ニキビを潰しちゃダメは嘘?
名古屋市昭和区のいりなか駅前皮膚科ビューティクリニックでは重症のニキビ・ニキビ跡の治療を実施しております。お悩みの方は下記のページも併せてご覧ください▼ ニキビを潰しても良いのか、よくないのか?
膿をもったニキビが出来ると、ついつい潰したくなりますよね。
しかし、「ニキビを潰さないで!」という情報も多く、悩んでいる方もいらっしゃると思います。
本記事では、以下の3点について解説します。
- 「本当にニキビを潰してはいけないのか?」
- 「潰したらダメだと言われる理由」
- 「潰すならどうしたらいいの」
ニキビは潰していいのか・良くないのか
美容皮膚科医が、医学の視点からお伝えさせて頂きます。
まず、結論からお伝えする「ニキビは条件付きで潰してもいい」という事実です。
膿をもったニキビは正しく潰せば、治りが早くなります。
しかし、皮膚科医の視点からからみると、気を付けなければいけない重要なポイントがあります。
それは、「ニキビは自分で潰してはいけない」ということです。
なぜならば、自分で潰すことは、ニキビの治りが遅くなったり、ニキビ跡などのさらなるトラブルを引き起こす原因になってしまうからです。
ニキビを潰したらダメだと言われる理由は4つ
ニキビを潰したらダメだという理由には、主に以下の4つがあります。
- 膿が出きらない
- つぶすことで炎症性物質が広がってしまう
- 爪などの刺激で皮膚を傷つけてしまう
- ニキビ跡になる可能性がある
私たち美容皮膚科医はこれらの理由から、個人でニキビを潰すことを強く勧めません。
自分でニキビを潰すという行為はニキビを正しく直すことには繋がらないのです。
以下では、なぜ上記のようなリスクがあるのかについて、解説します。
膿が出きらない
自分でニキビの膿を出すときには、爪やピンセットを使って出すことが多いのではないでしょうか?
しかし、特別な道具を使わずに潰しても、膿ができらず残ってしまいます。
せっかく膿を出しても出しきっていなければ、結局ニキビは治らないので二度手間になってします。
潰すことで炎症性物質が広がってしまう
ニキビを治すために潰したつもりが、反対に悪化させてしまう可能性もあります。
ニキビを潰すことで炎症物質を回りに広げてしまうからです。
また、その刺激でさらに炎症物質がたくさん出ることになります。
特に真皮という皮膚の深いところまで広がってしまうと、クレーターなどのニキビ跡になりやすくなります。
爪などの刺激で皮膚を傷つけてしまう
ニキビを潰すときに爪やピンセットなどを使うと思いますが、爪などの刺激により周りの皮膚を傷つけてしまうことがあります。
周りの皮膚が傷ついてしまうと、ニキビだけでなく、周りの皮膚も含めてニキビ跡になってしまいます。
ニキビ跡になる可能性がある
ニキビのどの段階においても、潰してしまうとニキビ跡になる可能性が高いです。
とくに、炎症を起こしている赤ニキビや黄ニキビはニキビ跡になりやすいです。
初期段階の白ニキビや黒ニキビにおいても、潰すことで炎症が起こって、ニキビ跡になる可能性があります。
ニキビを潰すならどうしたらいいのか?
自分でニキビを潰すのはおすすめしませんが、正しく潰せば治りが早くなります。
ただ、正しい方法は自分では行えません。
正しく適切にニキビを潰すのであれば、皮膚科で潰してもらいましょう。
大切なのはニキビの状態に合わせた適切な治療をプロから判断してもらうことです。
「ニキビ跡が残らないために」潰すべきなのか、お薬で治すべきなのか、それとも他の方法があるのかを判断してもらうためにプロの皮膚科医に判断してもらうのが一番良いです。
そして皮膚科医が必要であると判断すれば、皮膚科で潰してもらいましょう。
皮膚科によるニキビを潰す施術
皮膚科でニキビを潰す際には、面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)という施術を行います。
面皰圧出は、針やレーザーでニキビに小さな穴を開けて、面皰圧出器でニキビの芯を押し出す施術です。
面皰圧出器は通販サイトなどでも出回っていますが、医師ではない方が自分で扱うと細菌感染やニキビ跡になる可能性があるのでおすすめしません。
医師だからこそできる専門的な治療なので、面皰圧出を行う際は必ず医療機関で行ってください。
どうしても自分でニキビを潰したい場合
時間がなくてなかなか皮膚科へ行けない人もいるかと思います。
確実に潰してもいい膿をもったニキビだなと思った場合はこちらの動画で正しいニキビのつぶし方を上げているので参考にしてください。
ニキビを潰さずに治療する方法
軽度のニキビであれば、潰さずに治療する方法もあります。
ニキビを潰すリスクに不安がある場合は、以下の方法を試してみてください。
薬で治す
ニキビは塗り薬や飲み薬で改善できます。
保険診療では主に塗り薬になりますが、自費診療においては飲み薬を処方するケースがあります。
保険診療でよく処方される外用薬は、主に以下の3つです。
- エピデュオゲル
- ベピオゲル
- ディフェリンゲル
自費診療での飲み薬については、主に以下の2つです。
- 低用量ピル
- イソトレチノイン
それぞれの効果や保険診療と自由診療の治療の違いについては、以下の記事も参考にしてください。
自然治癒で治す
ニキビは放っておけば治癒する場合もあります。
ただし、自然治癒で治すには正しいセルフケアが必要です。
セルフケアを怠ってしまうと、ニキビが治らないどころか悪化してしまう可能性があります。
洗顔やメイク、生活習慣などを正せば、自然にニキビが治るだけではなく、ニキビのできにくい肌に導くことも可能です。
ニキビを潰さず治すための正しいセルフケア
先述したように、ニキビを自然に治すためには正しいセルフケアが重要です。
セルフケアで治す方がニキビを潰して治すよりもリスクはありませんし、ニキビができにくい肌にしてくれます。
以下でセルフケアの方法について解説するので、参考にしてください。
正しい洗顔方法
ニキビの主な原因は皮脂による毛穴詰まりです。
そのため、しっかりと皮脂や角質などの汚れを落としましょう。
ただし、ニキビができている状態でゴシゴシ洗ってしまうと刺激によって悪化する可能性があるので、しっかりと泡立てた状態で優しく洗ってください。
顔を拭く際にも、柔らかいタオルで押し当てるように水分を吸収させましょう。
洗顔方法については、以下の記事も参考にしてください。
十分な保湿
肌の乾燥はニキビの原因になるので、保湿をしっかり行いましょう。
乾燥は皮脂の過剰分泌を促すほか、肌のバリア機能の低下にもつながります。
とくに「ワセリン・セラミド・尿素」の含まれている保湿製品がおすすめです。
乾燥対策については、以下の記事も参考にしてください。
栄養バランスを考えた食事
偏った食生活ではニキビが悪化してしまうので、栄養バランスを考えた食事を心がけましょう。
とくに摂っておきたい栄養素は、以下のとおりです。
- βカロテンを含む緑黄色野菜
- ビタミンC
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンE
食生活については、以下の記事で解説しているので、参考にしてください。
規則正しい生活習慣
規則正しい生活習慣を心掛けることで、ニキビが改善する可能性があります。
とくに睡眠は重要です。
なぜなら、睡眠中に分泌される成長ホルモンが、肌を修復したりターンオーバーを正常に働かせる役割を果たしているからです。
また、睡眠不足でストレスが溜まってしまうと、皮脂の過剰分泌の原因になります。
規則正しく質の良い睡眠をとるようにして、自然治癒力を高めましょう。
まとめ
ニキビを潰すことは、決して悪ではありません。
ただし、ニキビを潰す場合は正しい知識を持って行わなければいけません。
間違ったケアでトラブルを起こさないよう、皮膚科で適切な判断をしてもらってください。
【ニキビ・ニキビ跡の治療方法については以下の記事も参考にしてください】
- ピコレーザーとは?「ピコトーニング・ピコフラクショナル・ピコスポット」それぞれの違い
- ダーマペンによるニキビ治療の効果|ニキビ跡にもダーマペンは効果的
- ニキビの内服薬、イソトレチノインについて
- ピーリングによるニキビ治療への効果|ピーリングの種類からデメリットまで解説
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗