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ニキビ治療はニキビ跡治療が先か?新しいニキビ治療が先か?

[2023.04.05]

春の時期は、ニキビで受診される方が増えます。

その時によくお話が上がるのは、「ニキビ跡をまず治したいです」という要望。

ニキビ跡は見た目に影響を及ぼすので、気になってしまう人は多いです。

しかし、優先するべきは「ニキビをできにくくすること」と考えています。

そこで今回は、私の考えについて、お話させていただきます。

 

ニキビ治療の基本はニキビをできにくくする

ニキビ治療の基本は「新しいニキビを作らない」です。

そのため、優先的にすすめるべきなのは、ニキビ跡の治療ではなく、にきびをできにくくすることだと考えています。

また、ニキビ跡の治療は時間もかかりますし、保険診療の中でやれることが少ないのが現状です。

しかし、ニキビをできにくくする治療は、保険診療の中でもかなり多くあります。

ニキビをできにくくする治療を優先的に行えば、今後ニキビ跡になるような大きなニキビができにくいので、結果的にお得かつ効率的なのです。

 

ニキビ跡だけ優先して治療した場合

結論から言えば、ニキビ跡だけを優先する治療はおすすめしません。

例えば、ニキビのできやすい人が、ニキビ跡の治療を優先したとしましょう。

ニキビ跡の改善に期待はできますが、治療に時間がかかってしまいます。

その間にも、ニキビはできてしまうので、結果的に治療の繰り返しになってしまうのです。

このことから、まずはニキビをできにくくする治療が大事だと言えます。

 

新しいニキビだけを治療する場合

新しいニキビだけを治療するのも、おすすめはしません。

当然ニキビ跡は残ってしまいますし、ニキビができやすい肌が改善するわけではないからです。

新しいニキビができてまた治して……の繰り返しになってしまいます。

 

ニキビ治療とニキビ跡でどちらが先とは一概に言えない

ニキビ治療とニキビ跡の治療では、どちらを優先するべきとは一概に言えません。

優先すべきなのは「ニキビをできにくくする」ことだからです。

ニキビをできにくくしてから、いずれかを治療するといった選択が、最良の手段と考えます。

 

ニキビをできにくくする主な治療方法

ニキビをできにくくする治療方法として、主なものを紹介します。

薬の効果の強さは、以下のような順番になります。

  1. イソトレチノイン
  2. エピデュオゲル
  3. アダパレン・ディフェリンゲル
  4. レチノール化粧品

上記のうち、イソトレチノイン・レチノール化粧品は保険適用外となります。

以下では、保険適用の治療と保険適用外の治療に分けて、薬の特徴を解説するので、ご自身に合ったものを選んでください

または、皮膚科医に相談して、最適な治療方法を提案してもらいましょう。

 

保険適用の治療

保険適用の治療は、主に塗り薬になります。

  • エピデュオゲル
  • アダパレンゲル
  • ディフェリンゲル

それぞれの薬の特徴について解説するので、処方してもらう際の参考にしてください。

また、保険適用の薬については、以下でも解説しています。

皮膚科の保険診療で処方するニキビ薬

 

エピデュオゲル

エピデュオゲルは、2つの成分がニキビに作用します。

  • アダパレン……白ニキビを強力に治療・目に見えないできかけのニキビを治してくれる
  • 過酸化ベンゾイル……有効な殺菌作用を持つ物質

保険適用で処方できる塗り薬のなかでは、最も強い治療薬と言っても過言ではないと考えています。

ニキビを治すだけでなく、できかけのニキビも治してくれます。

また、保険適用の塗り薬としてアダパレンゲルがありますが、エピデュオゲルのなかにはアダパレンが含まれているので、エピデュオゲルのみで十分です。

 

ディフェリンゲル

ディフェリンゲルは白ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビ、どの段階にも作用します。

エピデュオゲルと同様にアダパレンが配合されている薬です。

ニキビを改善する効果に期待できるのはもちろん、ニキビをできにくくする効果があるので、新しいニキビを防ぐ際にぜひおすすめします。

 

保険適用外の治療

保険適用外の治療として、当院ではイソトレチノインをおすすめしています。

イソトレチノインはビタミンA誘導体の内服液です。

中度から重度のニキビに対してニキビ改善効果があり、有効率は90%と言われています。

日本では認可がおりていないため保険適用外ですが、決して危険な薬ではありません。

その証拠に、欧米では20年以上使われています。

イソトレチノインについては、以下の記事で具体的に解説していますので、そちらも参考にしてください。

ニキビの内服薬、イソトレチノインについて

 

まとめ

ニキビの治療を行う際は、ぜひ「ニキビをできにくくする治療」を検討してください。

もちろん、新しいニキビを治したりニキビ跡を治したりする治療も大事です。

しかし、最も重要なのは「今後ニキビをできなくすること」ではないでしょうか。

当院でも新しいニキビの改善やニキビ跡治療も行っていますが、「ニキビをできにくくする」ことに重点を置いています。

どのような治療が自身の肌に合っているかわからない場合は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック  院長 祖父江 千紗

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