鼻副鼻腔乳頭腫
鼻副鼻腔乳頭腫は、鼻の中や副鼻腔にできる腫瘍の一種です。多くは良性腫瘍として扱われますが、一般的な鼻茸、いわゆるポリープとは性質が異なり、見た目だけでは区別が難しいことがあります。鼻づまりが長く続く、片側だけ鼻が通りにくい、鼻血が出やすい、においがわかりにくいといった症状をきっかけに見つかることもあります。鼻の奥にできるため、風邪や副鼻腔炎が長引いているだけと思われ、気づかれにくいことも少なくありません。
すずらんクリニックでは、耳鼻咽喉科の専門性に基づき、鼻の中のできものを丁寧に見分けることを大切にしています。鼻副鼻腔乳頭腫は、単なる炎症性の鼻茸とは違い、再発しやすい場合があることや、慎重な評価が必要なことがあります。そのため、鼻の中をしっかり診察し、必要に応じて適切な医療機関と連携しながら対応していきます。
鼻副鼻腔乳頭腫の症状について
鼻副鼻腔乳頭腫では、次のような症状がみられることがあります。
- 片側の鼻づまり
- 両側ではなく、どちらか一方だけ鼻が通りにくい
- 鼻水が続く
- 鼻血が出やすい
- 鼻の奥の違和感
- においがわかりにくい
- 頬や鼻の奥の重い感じ
- 副鼻腔炎のような症状が長引く
- 鼻の中に何かある感じ
- 口呼吸が増える
とくに注意してみたいのは、片側だけに症状が目立つ場合です。アレルギー性鼻炎や一般的な鼻炎では両側に症状が出ることが多い一方で、鼻副鼻腔乳頭腫のようなできものでは、片側の鼻づまりとして気づかれることがあります。もちろん、片側の鼻づまりがすべて乳頭腫というわけではありませんが、長く続く場合には一度きちんと確認しておくことが大切です。
また、鼻茸と似たように見えることもありますが、鼻副鼻腔乳頭腫では、出血しやすさや、長引く片側症状が手がかりになることがあります。鼻水や副鼻腔炎症状をくり返していて、なかなかすっきりしない場合にも、背景にこうした病変が隠れていることがあります。
鼻副鼻腔乳頭腫の原因について
鼻副鼻腔乳頭腫のはっきりした原因が、すべて明確になっているわけではありません。鼻や副鼻腔の粘膜から発生する腫瘍の一種で、炎症だけで説明できる鼻茸とは異なると考えられています。
一部では、慢性的な炎症や粘膜への刺激、体質的な要素などが関係している可能性も考えられていますが、原因をひとつに絞ることは難しいのが実際です。そのため、鼻の中にできものが見つかったときには、見た目だけで「ただのポリープでしょう」と決めつけず、慎重に診ることが大切になります。
鼻副鼻腔乳頭腫は、鼻副鼻腔の良性腫瘍に分類されることが多いものの、通常の炎症性ポリープとは異なり、再発しやすいことがあるため、経過の見方も変わってきます。ここでいう予後とは、今後どのような経過をたどるかという見通しのことです。鼻副鼻腔乳頭腫では、この予後を見極めるためにも、丁寧な診察と必要な評価が欠かせません。
鼻副鼻腔乳頭腫の病気の種類について
鼻副鼻腔乳頭腫は、鼻や副鼻腔にできる乳頭腫の総称として扱われることがあります。耳鼻咽喉科の診療では、見た目だけで単純な鼻茸と区別しにくいことがあるため、鼻の中のできものとして慎重に確認していきます。
一般的な鼻茸は、慢性副鼻腔炎やアレルギーによる炎症の結果として粘膜がむくみ、やわらかくふくらんだものです。一方、鼻副鼻腔乳頭腫は腫瘍性の変化であり、性質が異なります。そのため、同じように鼻の中にふくらみが見えていても、診かたや対応は同じではありません。
鼻茸との違い
鼻茸は両側にみられることも多く、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎を背景に持つことが少なくありません。鼻副鼻腔乳頭腫は、片側にできることがあり、再発や経過観察の考え方も異なります。
副鼻腔炎との関係
鼻副鼻腔乳頭腫があることで、副鼻腔の通り道が狭くなり、副鼻腔炎のような症状が続くことがあります。そのため、長引く副鼻腔炎のように見えて、実はその奥にできものがあった、という形で見つかる場合もあります。
ほかの鼻の中のできものとの区別
鼻の中にできる病変には、鼻茸、乳頭腫のほか、まれに慎重な評価が必要な病変が含まれることもあります。そのため、片側だけの鼻づまりや繰り返す鼻血などがある場合には、ていねいな診察が大切です。
鼻副鼻腔乳頭腫の治療法について
鼻副鼻腔乳頭腫の治療を考えるうえでは、まず正確に状態を把握することが大切です。炎症による鼻茸とは違い、見つけた時点で慎重な判断が必要になるため、当院では鼻の中を丁寧に診察し、必要に応じて連携先の医療機関をご案内しています。
鼻の中の診察を丁寧に行います
鼻副鼻腔乳頭腫は、鼻の入り口から少し見えるだけでは十分に判断できないことがあります。そのため、必要に応じてファイバースコープなどを用いて鼻の奥の状態を確認し、どこに、どのようにできているのかをみていきます。見た目、出血しやすさ、片側性かどうかなども判断の手がかりになります。
画像検査や専門医療機関との連携が必要なことがあります
乳頭腫が疑われる場合には、より詳しい評価のために画像検査や手術を含めた検討が必要になることがあります。当院では、診断から必要な連携まで、患者さんが不安を残さないようにご説明しながら進めていきます。
経過観察が重要です
鼻副鼻腔乳頭腫は、再発しやすい場合があるため、処置や手術のあとも経過を丁寧にみることが大切です。再発しやすい、という点は一般的な鼻茸との違いのひとつです。当院でも、術後や紹介後の経過についてご相談いただけるようにしています。
鼻副鼻腔乳頭腫の処置や治療法
当院でできることは、まず正確に疑うこと、そして必要な治療へつなげることです。無理に院内だけで完結させるのではなく、その方にとって適切な医療が受けられるようにすることを大切にしています。健康な身体をお預かりする責任から、必要に応じて専門的な治療が可能な医療機関をご案内します。
鼻副鼻腔乳頭腫についてのよくある質問
Q1. 鼻副鼻腔乳頭腫は鼻茸と同じですか
A1. 似て見えることはありますが、同じではありません。鼻茸は炎症によるむくみが中心ですが、鼻副鼻腔乳頭腫は腫瘍性の変化であり、診かたやその後の対応が異なります。
Q2. 片側だけ鼻が詰まるのですが、乳頭腫のことはありますか
A2. あります。ただし、片側の鼻づまりがすべて乳頭腫というわけではありません。鼻中隔の曲がり、鼻茸、副鼻腔炎などでも片側症状は起こりえますので、まずは診察で確認することが大切です。
Q3. 鼻血が出やすいのですが関係ありますか
A3. 鼻副鼻腔乳頭腫など、鼻の中のできものが関係していることがあります。乾燥や単純な鼻炎による鼻血も多いですが、片側に続くときは一度ご相談ください。
Q4. 良性なら急がなくてもよいのでしょうか
A4. 良性と考えられることが多い病変ではありますが、見た目だけでは判断しにくいことがあり、再発や慎重な経過観察が必要なこともあります。早めに状態を把握しておく方が安心です。
院長より
鼻副鼻腔乳頭腫は、日常診療の中でよく知られている病名とは言えないかもしれません。けれども、鼻の中のできものを診るときには、こうした病変をきちんと意識することがとても大切です。長引く片側の鼻づまりや、繰り返す副鼻腔炎、出血しやすさがあるときに、ただのポリープだろうと決めつけず、慎重に確認することが必要です。
私たちすずらんクリニックでは、確かな専門性に基づく丁寧な医療を心がけ、鼻の中の状態をわかりやすくご説明しながら診療を進めています。医学博士、日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会専門医として、必要なときには専門的な治療につなげることも含めて責任を持って対応しています。片側だけの鼻づまりや鼻血が気になる方、長引く副鼻腔炎症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
