赤ら顔(酒さ)の治療方法と自分でできる対策
顔全体が赤くなってしまう赤ら顔に悩んでいませんか?
症状がそれほどひどくない場合は放置してしまっている場合もありますが、やはり気になってしまいますよね。
しかし、赤ら顔と一重に言っても種類はさまざまで、治療方法も症状により異なります。
今回は赤ら顔のなかでも、酒さについて解説します。
赤ら顔の種類
まずは、赤ら顔の種類について解説します。
赤ら顔の種類は、主に以下の7つに分けられます。
- 毛細血管拡張症
- 単純性血管腫・いちご状血管腫
- 老人性血管腫
- 湿疹・ニキビ・アトピー性皮膚炎
- 酒さ
- 酒さ様皮膚炎
- 脂漏性皮膚炎
上記のように赤ら顔と言っても種類が異なるので、気になる場合は一度クリニックで診てもらうようにしましょう。
赤ら顔(酒さ)の主な症状
酒さの症状は、単に顔が赤くなるだけではありません。
主に以下の症状が出ます。
- 毛細血管の拡張
- 毛穴のポツポツ
- 目の充血や刺激感
- 鼻瘤(鼻のゴツゴツ感)
- ほてり・ヒリヒリ感
ただし、どの症状が強くでるかについては個人差があります。
毛細血管の拡張
酒さの赤みの主な原因は、毛細血管の拡張です。
鼻・頬・あご・眉間あたりに強い赤みが出やすく、年齢を重ねると症状が悪化します。
刺激などの症状を感じない場合が多いですが、人によってはヒリヒリと感じるケースがあります。
毛穴のポツポツ
酒さでは、ニキビのような毛穴のポツポツした赤みも症状としてみられます。
赤いポツポツの場合もあれば、黄色く膿む場合など、症状はさまざまです。
目の充血や刺激感
よくあるような症状ではありませんが、酒さの症状が強い方は、目の充血や刺激を感じる方がいます。
あまりにも症状が強いと、涙が止まらなくなるというケースもあります。
鼻瘤(鼻のゴツゴツ感)
鼻瘤(びりゅう)は鼻のポツポツが続き、鼻がゴツゴツしたようになってしまう症状です。
酒さを長く放置したことによって肌の性質が変わってしまうことにより起きてしまいます。
初期の治療であればイソトレチノインで改善効果に期待できますが、症状がひどい場合はそのほかの治療も検討します。
赤ら顔(酒さ)の主な治療方法
酒さの主な治療方法として、以下3つが挙げられます。
- 塗り薬
- 飲み薬
- IPL(ソラリ)
- レーザー治療
どの治療方法が合っているかは症状によって異なるので、一度クリニックで相談してみてください。
以下では、具体的な治療方法について解説します。
塗り薬
酒さの塗り薬では、主に以下の4つが処方されます。
- メトロニダゾール
- アゼライン酸
- イベルメクチンクリーム
- ロゼックス®ゲル
上記のうち「ロゼックス®ゲル」以外は自費診療です。
ロゼックス®ゲルも元々自費診療でしたが、2022年5月から保険適用になりました。
飲み薬
飲み薬では、内服抗生剤が有効的です。
主に処方される薬は、以下の2つ。
- ビブラマイシン
- ミノマイシン
いずれも保険適用の薬です。
抗生剤のなかには自費診療のものもありますが、保険適用の内服抗生剤でも十分効果を感じられます。
取り扱っている内服抗生剤はクリニックによって異なるので、まずは一度クリニックに相談してください。
IPL(ソラリ)
ソラリは光治療器で、酒さの時にも使用できます。赤みや膿疱に効果があります。
レーザー治療
酒さにより血管の開きや赤みを抑えるには、レーザー治療もおすすめです。
扱っているレーザーについてはクリニックによって異なるので、一度ご確認ください。
当院では、内服抗生剤や塗り薬などで症状が落ち着いてきた方に対して「クラリティ」というレーザーをおすすめしています。
脱毛レーザーとして知られていますが、照射のモードを変えることで赤みに対して効かせることができます。
赤ら顔(酒さ)の自分でできる対策
酒さの方は、症状が悪化しないように自分でできる対策も行っておきましょう。
日々の生活を気を付けるだけで、症状を軽減できます。
以下では、とくに注意しておきたいポイントについて解説します。
紫外線対策
酒さの症状がある方は、紫外線を浴びると悪化してしまいます。
そのため、以下のような紫外線対策を行いましょう。
- 日焼け止めを塗る(SPF30以上推奨)
- 日中の外出を控える
- 外出時はできるだけ日陰を探す
- つばの広い帽子をかぶる
- サングラスをかける
酒さ以外にも、紫外線は肌にとって大敵です。
紫外線対策をしておけば、そのほかの肌トラブルも防げます。
スキンケア
酒さの方の皮膚は敏感なので、刺激の少ない化粧品を使いましょう。
小まめな保湿なども症状の軽減に効果的です。
また、洗顔時はゴシゴシ洗わず、よく泡立てた泡で優しく洗い、人肌ほどのぬるま湯で洗い流すようにしてください。
まとめ
酒さの症状や治療方法について解説してきましたが、基本的には気になった時点でクリニックを受診していただくことをおすすめします。
早い段階で治療を行った方が改善しやすいです。
酒さの治療を行わなかったり日々の対策を怠ってしまったりすると、鼻瘤になったり症状が悪化したりするので注意してください。
治療方法については症状やクリニックによって異なりますので、一度ご相談ください。
文責 いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック 院長 祖父江 千紗