鼻茸(ポリープ)
鼻茸は「はなたけ」と読み、鼻の中や副鼻腔の粘膜がやわらかくふくらんでできる、いわゆるポリープのことです。見た目には白っぽく半透明で、ぶよぶよしたできもののように見えることがあります。小さいうちは症状がほとんどないこともありますが、大きくなると鼻づまりが続いたり、においがわかりにくくなったり、鼻水がのどにまわる感じが強くなったりします。風邪が長引いているだけ、アレルギー性鼻炎が悪化しているだけと思われて見逃されることも少なくありません。
すずらんクリニックでは、鼻茸そのものだけでなく、その背景にある副鼻腔炎やアレルギー、鼻の粘膜の状態まで含めて丁寧に診察しています。鼻茸はひとつの病名というより、鼻や副鼻腔に慢性的な炎症が続いた結果としてみられることが多い所見です。そのため、ただ見つけるだけではなく、なぜできているのかを考えることが大切です。
鼻茸の症状について
鼻茸では、次のような症状がみられることがあります。
- 鼻づまりが続く
- 片側または両側の鼻が通りにくい
- においがわかりにくい
- 鼻水が多い
- 鼻水がのどに流れる
- 声が鼻にかかったようになる
- 口呼吸になりやすい
- 頭が重い
- 副鼻腔炎をくり返す
- 風邪が治りきらない感じがする
鼻茸が小さいうちは、ご本人がまったく気づかないこともあります。反対に、鼻づまりがかなりつらいのに、鼻水はそれほど多くないという方もいらっしゃいます。においの低下は、生活の質に大きく関わる症状ですが、少しずつ進むと慣れてしまって気づきにくいこともあります。お子さんの場合は、口をぽかんと開けている、いびきをかく、鼻声が続くといった様子が手がかりになることもあります。
鼻茸の原因について
鼻茸は、鼻の粘膜に炎症が長く続くことで生じやすくなります。鼻の中や副鼻腔の粘膜がくり返し刺激を受けて腫れ、むくみが強くなることで、やわらかいふくらみとして鼻腔内へ出てくるような状態です。
慢性副鼻腔炎
もっともよく関係するのが慢性副鼻腔炎です。副鼻腔に炎症が長く続くと、鼻の中の粘膜も腫れやすくなり、鼻茸ができることがあります。鼻づまりや後鼻漏、頭重感を伴う方では、この背景を考えることが少なくありません。
好酸球性副鼻腔炎
好酸球性副鼻腔炎では、鼻茸ができやすいことが知られています。好酸球とは、アレルギーや炎症に関わる白血球の一種です。においの低下が強い方や、喘息をお持ちの方では、この病態が関係していることがあります。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎だけで大きな鼻茸になるとは限りませんが、鼻の粘膜の腫れが続きやすく、炎症の背景として関係することがあります。
体質や炎症のくり返し
風邪を何度もひく、鼻炎が長引く、鼻の奥の炎症が慢性化しているといった状態も、鼻茸ができやすい土台になることがあります。
鼻茸の病気の種類について
鼻茸は、見た目が似ていても、背景にある病態が異なることがあります。そのため、単に「ポリープがあります」で終わらせず、何に伴って生じているかを考えることが大切です。
慢性副鼻腔炎に伴う鼻茸
一般的によくみられるタイプです。副鼻腔炎が長引く中で粘膜がむくみ、鼻茸としてみられます。鼻づまりや鼻水、後鼻漏が目立つことがあります。
好酸球性副鼻腔炎に伴う鼻茸
鼻茸が両側にできやすく、においがわかりにくい症状が強く出ることがあります。再発しやすいこともあるため、長い目でみた管理が必要になる場合があります。
鼻茸に似た鼻の中のできもの
鼻の中にみえるふくらみが、すべて鼻茸とは限りません。鼻副鼻腔乳頭腫など、性質の異なるできものが隠れていることもあります。片側だけに強い症状がある場合や、出血を伴う場合などは、より慎重な確認が必要です。
鼻茸の治療法について
鼻茸の治療は、大きさだけで決まるわけではありません。鼻づまりの程度、においの低下、副鼻腔炎の有無、炎症の性質をみながら、その方に合った対応を考えていきます。
鼻の中を丁寧に診察します
当院では、鼻の中の見える範囲だけで判断せず、必要に応じて鼻の奥まで確認し、鼻茸の位置や大きさ、周囲の炎症の程度をみていきます。鼻茸なのか、別のできものの可能性があるのかを見極めることも大切です。
お薬による治療
炎症を抑える鼻のスプレーや、背景にある副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎に対する治療を行うことがあります。鼻茸そのものを小さくしたい場合も、まずは炎症を落ち着かせることが基本になります。
背景の病気を整えることが大切です
鼻茸だけに注目するのではなく、慢性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など、背景にある病態に対して治療を行うことが重要です。鼻茸は、その結果として変化していくことがあります。
手術が検討されることもあります
鼻茸が大きく、強い鼻づまりやにおいの低下が続く場合、あるいはお薬だけでは改善が難しい場合には、手術を含めた検討が必要になることがあります。その際は、必要に応じて適切な医療機関と連携しながらご案内します。
鼻茸についてのよくある質問
Q1. 鼻茸は自然に治りますか
A1. 小さいものが目立たなくなることはありますが、背景に炎症が続いていると、自然に完全によくなるとは限りません。まずはなぜできているのかを確認することが大切です。
Q2. 鼻茸があると必ず手術ですか
A2. いいえ。大きさや症状、背景にある病気によって対応は異なります。お薬で炎症を抑えながら様子をみることもあります。
Q3. 鼻づまりが長いだけでも鼻茸のことはありますか
A3. はい。鼻茸は鼻づまりの原因のひとつです。とくに長く続く鼻づまりや、においの低下がある場合は、一度確認しておくと安心です。
Q4. 片側だけ鼻がつまるのですが鼻茸ですか
A4. 鼻茸のこともありますが、別の鼻の中のできもののこともあります。片側だけの症状では、より丁寧な診察が大切です。
院長より
鼻茸は、鼻の中にできるやわらかいできものですが、実際にはその奥にある慢性的な炎症のサインであることが少なくありません。鼻づまりが長く続く、においが落ちてきた、風邪のあとがすっきり治らない。そのようなお悩みの背景に鼻茸が隠れていることがあります。見えない場所の病気だけに、ご本人としては気づきにくく、受診が遅れやすいのも特徴です。
すずらんクリニックでは、確かな専門性に基づく丁寧な医療を心がけ、鼻茸そのものだけでなく、慢性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎など背景の病態まで意識しながら診療しています。医学博士、日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会専門医として、わかりやすい説明を大切にし、必要な治療を一緒に考えていきます。鼻づまりやにおいの低下が続く方は、どうぞお気軽にご相談ください。
