背中ニキビの対策と治療方法|保険適用・自費治療
夏になって肌を出す機会が増え、体ニキビの相談が増えています。
特に背中は水着になるときにも気になりますよね。
そこで今回は、背中ニキビの治療法・塗り薬をまとめます。
背中ニキビの原因は?
背中ニキビの主な原因は、以下の5つです。
- 皮脂
- 汗
- 睡眠不足
- 食生活の乱れ
- ストレス
- 肌の乾燥
基本的には、顔にニキビができる原因と大きく変わりません。
しかし、背中ニキビは、そもそもニキビではなく真菌(カビ)である可能性があります。
もし真菌(カビ)が原因である場合は治療方法が異なりので、不安な場合は一度皮膚科で診てもらいましょう。
背中は皮脂腺が多い
背中にニキビができやすい理由は、皮脂を分泌する皮脂腺が多くあるからです。
皮脂の分泌が多いということは、それだけ毛穴が詰まりやすく、コメドができてしまいやすいということです。
そして、コメド内部でアクネ菌が増殖し、赤ニキビや黄ニキビへと悪化していってしまいます。
とくに背中は自分で見えにくい部分なので、気付かないうちに悪化しているケースが多いです。
背中ニキビも痕になる
ニキビ痕というと顔に残るケースをイメージしてしまいやすいですが、背中ニキビも痕になります。
インターネット調査によると、背中ニキビが痕になってしまった人は、1,503名中29%もいるそうです。
さらに、胸元のニキビが痕になってしまった人は22%います。
痕が残ると露出の多いドレスや水着を着るのにとまどうようになってしまうので、痕にならないように早めの対処が必要です。
背中ニキビと似た症状に注意
上記で背中ニキビは、ニキビではなく真菌(カビ)である可能性があるとお伝えしました。
そのほかにも、背中ニキビには似ている症状があります。
とくにニキビと勘違いされやすいのが、以下の4つです。
- マラセチア毛包炎…マラセチア菌が毛包の中で増殖して発症する疾患。かゆみや痛みが生じる。
- 毛のう炎…黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して、炎症を引き起こす疾患。軽度のかゆみが生じる。
- おでき…毛のう炎が進行して、周囲まで炎症して可能した状態。赤みや熱が生じる。
- 虫刺され…赤みが生じるためにニキビと勘違いしやすい。
ご自身で鏡で見るだけで判断できない場合もあるので、気になる場合は早急にクリニックで見てもらいましょう。
背中ニキビの対策
背中ニキビをできないようにするには、常に清潔にすることとバランスのとれた生活を守ってください。
具体的な対策は、以下の5つです。
- 通気性・吸湿性の良い衣類や寝具を選ぶ
- 汗をシャワーで洗い流す
- 背中をゴシゴシ洗わない
- 栄養バランスを考えた食事
- ストレスや睡眠不足に注意
いずれも日常生活で意識していれば対策できるので、ぜひ実践してみてください。
通気性・吸湿性の良い衣類や寝具を選ぶ
背中ニキビは、服や寝具などから刺激を受けることでできやすくなります。
そのため、通気性や吸湿性を意識した服や寝具を選びましょう。
通気性や吸湿性の悪い服や寝具だと、汗で蒸れたままの状態になり、菌が繁殖しやすくなります。
汗をシャワーで洗い流す
夏場は背中にも汗を沢山かいてしまうので、しっかりと洗い流しましょう。
汗が残ったままになると、雑菌が繁殖してニキビの原因になります。
そのため、外出から帰宅した際には、まず先にシャワーに入る癖をつけましょう。
どうしてもシャワーに入れない場合は、清潔なハンカチやタオルで優しく拭き取ってください。
シャンプーやボディソープをしっかりと洗い流す
入浴時のシャンプーやボディーソープは、背中に残らないようにしっかりと洗い流してください。
シャンプーなどの成分が残ったままになると、刺激となって背中ニキビの悪化につながります。
シャンプをー洗い流す際は、髪を横に垂らして洗い流すと良いです。
頭からかぶる形で洗い流すと背中にシャンプーの泡がつきやすくなるので、髪だけを洗い流すようにしてください。
背中をゴシゴシ洗わない
背中を洗う際には、ゴシゴシ強くこすらないようにしてください。
強くこすってしまうと刺激となってしまい、ニキビを悪化させる原因になります。
背中を清潔にするのは良いことですが、反対に悪化させてしまっては本末転倒です。
優しく洗い流す程度にして、タオルでゴシゴシ洗うのは避けましょう。
栄養バランスを考えた食事
顔のニキビも同様ですが、偏った食生活はターンオーバーを乱す原因です。
ターンオーバーが乱れると、毛穴が詰まりやすくなってニキビとなってしまいます。
夏場は食欲が出ず、バランスを意識した食生活を行うのが難しいかもしれませんが、できるだけ偏った食事にならないように気を付けましょう。
とくに、脂肪の代謝を促し肌の調子を整える「ビタミンB・ビタミンC・ミネラル」や抗酸化作用のある「ビタミンA・ビタミンE」が含まれる食材を積極的にとると良いです。
ストレスや睡眠不足に注意
ストレスや睡眠不足は肌の免疫力を低下させる原因です。
肌の免疫力が下がるとアクネ菌が増殖しやすくなるので、できるだけストレスを溜めない生活を心がけてください。
とくに学生は、夏休みで夜中まで起きるなど睡眠不足になりやすいので、注意しましょう。
背中ニキビは放置しても治る?
背中ニキビができたら、放置は基本的におすすめしません。
背中ニキビを放置して症状が進行すると、炎症を起こして痛みが生じたりニキビ跡として残ったりします。
ただし、ニキビの状態が軽度であるか悪化しているかによっても、状況判断は異なります。
初期の軽度の背中ニキビの場合
軽度の初期症状のうちであれば、自然治癒する可能性も否定できません。
顔のニキビが自然に消えるように、背中ニキビも自然と消えるケースはあります。
ただし、自然治癒させるには、普段の生活が重要です。
不衛生で乱れた生活をしていれば、自然治癒は期待できず、ニキビは悪化してしまいます。
また、ニキビを触ることで悪化するケースもあるので、刺激を与えないようにしながら様子を見ましょう。
重度の背中ニキビの場合
重度の悪化している背中ニキビやニキビ跡については、クリニックでの施術をおすすめします。
とくにニキビ跡はセルフケアだけで改善するものではありません。
また、初期のニキビでも治りが遅い場合は、クリニックでの施術を受けながら、セルフケアの方法についても相談すると良いでしょう。
皮膚科で行う背中ニキビの治療
背中ニキビができてしまっている人は、できるだけ早い段階で皮膚科の治療を受けましょう。
ニキビが原因で着たい服を着れなかったり、悪化してニキビ痕になったりする可能性があるためです。
以下では、皮膚科で行う治療を4つ紹介しますので、ぜひ一度相談してください。
外用薬【保険適用】
保険適用のニキビ治療では、塗り薬が基本です。
症状によって異なりますが、基本的に以下の3つから処方します。
- 外用抗菌薬…細菌の増殖を抑える
- ベピオゲル…細菌の増殖を抑える・毛穴のつまり改善
- サリチル酸…細菌の繁殖を抑える・毛穴のつまり改善
内服薬【保険適用】
保険適用のニキビ内服薬としては、抗生剤の処方が一般的です。
抗生剤の処方はあまり長期には難しいので、悪化した時に一時的に内服する程度にしてください。
内服薬については、以下の記事でも解説していますので参考にしてください。
飲み薬でニキビは改善できる?市販の飲み薬と処方薬どちらを選ぶべき?
ケミカルピーリング【自費治療】
自費治療では、ケミカルピーリングをおすすめしています。
ピーリングは、軽度のニキビから軽度のニキビ痕の改善まで期待できます。
ニキビのほか、シミやくすみなどの改善効果にも期待できるので、肌トラブルでお悩みの方はピーリングをご検討ください。
イソトレチノイン【自費治療】
当院で最もおすすめしているのが、内服薬のイソトレチノインです。
イソトレチノインはビタミンA誘導体の内服薬で、中度以上のニキビへの効果が期待できます。
通常、顔であれば2か月で効果が出てくるのですが、背中だと効果が出るまでに3か月かかるのでじっくり待っていてください。
また、イソトレチノインについては、以下の記事でも具体的に解説しているので参考にしてください。
美容皮膚科医師がニキビ治療にイソトレチノインを飲んでみた体験談
背中ニキビの治療は皮膚科と美容皮膚科どちらを選ぶべき?
結論から言えば、背中ニキビは皮膚科でも美容皮膚科でも治療できます。
ただし、皮膚科と美容皮膚科では、施術の目的が異なります。
皮膚科は、皮膚疾患としてニキビ治療をするのが目的であるため、保険診療での治療がメインです。
そのため、色素沈着のような疾患と認められない症状に関しては、治療できないケースが多いです。
一方で、美容皮膚科は「美容」という名前のとおり、見た目の改善ができます。
外用薬や内服薬などの保険診療も可能ですし、ケミカルピーリングやイソトレチノインなどの自由診療の治療も対応しています。
一概にどちらの方が良いというわけではないので、目的や症状に合わせて皮膚科か美容皮膚科のいずれかを選んでください。
背中ニキビに関するよくある質問
背中ニキビに関するよくある質問をまとめましたので、疑問点がある場合は、以下も参考にしてください。
背中ニキビが増えることはありますか?
ニキビは感染するものではないので、ほかの部位にうつったり人にうつったりすることはありません。
ただし、一つニキビができたということはニキビのできやすい環境だと考えられますので、環境を改善した方が良いです。
冬場に背中ニキビができるのは寒さと関係がありますか?
背中ニキビは、比較的、汗をかきやすい夏場にできやすいです。
しかし、冬場の肌の乾燥もニキビの原因になるので、冬でも背中ニキビができることはあります。
背中ニキビができやすい体質はありますか?
皮脂分泌が盛んな人は毛穴が詰まりやすいので、体質による多少の差はあるといえます。
背中ニキビ対策として仰向けではなくうつ伏せで寝た方が良いですか?
仰向けで寝ていると背中に多く汗をかきやすいため、ニキビはできやすいと言えます。
ただし、汗をかいてもその後のケアをしっかりとすれば、ニキビはできません。
また、汗で濡れたシーツを小まめに洗濯して清潔にしていれば、仰向けでも問題ありません。
背中ニキビに遺伝は関係ありますか?
肌質は遺伝が関係している部分はあるので、まったく関係ないとは言えません。
しかし、その影響が100%とはいえないので、生活習慣やセルフケアを徹底していれば改善できます。
まとめ
背中ニキビは、オシャレをしたい女性にとって大きなデメリットになります。
とくに夏の時期で背中が開いたような服や水着を着られないのは残念な気持ちになりますよね。
そうならないためにも、日常生活でできる対策や早い治療を行ってください。
当院でもニキビ治療を行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗