ヒアルロン酸による皮膚壊死のリスク・原因と条件
ヒアルロン酸注入では、皮膚が壊死してしまう副作用のリスクがあります。
当然頻繁に起きることではありませんが、少なからず可能性があるのは事実です。
そこで今回は、ヒアルロン酸注入で壊死する原因や条件について解説します。
もちろんヒアルロン酸注入が危険というわけではないので、必要以上に心配することはありません。
ヒアルロン酸注入で皮膚が壊死する原因
ヒアルロン酸で皮膚が壊死する主な原因は、経験の浅い医師による治療です。
経験の浅い医師が誤ってヒアルロン酸を血管に注入してしまうと、壊死のような副作用が起きてしまいます。
ヒアルロン酸が血管内に詰まる
まず、大きな原因として、ヒアルロン酸が血管に詰まってしまう原因が挙げられます。
ヒアルロン酸を血管に注入してしまうと、血流の流れを滞らせてしまい、その結果皮膚が壊死してしまうのです。
ヒアルロン酸による腫れで血管が圧迫される
直接血管にヒアルロン酸を打たなかった場合でも、血管の近くにヒアルロン酸を注入してしまうと、血管を圧迫してしまいます。
その結果、血流が滞ってしまい、血行障害が起こってしまうのです。
血行障害の状態が長時間続いてしまうと、血行不全となり、皮膚が壊死してしまいます。
ヒアルロン酸注入で皮膚が壊死しやすい条件
ヒアルロン酸注入で壊死しまう人は、以下の条件に当てはまっている可能性があります。
- 何回もヒアルロン酸注入を受けている
- ヒアルロン酸注入部位に他の手術を受けたことがある
上記に当てはまる場合は、医師の経験不足が原因ではなくとも、皮膚壊死を起こしてしまう可能性が高まります。
ヒアルロン酸注入による皮膚壊死の初期症状
ヒアルロン酸注入による皮膚壊死は、以下のように確認できます。
- 皮膚が白くなる
- 注入部位に腫れが生じる
- 患部に痛みが生じる
もしヒアルロン酸注入後に上記の症状を感じたら、施術を行ったクリニックで改めて診てもらいましょう。
皮膚が白くなる
壊死の初期症状としてわかりやすいのが、皮膚の色の変化です。
症状がみられるのはヒアルロン酸注入をした際や注入直後なので、すぐに変化に気づきます。
一瞬白くなった後、赤から紫、紫から黒へと変化し、日に日に皮膚の色が悪くなっていきます。
そのままにしてしまうと皮膚の深い部分まで壊死が進行してしまうので、クリニックでその場で治療を行うことが多いです。
注入部位に腫れが生じる
施術後、注入部位に腫れが生じたら、1ヶ月ほど様子を見てください。
通常であれば数日から3週間以内に腫れは落ち着いてきます。注入したヒアルロン酸の種類や、肌質によっては腫れが出やすいことがあり必ずしも問題ではありません。
しかし、皮膚の壊死が起きている場合は、皮膚の色が変化すると同時に患部やその周囲が腫れてしまいます。
もし腫れが落ち着かずに周囲まで腫れてきた場合は、早急にクリニックで診てもらってください。
注入部位に痛みが生じる
ヒアルロン酸の注入時に患部に痛みが生じたら、注意してください。
患部に痛みが生じるのは、ヒアルロン酸が血管内に注入されているために起こりうる症状です。
ただし、施術前に麻酔をしていた場合は痛みを感じないので、後々の経過をしっかり観察してください。
ヒアルロン酸注射で皮膚が壊死した場合の治療
ヒアルロン酸注入で皮膚が壊死した場合は、基本的に以下の方法で治療を行います。
- ヒアルロン酸溶解剤を注入
- 患部を温める
- 患部をマッサージする
- 皮膚移植
ただし、皮膚が完全に壊死しまった場合は、皮膚移植が必要になる可能性があるので、壊死する前に早急に対処することが大事です。
当院では万が一の時に備えてヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸を加水分解する酵素)を備えていますので、安心して治療を受けられます。
ヒアルロン酸注射で皮膚壊死を避けるための方法
ヒアルロン酸注入で皮膚壊死を避けるためには、施術を受ける医師・クリニックの経験や知識、技術力を確認しておきましょう。
先述したように、ヒアルロン酸注入で皮膚壊死が起きてしまう主な原因は、医師の経験不足です。
深い知識と高い技術力、ヒアルロン酸注入の経験豊富なクリニックであれば、さまざまなトラブルが発生する可能性は低くなります。
万が一血管にヒアルロン酸を注入してしまったとしても早急に発見し、対処できます。
ヒアルロン酸注射その他の副作用
ヒアルロン酸注入で起こりうる副作用は、皮膚壊死だけではありません。
- 内出血
- 腫れ・むくみ
- 違和感
- チンダル現象
もちろん、いずれの副作用も頻繁に起きるわけではありませんが、不安な場合は施術前に医師に確認しておきましょう。
そのほか、ヒアルロン酸注入に不安を感じている場合は、以下の記事も参考にしてください。
ヒアルロン酸が怖いと言われる理由は?安心して治療を受けるポイント
まとめ
ヒアルロン酸注入で皮膚壊死の可能性はあり得ます。
しかし、頻繁に起きることではないのでそこまで心配する必要はありません。
ただし、医師の経験不足や技術不足によって副作用が起きる可能性があるので、クリニック選びには十分注意してください。
当院はヒアルロン酸注入の技術・知識共に常にスキルアップをしておりますので、ぜひヒアルロン酸注入をご検討されている方は、ご相談ください。
【ヒアルロン酸注入については以下の記事も参考にしてください】
ヒアルロン酸注入のデメリットや副作用|安心安全の施術をおこなうためには?
ヒアルロン酸トレーニング実施レポート|患者さん・医師ともに知っておいてほしい知識
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗