ニキビの内服薬|保険診療と自由診療も含めて
ニキビの内服薬は、保険診療と自由診療に分かれます。
今回はそれぞれについて解説します。
- ニキビ治療(保険診療)で使われる内服抗生剤
- ニキビ治療(保険診療)で使われる内服ビタミン剤
- 自由診療内服薬
メリット・デメリットも合わせて解説するので、ニキビに悩んでいる方は、参考にしてください。
また、処方されるニキビ薬については、以下の記事でも解説しています。
皮膚科のニキビ治療はどんなもの?|保険診療と自由診療について
ニキビの内服薬にはどんなものがある?
ニキビ改善として処方される内服薬は、主に4つに分けられます。
- 保険診療……抗生剤・ビタミン剤
- 自由診療……低用量ピル・イソトレチノイン
簡単に保険診療と自由診療について解説すると、
保険診療は、健康保険等の公的な医療保険制度が適用される診療です。
自由診療は、健康保険等が適用されない診療で、10割負担となります。
ただし、自由診療は最先端の治療を行えるメリットがあり、ニキビ治療としても自由診療の薬を使った方が、早期改善が期待できるでしょう。
ニキビ治療(保険診療)で使われる主な内服抗生剤
保険診療で使われる内服薬の多くは、抗生剤になります。
抗生剤とは、細菌を殺菌する薬です。
実際に処方される薬は医師やクリニックによって異なりますが、主に以下のようなものがあります。
- ミノマイシン
- ビブラマイシン
- ルリッド
それぞれの内服薬は副作用が出る可能性もあるので、必ず医師の指示や注意事項を確認した上で使用してください。
内服抗生剤のデメリット
内服抗生剤は、長期的な服用をおすすめできません。
長期的に服用してしまうと、肺炎などの呼吸器系感染症や関節炎といった症状が出る可能性があります。
最長で3ヵ月以内までの服用としてください。
ニキビ治療(保険診療)で使われる主な内服ビタミン剤
保険診療の内服薬として、ビタミン剤が処方されるケースもあります。
主にビタミンB2・B6・E・Cなどです。
ただし、ビタミン剤では大きな効果に期待できません。
ニキビ治療においてビタミンの摂取は重要ではありますが、内服薬としての効果には期待できないでしょう。
効果が低いことから、ビタミン剤を処方していないクリニックもあります。
その他、クリニックによっては漢方を処方するケースもあります。
漢方薬については、以下の記事を参考にしてください。
内服ビタミン剤のデメリット
ビタミン剤のデメリットは、効果が低い点です。
ビタミンは、皮脂分泌抑制や過酸化脂質の抑制などの効果があるとされていますが、臨床試験などは行われていません。
医学的な根拠がないため、ビタミン剤によってニキビが改善する可能性がないともあるとも言い切れないのです。
自由診療内服薬のメリット
自由診療内服薬は、保険診療と比べると、ニキビ改善効果が高いです。
自由診療では、厚生労働省が承認していない治療や薬を使うため、不安に感じる人もいるかもしれません。
しかし、危険だから承認されていないのではなく、承認が追い付いていないだけです。
承認がおりていない治療や薬は高額ですが、海外で当たり前に使用されている効果の高い薬や、最先端の薬を使用できます。
自由診療でおすすめの内服薬
自由診療でおすすめの内服薬は、以下の2つです。
- 低用量ピル
- イソトレチノイン
ニキビにピルが効果的というのは多く知られているかもしれませんが、イソトレチノインもニキビ改善に効果的です。
以下で、それぞれの特徴について解説します。
低用量ピル
低用量ピルは、ピルに配合されているエストロゲン(女性ホルモン)がアンドロゲン(男性掘ホルモン)を抑える仕組みでニキビを改善させます。
主に処方されるピルは、以下の3つです。
- マーベロン
- フォボワール
- ヤーズフレックス
ただし、適切にピルを使用した場合でも、ニキビに対する有効率は40~60%と低いです。
また、服用してから1カ月は、ホルモンバランスの変化によって肌荒れやニキビの悪化を引き起こす可能性があります。
婦人科的な悩みを同時に解決したい場合に使うと良いでしょう。
イソトレチノイン
イソトレチノインは、ビタミンA誘導体の飲み薬です。
日本ではまだ保険適用外ですが、欧米諸国では20年以上使用されています。
ニキビに対する有効性が90%以上の薬なので、ほとんどのニキビは改善されると言えるでしょう。
ただし、妊娠中に服用すると胎児の奇形が高確率で起こるリスクがあります。
しかし、医師の指示に従って内服すれば、必要以上に不安に感じることはありません。
イソトレチノインについては、以下の動画でも解説しているので、参考にしてください。
ピルとイソトレチノインどちらがおすすめ?
ピルとイソトレチノインのどちらがおすすめかは、状況によって異なります。
生理痛改善やPMS、生理時のイライラなどがある場合には、ピルがおすすめです。
しかし、ピルのニキビへの有効性は40~60%であるため、純粋にニキビを治す場合には有効率90%のイソトレチノインをおすすめします。
当院にニキビ治療で悩まれる方の多くも、イソトレチノインを選択しています。
また、海外ではピルとイソトレチノインを併用する人が多いので、今ピルを飲んでいる人やピルを検討している人でも、イソトレチノインの併用は可能です。
併用を検討したい場合には、一度医師にご相談ください。
まとめ
ニキビを早期に改善したいのであれば、自由診療の内服薬をおすすめします。
保険診療で処方する内服薬は「ニキビ改善の一時的効果」しか期待できません。
全く効果がないわけではありませんが、早期的な改善は見込めないでしょう。
そのため、しっかりニキビを治したいのであれば、自由診療を検討してみてください。
ピルとイソトレチノインについても、不安がある場合は医師に相談しましょう。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗