花粉皮膚炎とは?主な症状や予防方法
花粉皮膚炎についてご存じでしょうか?
花粉症は、主に目や鼻の症状が有名ですが、人によっては皮膚へのトラブルが起きるケースもあるのです。
この、花粉による肌へのトラブルを「花粉皮膚炎」と言います。
今回は、花粉皮膚炎の症状や治療方法について解説するので、花粉の時期に肌トラブルが生じた際には、花粉皮膚炎を疑ってみてください。
花粉皮膚炎とは?
花粉皮膚炎は、花粉症の時期に起こる肌トラブルです。
花粉が露出している肌や顔などに付着することで起きてしまいます。
主な症状は、肌の赤みやかゆみ、乾燥などです。
鼻や目の症状と同様に、花粉症の治療を行うことで、症状を軽減できます。
花粉皮膚炎の症状
花粉皮膚炎の主な症状は、以下の4つです。
- 肌のあかみ
- かゆみ
- はれ・むくみ
- 乾燥
これらの症状は、肌トラブル単体で起こることもあれば、鼻や目の症状と合わせて発症するケースもあります。
アトピー性皮膚炎や肌が乾燥しやすい人は、花粉性皮膚炎の症状が重症化しやすいので、きちんとしたケアを行いましょう。
花粉皮膚炎以外で肌トラブルが起きる理由
春先には、花粉以外で肌トラブルが起きるケースもあります。
とくに乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方は注意してください。
春先は空気が乾燥しているために、肌トラブルが起きやすいです。
花粉性皮膚炎も一つの可能性としてはありますが、普段のケアができていない可能性もあります。
花粉皮膚炎の主な治療方法
花粉皮膚炎の主な治療方法は、基本的に花粉症の治療と変わりません。
ただし、トラブルが起きている場所が肌なので、塗り薬や炎症を抑える薬を処方してもらえます。
以下では、主に使用される薬について解説します。
炎症を抑える塗り薬
花粉性皮膚炎で肌の炎症が起きている場合は、ステロイドの外用薬やタクロリムス軟膏などの炎症を抑える薬が効果的です。
早ければ1週間もしないうちに炎症が治まるでしょう。
ただし、ステロイド配合の薬は部位によって適切な薬の種類を選ばなければいけないので、必ず一度医師に診てもらってください。
アレルギーを抑える飲み薬
花粉皮膚炎の原因であるアレルギーを抑えるための薬も効果的です。
アレルギー症状を抑える薬は薬局でも売られていますが、念のため皮膚科や耳鼻科で診てもらってください。
ただし、飲み薬はアレルギー症状を抑える薬であり、皮膚の症状に対して効果的な薬ではありません。
市販の薬でも効果はある?
結論から言えば、市販の薬でも効果は感じられます。
ただし、皮膚のことだけを解決しようとして全体をみないと良くならないこともあります。
花粉皮膚炎の症状が出ているということは、肌のバリア機能が下がっている証拠であるとともに肌の炎症を抑える力が弱くなっています。
花粉症で鼻炎の症状がある人は鼻粘膜の炎症のために炎症を抑えるホルモンを消費してしまい、皮膚の炎症を抑える力が弱くなっている可能性があります。
花粉皮膚炎が出ている方は鼻粘膜の炎症を含めた全身の慢性炎症を止めることを考えなければいけません。
そのため、自己判断で市販の薬を使うのではなく、皮膚科や耳鼻科で見てもらった方が良いです。
花粉皮膚炎の予防方法
花粉皮膚炎を予防するには、肌のバリア機能を補ったり、花粉による影響を受けないようにしたりしましょう。
基本的には、鼻や目の花粉の症状と同じだと考えてください。
以下で3つの予防方法を解説するので、しっかりと対策をして、肌トラブルを防ぎましょう。
肌を保湿して保護する
花粉皮膚炎に限らず、乾燥は皮膚炎の大敵です。
乾燥が進むと、かゆみを感じやすくなるので、必ずしっかりと保湿してください。
また、花粉の付着が気になるからといって、熱いお湯で洗ったり、ゴシゴシこすったりしないようにしましょう。
いずれもバリア機能を低下させる要因となってしまい、逆効果になります。
花粉を家に持ちこまない
外に出たら、花粉を家に持ちこまないように徹底してください。
帰宅後の手洗いや洗顔はもちろん、身体や髪についた花粉を落とすために、すぐシャワーに入りましょう。
また、外出する際は、肌に花粉が付着しないように、できるだけ露出する箇所を少なくしてください。
コートを着る際は、花粉が付着しにくいすべすべしたコートがおすすめです。
早い段階でアレルギー対策を行う
花粉皮膚炎も、通常の花粉症の症状と同じで、早期の対策が重要。
よく、春先の花粉がひどくなる季節になってから耳鼻科に行く人がいますが、それでは遅いです。
例年花粉症や花粉皮膚炎の症状に悩まされているのであれば、2月あたりから病院で薬を処方してもらってください。
まとめ
花粉症の症状は、鼻や目だけではなく、花粉皮膚炎のような肌トラブルにもつながります。
アレルギー症状であるため、どれだけ普段のケアを行っていても花粉皮膚炎になる場合があるので、注意してください。
最も大事なのは、早い段階で病院で診てもらうことです。
放置すれば、その分、赤みやかゆみが生じるので気になったらすぐに病院に行きましょう。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗