イソトレチノインの適応部位と効果について｜顔の重症ニキビだけではない効果

[2023.07.06]

イソトレチノインは、主に顔の重症ニキビに対して処方される薬です。

しかし、実際には軽症ニキビにも使えますし、身体のニキビにも効果があります。

今回は、イソトレチノインの効果や適応範囲について解説します。

イソトレチノインの主な効果については、以下の記事でも解説していますので、そちらも参考にしてください。

ニキビの内服薬、イソトレチノインについて

イソトレチノインの主な効果は重症ニキビ

イソトレチノインの主な使用対象は、重症のニキビです。

皮脂の分泌やアクネ菌に対する抗菌作用・抗炎症作用によって重症のニキビを改善します。

日本では保険適用外の薬ですが、海外では30年以上前からニキビの内服薬としてよく使用されています。

イソトレチノインによるニキビ跡への効果

イソトレチノインは、ニキビ跡への直接的な治療はできません。

ニキビ跡を改善するのであれば、レーザー治療が適していいます。

しかし、重症ニキビをイソトレチノインによって早期改善することで、ニキビ跡ができにくくなる効果は期待できます。

イソトレチノインによる酒さへの効果

酒さは、基本的に他の治療薬を試しますが、効果を実感できない場合にイソトレチノインを処方するケースがあります。

当院では、赤みの治療には「ソラリ」や「モザイク」や「クラリティフェイシャル」をおすすめしているので、酒さでお悩みの場合は一度ご相談ください。

酒さの治療については、以下の記事で解説しています。

顔に赤みが出る原因や仕組み｜赤みの改善方法も解説

軽症ニキビにも適応可能

イソトレチノインは、基本的に重症ニキビに処方されますが、繰り返すような軽症～中症のニキビにはイソトレチノインを処方するケースがあります。

ただし、軽症～中症のニキビの場合でも保険適応の薬ではないため処方可能です。医師の指示に従って服用してください。

毛穴の治療にも有効

イソトレチノインは、毛穴の治療にも有効です。

そもそも、ニキビの原因は毛穴に皮脂が溜まることです。

過剰な皮脂分泌によって毛穴を詰まらせ、溜まった毛穴がアクネ菌の養分となってニキビとなります。

イソトレチノインは皮脂分泌を抑えてくれるので、毛穴自体の治療にも有効的で、毛穴が目立ちにくくなります。

毛孔性苔癬にも有効

毛孔性苔癬は、毛穴にブツブツした小さな盛り上がりができてしまう皮膚疾患です。

二の腕や肩などに多くみられますが、太ももや頬、腰やお尻にも症状が現れる場合があります。

このような毛孔性苔癬にも、イソトレチノインは効果的です。

イソトレチノンの飲み方

イソトレチノインは、以下の飲み方を参考にしてください。

基本的な内服量は、初回の場合であれば20mg/日から開始するケースがほとんどです。

1日1回、食後に内服してください。

内服期間は標準6カ月～12カ月です。

ただし、上記の飲み方は参考例なので、医師から指示がある場合は医師の指示に従いましょう。

イソトレチノインを内服できない方

イソトレチノインは、以下に当てはまる人は内服できません。

妊娠中の方、妊娠の可能性がある方
15歳未満の方
ビタミンAでアレルギーを起こしたことのある方
パラベン・大豆・ピーナッツアレルギーのある方
肝機能障害のある方
中性脂肪・コレステロールの高い方
うつ病・その他精神疾患で治療中の方

また、以下の薬やサプリメントの併用はできません。

テトラサイクリン系抗生物質（ミノマイシン・ビブラマイシンなど）
抗てんかん薬
ステロイド薬
ビタミンA
セントジョーンズワート

飲み合わせや持病などで内服できるか不安な場合は、一度ご相談ください。

イソトレチノインの副作用については、以下の記事で解説しているので、そちらも参考にしてください。

イソトレチノインの代表的な副作用から服用時の注意点について