皮膚科医がオススメするニキビ市販薬とニキビの成り立ち
名古屋市昭和区のいりなか駅前皮膚科ビューティクリニックでは重症のニキビ・ニキビ跡の治療を実施しております。お悩みの方は下記のページも併せてご覧ください▼ ニキビでお悩みの方は多いと思います。
そこで今回は、ニキビに効く市販薬を医師の目線から紹介していきたいと思います。
動画でも同じ内容を話しています↓
本来であれば、ニキビで悩んでいるのであればすぐに皮膚科を受診して頂きたいのですが、なかなか皮膚科へ行けなくて市販薬を探している方も多いかと思います。
効果の実感できない薬をいろいろ試すのは非効率なので、しっかりとニキビに効果のあるお薬を使って頂きたいです。
ニキビのでき方
まずは、ご自身のニキビの状態を把握するために、『ニキビのでき方』を知って頂きたいです。
早く結論を知りたいと思われるでしょうが、これを把握することでご自身のケアがしやすくなりますので、少しだけお付き合いください。
ニキビは図のように、段階別に表すことが出来ます。
ニキビとは、白ニキビ→赤ニキビ→黄ニキビと、段階をもって進むものです。
赤ニキビや黄ニキビはニキビ跡になることがあるのでなるべく早く治療することをオススメします。
それぞれの状態について、もう少し詳しく解説します。
ニキビの種類については以下の記事でも解説していますので、合わせて参考にしてください。
白ニキビ
白ニキビは、皮脂の分泌が増えることによって出来る、ニキビのできかけの状態です。
毛穴に皮脂や角質が溜まっている状態で、小さいものであれば自然に治ることもあります。
ニキビ跡になる可能性も低いので、早い段階で治すようにしましょう。
赤ニキビ
赤ニキビは、皮脂に炎症が起きて赤みを持っている状態です。
炎症状態なので、軽く触れるだけでも痛みを感じます。
放置してしまうとニキビ跡になりやすいので、悪化する前に適切な処置を行いましょう。
黄ニキビ
黄ニキビは、赤ニキビが悪化して膿がたまっている状態です。
赤ニキビの症状が進行したニキビなので、とても深刻な状態といえます。
潰してしまうとクレーター型のニキビ跡になる可能性があるので、自分では触らないようにしてください。
ニキビ種類別の有効成分
ニキビの市販薬を選ぶ前に、有効成分について理解しておきましょう。
ニキビ種類別の有効成分を紹介するので、市販薬を購入する際は「成分表記」を確認してください。
白ニキビには「イオウ・サリチル酸」
白ニキビは炎症を起こしていない状態なので、溜まった角質を取り除ける「イオウ・サリチル酸」の含まれる市販薬がおすすめです。
角質を柔らかくしてくれる作用があるので、毛穴の詰まりを取り除けます。
赤ニキビ・黄ニキビには抗炎症成分・殺菌成分
赤ニキビ・黄ニキビは、菌と炎症を抑える成分をチェックしておきましょう。
炎症を抑える成分としては、以下の2つが有効といわれています。
- イブプロフェンピコノール
- グリチルリチン酸2カリウム
アクネ菌の殺菌作用には、以下の4つが有効といわれています。
- レゾルシン
- イソプロピルメチルフェノール
- トリクロサン
- エタノール
症状が悪化して痛みを感じるようなニキビの場合は、上記成分を確認して購入しましょう。
ニキビ種類別の皮膚科医おすすめの市販薬
ニキビ種類別の皮膚科医厳選市販薬紹介します。
いずれもインターネットはもちろん、ドラッグストアでも気軽に購入できる市販薬です。
皮膚科を受診できない際には、以下でおすすめする市販薬を試してみてください。
白ニキビにおすすめの市販薬
商品名 | アンナザルベ・エース | アポスティークリーム |
特徴 | 角質の軟化作用 | 血行を良くしてコメドの産生を抑える |
参考価格 | 759円 | 660円 |
また、白ニキビにおいては、薬ではなくスキンケア商品もおすすめです。
とくにおすすめなのは、以下の2つ。
- プロアクティブ
- クレアラシル ニキビ用ローション
いずれも有効成分にサリチル酸を含み、白ニキビにも有効です。
サリチル酸は正しく使えば最強の予防薬になります。
しかし、間違った使い方をすると刺激が強く、ヒリヒリ感が出たり、ひどい場合は湿疹が出るので、部分使いが基本です。
肌が薄い方は白ニキビが出来た時にのみ塗ってください。
肌が厚い方は毎日でも大丈夫です。
サルチル酸の濃度に気を付けて、最初は低濃度のものから使ってください。
赤ニキビにおすすめの市販薬
商品名 | イハダ アクネキュアクリーム | ペアアクネクリーム |
特徴 | 抗炎症作用で炎症を防ぐ | 手に入りやすい市販薬 |
参考価格 | 880円 | 709円 |
ペアアクネクリームについては、赤ニキビ・黄ニキビのどちらにも有効です。
炎症を抑える成分とアクネ菌の殺菌作用のある成分の両方を併せ持っています。
ちなみに皆さんにご紹介する為、クリニック周辺のドラッグストアに3軒足を運んでみたところ、『ペアアクネクリーム』はすべてのドラッグストアで取り扱っていました。
地域によって違いもあるとは思いますが、最も手に入りやすい市販薬であると思います。
効果の面でも、手に入りやすさにおいても、一押しの商品です。
黄ニキビにおすすめの市販薬
商品名 | クロマイセチン軟膏 | ペアアクネクリーム | エスカメル |
特徴 | アクネ菌を徹底殺菌 | 手に入りやすい市販薬 | 市販薬の中で強めの成分を多く含んでいる |
参考価格 | 828円 | 709円 | 1,026円 |
クロマイセチン軟膏は、抗生物質のみの軟膏で、アクネ菌を徹底殺菌してくれます。
ただし、抗炎症成分などは配合されていないので、痛みやかゆみが生じている場合には効果に期待できないかもしれません。
また、エスカメルについてはイオウが8%入っているので、効果が高いです。ただし、繰り返しやすい部分だけに塗るのがおすすめです。
全ニキビにおすすめの市販薬
商品名 | メンソレータムアクネス | クレアラシルニキビ治療薬クリーム | ピンプリットにきび治療薬C |
特徴 | 腫れ・赤みの軽減からアクネ菌殺菌まで | ニキビの悪化を抑制 | べたつかない使用感 |
参考価格 | 781円 | 1,197円 | 1,100円 |
炎症を抑える成分とアクネ菌の殺菌成分を含む市販薬です。
さらに追加でイオウを含むので、脱脂作用と毛穴のつまりをとる作用があります。
ただし、皮脂を乾燥させたり塗った部分が白い粉のようになる副作用があるので注意してください。
皮膚の反応が気になる場合は、ニキビが出来ている部分のみ使う方が良いでしょう。
ニキビ市販薬の正しい使い方
ニキビ市販薬は、大前提として、必ず適切な量を塗るようにしてください。
市販薬を多く塗ったからといってニキビが治るわけではありません。
また、塗る際には、こすらずに優しく塗ってあげましょう。
市販薬を使う際の注意点
ニキビの市販薬は、用法・用量を守って使用してください。
誤った使用をしてしまうと症状が悪化する可能性があります。
また、15歳未満や妊娠中・授乳中の方は、薬局の薬剤師または医師に相談してから使用してください。
成分によっては使用できなかったり体に悪影響を与えてしまう可能性があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
市販薬は慢性的にニキビができやすい方の緊急薬ですので、手元に置いておきたいものですよね。
すぐに皮膚科を受診できない方でも、ご自分でのケアに役立てて頂ければ嬉しいです。
皮膚科を受診して頂ければ、さらに改善しやすいお薬もあります。
市販薬で治りきらない方や使い方が難しいと感じている方は皮膚科で相談してください。
【ニキビ・ニキビ跡の治療方法については以下の記事も参考にしてください】
- ピコレーザーとは?「ピコトーニング・ピコフラクショナル・ピコスポット」それぞれの違い
- ダーマペンによるニキビ治療の効果|ニキビ跡にもダーマペンは効果的
- ニキビの内服薬、イソトレチノインについて
- ピーリングによるニキビ治療への効果|ピーリングの種類からデメリットまで解説
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗