脱毛後に汗をかきやすくなる理由|汗質変化や多汗症になる可能性は?
脱毛後に「汗をかきやすくなった」と感じる方は多いです。
しかし、脱毛後に体質が変わり、汗をかきやすくなるといった症状はありません。
では、なぜ「汗をかきやすくなった」と感じてしまうのか、今回は脱毛と汗の関係性について解説します。
脱毛後に汗は増えない
医療脱毛を行うことで、汗の量が増えることはありません。
汗が増えたように感じるのは、単純に毛がなくなることにより、ダイレクトに肌に汗が伝わるために錯覚してしまうためです。
通常、毛は汗を吸収し、流れるのを防ぎます。
しかし、脱毛を行えば、汗を吸収する部分がなくなるので、水のように流れ落ちてしまうのです。
このような場合に、多くの方は「汗が増えた」と勘違いしてしまいます。
脱毛後に汗の質は変化しない
医療脱毛を行うことで、汗の質は変化しません。
汗が流れ落ちるようになるため「サラサラの汗になった」と錯覚してしまいますが、上記同様、汗そのものの変化ではなく、毛がなくなったことによる変化です。
脱毛でわきの臭いは改善する?
脱毛によって、わきの臭いが改善されることはあります。
汗の臭いは、皮膚の雑菌が汗を餌として広がっています。
そして、雑菌が汗の成分を分解するときに臭いが発せられるのです。
雑菌の多くは毛穴に潜んでいるため、脱毛によって毛穴が清潔になり、臭いの改善につながります。
ただし、わきがの治療にはならないので注意してください。
わきが臭は、アポクリン汗腺から出た汗が、常在菌によって分解された際に発生する臭いです。
そのため、わきが治療ではアポクリン汗腺にダメージを与えなければいけません。
医療脱毛では、アポクリン汗腺にダメージを与えないので、根本的な治療にはならないのです。
医療レーザー脱毛で多汗症にはならない
脱毛による汗線への影響はありません。
医療脱毛はレーザーを使用するため「レーザーによって汗線に変化が起きたのでは」「多汗症になったのでは」と不安になる方もいるでしょう。
しかし、レーザーによって多汗症を誘発することはありません。
医療レーザー脱毛は、メラニン色素に反応して、発毛組織にのみダメージを与えます。
そのため、レーザー照射範囲内であっても、メラニン色素のない汗線への影響を及ぼすことはありません。
医療脱毛では毛母細胞(毛の根本)に熱を入れて脱毛するので、汗腺はもとのままです。
多汗症の原因はハッキリ解明されていませんが、多くの見解では「精神的発汗」と言われています。
そのため、レーザーが原因で多汗症になる可能性はないと言えるでしょう。
多汗症の場合は、一度脱毛とは別に専門家への相談をおすすめします。
脱毛後多汗症
基本的にレーザーによる汗線への影響はありませんが、それでも、脱毛後に多汗症になったと感じる方は多いです。
このような症状は、正式な病名とされていませんが「脱毛後多汗症」と言われています。
ただし、脱毛後多汗症は一時的なものです。
ほとんどの場合は自然に治りますが、どうしても不安な場合は、一度ご相談ください。
脱毛後に汗が増えたと感じる場合の対策
脱毛後の汗がどうしても気になる場合、3つの対策をおすすめします。
- 制汗剤
- ボトックス注射
- エクロックゲル
制汗剤
制汗剤は、市販のものを使うのも良いですが、医薬品制汗剤もあります。
汗を抑えたい部分に塗布すると、汗線内の水分に反応し、汗線深部にフタをして発汗を抑制します。
ボトックス注射
ボトックス注射は、多汗症の症状を改善する際に使用される方法です。
ボトックスは、アセチルコリン(副交感神経や運動神経の末端から放出され、神経刺激を伝える神経伝達物質)の分泌を抑制する働きがあります。
1度注射すれば、約1週間後には汗が止まるので、多汗症に悩む方、脱毛によって汗が気になる方は、一度ご相談ください。
エクロックゲル
エクロックゲルは、腋窩(えきか)多汗症(脇汗が多く出る病気)に用いられる塗り薬です。
ボトックス注射は、比較的高額ですが、エクロックゲルは保険適応薬なので、費用負担を抑えられます。
ただし、適応は脇だけであり、処方されるのはある程度重症の方のみで、医師の判断によります。
まとめ
基本的に、医療脱毛での汗質変化や多汗症の心配はないと考えてください。
汗が増えたと感じるほとんどの原因は、毛がなくなったことによる錯覚です。
医療脱毛レーザーでは、汗線に影響を与えることはありません。
むしろ汗によるにおいが減ったように感じることがほとんどです。
名古屋市昭和区で医療脱毛なら、当院にご相談ください。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗