脇の多汗症(腋窩多汗症)は保険適用治療も可能!脇汗に関するみんなのアンケート結果も紹介
脇汗対策、わきが対策に最初からボツリヌストキシン治療はハードルが高いという方もいるでしょう。
最近では腋窩多汗症に対して保険適応のお薬が出たのでご紹介します。
合わせて、「脇汗対策にどのような対策をとっているか」「脇汗でどのようにどのように悩んでいるか」のアンケート結果についても紹介するので、参考にしてください。
脇の多汗症はワキガではない
まず、心配しないでほしいのは、脇の多汗症はワキガではありません。
脇汗が多いと「ワキガかもしれない」と悩んでしまう方もいらっしゃいますが、臭いが出ていなければワキガではないです。
ワキガの臭いは、鼻につくような独特な臭いなので、通常の汗の臭いであれば、ワキガではないと考えてください。
脇汗の悩みに関するアンケート
脇汗対策や脇汗に関する悩みのアンケート結果について紹介します。
なお、今回のアンケート結果は製薬会社マルホさんの「みんなの脇汗リサーチ」を参考にしています。
「脇汗で困った」と感じる頻度
「脇汗で困った」と感じる頻度については、時期によって異なります。
夏場においては、「ほぼ毎日」との回答が87.9%と、ほとんどの人が夏場の脇汗問題に悩んでいるようです。
冬場においては、以下のような結果になりました。
- ほぼ毎日…28.10%
- 数日に1回程度…26.80%
- 1週間に1回程度…21.30%
- 数カ月に1回程度…16%
やはり、夏場よりも困っている人は少ない傾向ですが、それでも毎日悩んでいる人が最も多い数になりました。
脇汗についてどの位悩んでいる?
脇汗について悩んでいる人は、意外にも多くいます。
アンケート結果では、以下のようになりました。
- 我慢できず、日常生活に常に支障がある…8.7%
- 我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある…20.4%
- 我慢できるが、日常生活に時々支障がある…60.7%
- 全く気にならず、日常生活に全く支障はない…10.2%
多くの人が日常生活に支障を感じているので、脇汗に関する悩みは、決して珍しくないのです。
脇汗の対処法
脇汗に悩む人は、個々で脇汗への対処を行っています。
対処方法として、以下のような方法が挙げられました。
- 市販のデオドラント製品…73.3%
- 市販の制汗剤…68.5%
- 病院で塗り薬を処方してもらっている…13%
- 注射や手術…4.6%
脇汗に悩んでいる人が多いにも関わらず、病院で対処している人は少ない傾向です。
市販製品で対処できてる?
上記で、市販製品で脇汗対策をしている人がほとんどだとわかりましたが、「市販の製品でどの程度満足しているのか」についてのアンケート結果が、以下のとおりです。
- 満足していない…制汗剤14.7%/デオドラント製品13.5%
- あまり満足していない……制汗剤20.7%/デオドラント製品19.9%
- どちらとも言えない…制汗剤19.1%/デオドラント製品18.3%
- やや満足している…制汗剤29.5%/デオドラント製品31.3%
- 満足している…制汗剤16.0%/デオドラント製品17.0%
市販製品については、満足している人と満足していない人で半々程度。
十分に満足している人はほとんどいません。
脇汗の治療方法について知ってる?
病院による脇汗の治療方法についてのアンケートでは、「特に思い浮かばない」という回答が47.6%でした。
手術や注射などの回答結果もありますが、病院で行う脇汗治療については、理解が低い傾向です。
脇の多汗症チェック項目
脇の汗について気になっている人は、以下の項目を確認してみてください。
- 多量の汗が半年以上続く
- 緊張すると多量の汗が出る
- 滴りおちるほどの汗がでる
- 脇が常に湿っている
- 脇の汗ジミが目立つ
- 制汗剤が手放せない
- 汗が原因で1日に何度も着替える
上記のいずれか一つでも当てはまっている場合は、多汗症の可能性があります。
腋窩多汗症の治療方法
脇の多汗症の治療方法についていくつかを解説します。
病院での治療というと、保険適用外の治療だと勘違いしてしまう人もいますが、今は保険診療の治療もあります。
保険診療の治療については、マルホさんのサイトもご確認ください。
ラピフォートワイプ(保険適用)
ラピフォートワイプは、2018年からアメリカで腋窩多汗症の治療薬として使われている、保険適用の塗り薬です。
多汗症の原因を阻害し、発汗を抑制します。
2022年1月からは、日本でも製造販売が承認されました。
エクロックゲル(保険適用)
エクロックゲルは、2020年に日本初の保険診療の多汗症用塗り薬として販売された、塗り薬です。
ラピフォートワイプと同様、多汗症の原因を阻害し、発汗を抑制します。
プロバンサイン(保険適用)
プロバンサインは、保険適用の抗リン剤の飲み薬です。
1回1錠、1日3回を目安に服用すれば、比較的早い段階で効果を実感できます(個人差はあります)。
ただし、飲み薬のため、服用できない人もいるので、必ず事前に医師と相談してください。
ボツリヌストキシン治療
保険適用の薬で効果が乏しい場合は、ボツリヌストキシン治療をおすすめします。
ボツリヌストキシン治療は、注射を用いた方法ですが、一回治療を行えば4-5ヶ月ほど効果が持続します。
一番汗に悩むワンシーズンを乗り越えることができるのではないでしょうか。
ボツリヌストキシン治療の具体的な内容については、以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
まとめ
脇の多汗症治療は、注射などの治療だけではありません。
今回紹介したように保険適用の薬もあるので、多汗症で悩んでいる人は、市販の製品ではなくぜひ保険適用の薬を使ってみてください。
また、当院でも多汗症の治療は行っておりますので、疑問や不安点がある場合は、お気軽にご相談ください。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗