治療のように色素沈着を生じるデメリットが、ピコレーザーでは出にくいです。
低リスクで高い効果を感じられます。
ピコレーザーのデメリット
ピコレーザーのデメリットは、主に以下の3つです。
- 比較的費用が高い
- 適応を間違えると効果がない
- 術後のケアが重要
料金は、クリニックによって異なりますが、基本的には高い傾向にあります。
また、デメリットとして肌トラブルを起こす可能性もありますが、基本的には一時的なものなので心配ありません。
ただし、肌荒れのリスクがあるので、治療後のセルフケアがとても重要になります。
まとめ
シミにはさまざまな種類があり、それぞれ治療方法が違う為、ご自身のシミがどの種類のシミなのか医師に判別してもらう必要があります。当院の「シミ取りの方法について」ページにて代表的な症例を掲載しておりますので、ご興味があればご覧ください
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗