冬になると目の周りが赤くなる原因や対処法
冬場に、目の周りが赤くなったりかゆくなったりした経験はありませんか?
冬だけの一時的な症状であるためそのままにしてしまう人もいますが、放置してしまうのは決して肌には良くありません。
今回は、冬に目の周りが赤くなる理由や考えられる病気、ケア方法について解説します。
冬に目の周りが赤くなる理由
冬場に目の周りが赤くなったりかゆくなったりする理由は、主に3つです。
- 肌の乾燥
- 化粧品かぶれ
- アトピー性皮膚炎
主な原因は乾燥であり、化粧品かぶれもアトピー性皮膚炎も、乾燥やバリア機能が元の原因と考えてください。
これらの原因の他にまぶたが赤くなる原因として炎症を抑える力の低下があります。
冬の寒さに対抗するために体が出すホルモンは炎症を抑えるホルモンと同じものです。
なので寒い季節は体の炎症が起こりやすく、皮膚の炎症も抑えにくくなります。
冬に肌の調子が悪くなる人は一番弱いところに症状が出るので、皮膚の薄いまぶたは赤くなったり腫れたりしやすいです。
乾燥
冬に目の周りが赤くなる理由のほとんどは、乾燥です。
冬はとても空気が乾燥しているので、目の周り以外のさまざまな部位がかゆくなったり赤くなったりします。
バリア機能が低下しており、肌の水分を保てない状態なので、適切な保湿ケアが大事です。
冬の乾燥対策としてハンドクリームを使う人もいるかと思いますが、乾燥による症状は目元にも出るので、乳液や化粧水もしっかりと使ってください。
化粧品かぶれ
目の周りが赤くなる原因として、化粧品かぶれも考えられます。
化粧品かぶれについても、バリア機能が低下している状態なので、日々の適切なケアが大事です。
とくに乾燥している冬場はバリア機能が低下しやすいので、注意しましょう。
また、化粧品の成分にも注意してください。
界面活性剤やアルコールが含まれている化粧品は刺激が強く、かぶれの原因になります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、冬に悪化する傾向があります。
悪化する原因は、乾燥です。
外部からの刺激に対するバリア機能が低下するために、他の季節よりも症状が出やすくなっています。
乾燥の他、ほこりや汗、ストレスなども、アトピー性皮膚炎が悪化する要因です。
かゆみが生じた場合はかいてもいい?
目の周りがかゆくなった場合は、基本的にかいてはいけません。
とくに爪を立ててかいてしまうと、角層をさらに傷つけてバリア機能を損なう恐れがあります。
その結果、さらに赤みやかゆみが重症化してしまうかもしれません。
どうしてもかゆみを我慢できないときは、冷たいおしぼりなどを使って患部を冷やすと、かゆみが軽減されます。
目の周り(まぶた)の乾燥がひどい場合に考えられる病気
目の周りの乾燥がひどい場合には、何らかの病気にかかっている可能性があります。
以下で、主な目・まぶたの病気の特徴を紹介するので、自身の症状が当てはまっていないか確認してみてください。
眼瞼炎
眼瞼炎は、単純にまぶたに起こる炎症を指します。
症状としては、目の周りやまぶたのかゆみ、赤み、腫れなど。
原因については最近やウイルスの他、虫刺されなども考えられます。
接触皮膚炎
接触皮膚炎とは、いわゆる「かぶれ」の症状です。
化粧品や点眼薬、塗り薬の他、涙によってかぶれてしまうこともあります。
目の周り、とくにまぶたの皮膚は薄いので、些細なものでもかぶれてしまうので、注意してください。
皮脂欠乏性湿疹
皮脂欠乏性湿疹は、保湿が足りず、バリア機能が低下することで起きる症状です。
主な原因は、気温や湿度の低さや、加湿に伴う皮脂分泌の低下など。
目の周りが乾燥しているため、赤みやかゆみなどが起こります。
ものもらい
ものもらいが原因となって、目の周りが乾燥したりかゆくなったりするケースもあります。
ものもらいについては、市販されている抗菌目薬の使用で改善できる場合もあるので、早い段階で対処しましょう。
しかし、痛みやひどい腫れを伴う場合は、眼科で診てもらってください。
結膜炎
結膜炎は、結膜が赤く充血して炎症を起こす病気です。
細菌が原因となったりアレルギーが原因となったり、さまざまな原因が考えられるので、一度眼科を受診しましょう。
目の周りが赤い・かゆいときの適切なケア
目の周りに赤みやかゆみがみられた場合には、自身の生活を見直したりケアを見直したりしてください。
あまりに症状がひどくない場合であれば、多少の改善が見られるでしょう。
以下で、3つのケア方法について解説します。
身に着けているアイテムを見直す
比較的、慢性的に目の周りが赤くなったりかゆくなったりする人は、身に着けているアイテムを見直しましょう。
化粧品はもちろん、アクセサリーなどの金属製品が原因になっている可能性があります。
アレルギーが気になる場合は、一度アレルギー検査をしてもらってください。
洗顔を控える
あまりにも目の周りの赤みやかゆみが気になる場合は、一度洗顔を控えても良いでしょう。
洗顔料が刺激になって、赤みやかゆみを悪化させている可能性があります。
どうしても洗顔をしたい場合は、洗顔料の成分を確認して、できるだけ肌に刺激のない成分の洗顔料を使用してください。
病院で診てもらう
最もおすすめなのは、早い段階で眼科・皮膚科に行くことです。
目の周りの赤みやかゆみ、乾燥などの要因は、いくつも考えられます。
自分だけでは原因を特定できず、適切なケアができないので、眼科・皮膚科の医師と相談してください。
まとめ
冬になると目の周りが赤くなる方はお肌のお手入れには気をつける必要があります。
それだけで解決しない場合は体にかかるストレスを減らすことを考える方が良いです。
部屋を暖かくすることや精神的なストレスを減らすことで効果が出たりします。
自分に合った適切なケアで、肌トラブルを極力抑えるようにしてください。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗