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風邪に対する抗ヒスタミン薬について

[2019.05.27]

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風邪に対して、抗ヒスタミン薬を処方する先生もいます。

しかしあえて当院では風邪、すなわちウイルス感染症に対して抗ヒスタミン薬を使うことを避けています。

理由は2つあります。

1)抗ヒスタミン薬とけいれん
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3648
こちらの記事にもある通り、乳幼児のけいれんを起こしやすくしてしまうことがよく知られています。
またけいれんをおこさなくても、脳の機能が低下してしまう、
インペアード・パフォーマンス(impaired performance:気づきにくい能力ダウン)のほうが被害は甚大です。
この状態は,集中力,認知能力,作業効率,勉学能率,運動能率などのパフォーマンスが,疾患だけではなく,脳内へ移行する抗ヒスタミン薬により,無自覚に障害されている状態なのです。

僕自身、ザジテンという薬を小児量飲むだけで、運転中、赤信号でふらっと眠くなってしまってゾッとしたことがあります。
もちろん、最近の新しい抗ヒスタミン薬ではこうした作用はない、とは言われています。しかし薬には個人差が大きいのです。つかわなくてもすむのであれば
つかわないにこしたことはありません。

2)抗ヒスタミン薬で分泌物が粘調に

私も花粉症で抗ヒスタミン薬をのむことがあります。
鼻もとまりますが、痰も粘調になってきれにくくなります。抗ヒスタミン薬には鼻水などを粘調にする作用があるのです。
乳幼児は大人とちがって、上手に痰をきることができずにかえって苦しくなってしまったり、鼻閉で口呼吸になってしまうことがあります。

ですので、アレルギー性鼻炎やじんましんなど、本当にその性質を活用したいときにしっかり仕事をしてもらう、そういう気持ちで処方を選んでいます。

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