アルコール消毒で手荒れに悩む方へ
最近はスーパー、飲食店、どこへ行っても「アルコール消毒」をしますね。
手荒れがひどく悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな手荒れでお悩みの方に、クリニックでおすすめしている消毒方法をお伝えします。
皆さんが当たり前にしているアルコール除菌ですが、
やりすぎると手荒れが悪化する可能性があります。
なぜなら
◎アルコール消毒は皮膚の脂を奪ってしまう
◎アルコールそのものの刺激で手荒れが起こる
からです。
特に、「ひび割れやあかぎれなどの手荒れの方」に対して
アルコール除菌はおすすめ出来ません。
手荒れを悪化させる原因は、
黄色ブドウ球菌をはじめとした雑菌を繁殖させることになるからです。
黄色ブドウ球菌は食中毒の原因菌でもあります。
繁殖した場合、バイオフィルム形成が皮膚で起こっていることがあります。
バイオフィルムを作った黄色ブドウ球菌は消毒しても死ななくなります。
すると、毒素を出して手が荒れるという繰り返しになり、
手荒れはずっと治らず、さらに食中毒やとびひの危険性が上がります。
さらに、アルコール除菌を1回して菌が減るのは30分だけです。
そこでみなさんにおすすめしたいのは、次亜塩素酸水です。
◎次亜塩素酸水とは?
医療の世界では以前より使われてきた消毒液。
ノロウイルスの消毒などに使われてきました。
塩酸または塩化ナトリウムを電気分解して生成される液体です。
手が汚れていると化学変化が起こり反応が出ないので
手が汚れている時は手を洗ってから使ってください。
家庭や職場におけるアルコール以外の消毒方法の選択肢を増やすため、
「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会」がつくられ
様々な代替消毒液が評価されました。
この委員会において、次亜塩素酸水は有効性を認められています。
(有効塩素濃度35ppm以上で有効性が認められています)
この委員会は経産省の要請で行われたものなので、
有効性については安心していただけると思います。
除菌に有効で、さらに手が荒れない消毒液なので
アルコール消毒による手荒れで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
亜塩素参水の選び方
1,有効塩素濃度が35ppm以上80ppm以下
一番大事なポイントです。
あまり高濃度のものは人への安全性が認められていません。
できれ微弱酸性のものを選ぶことをおすすめします(表示されていないことが多いです)
2,電気分解で生成されたもの(厚生省の認可)
電気分解で生成されたものは原材料が塩酸、またはNaclのみとなっています。
他の成分が入っているものは化学反応で作られているものがあったり、
他の刺激のある成分が入っている可能性があるので、
手の消毒には使わない方が良いでしょう。
3,希釈していないもの
濃度の濃い原液を買って、自分で薄めて使う方法もあります。
しかし次亜塩素酸水は時間とともに水に戻ってしまうので早く使う必要があります。
その為、原液をたくさん買っても、時間とともに薄くなってしまいます。
使い続けるうちに消毒液の濃度が思ったより薄くなっている可能性もあります。
家庭で使う程度の量であれば希釈するタイプではなく、
スプレーでそのまま使えるタイプのものを買って早めに使い切るのがおすすめです。
アマゾンで探した中で比較的よさそうなものをあげておきます。
次亜塩素酸水を使う時の注意点
◎次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)とは違います。
手荒れの原因となるので、間違えないよう注意してください。
◎日光に当たると劣化が早いので、保管場所に注意してください。
いかがでしたでしょうか?
次亜塩素水は肌と免疫を守る魅力的な消毒液です。
最後に、クリニックで使用している次亜塩素酸水を紹介します。
私は診察の合間に、この次亜塩素酸水で毎日30回ほど消毒をしているのですが、まったく手荒れしません。
ぜひご自身でもいろいろ試してみてください。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗