上咽頭炎
上咽頭炎は、鼻とのどの間にある「上咽頭」に炎症が起こる病気です。上咽頭は、口を開けても見えにくく、ご自身では状態を確認しにくい場所ですが、風邪の際に強い炎症が生じやすい部位のひとつです。「軽い風邪だと思っていたのに、なかなか治らない」「のどの痛みというより、鼻の奥がずっと気になる」といった症状の背景に、上咽頭炎が隠れていることがあります。
扁桃腺である口蓋扁桃と同じように、上咽頭も風邪の影響を受けやすい場所です。ただし、見えにくく診察も容易ではないため、一般的な風邪として経過をみられやすく、長引いてしまう方も少なくありません。すずらんクリニックでは、「のどの炎症」の専門家である耳鼻咽喉科として、上咽頭を含めた鼻やのどの状態を丁寧に確認し、その方に合った治療をご案内しています。
上咽頭炎の症状について
上咽頭炎では、次のような症状がみられることがあります。
- のどの奥の違和感
- 鼻の奥がヒリヒリする感じ
- 飲み込むときの痛み
- 痰がからむ
- 咳払いが増える
- 鼻水がのどに流れる感じ
- 声が出しにくい
- のどのつかえ感
- 頭が重い感じ
- 風邪がなかなか治らない感じ
上咽頭は鼻とのどの境目にあるため、「のどが痛い」と感じる方もいれば、「鼻の奥がずっと変な感じがする」と表現される方もいます。咳や発熱が目立たず、のどの違和感や痰がらみだけが続くこともあるため、単なる風邪の治りかけと思われてしまうことがあります。実際には、炎症が上咽頭に残っていて、症状が長引いていることも少なくありません。
上咽頭炎の原因について
上咽頭炎は、主にウイルスや細菌などによる感染をきっかけに起こります。風邪をひいた際に、鼻やのどに炎症が広がる中で、鼻とのどの間にある上咽頭にも強い炎症が起きることがあります。
風邪のあとに強い炎症が残ることがあります
最初は軽い風邪と思っていても、上咽頭の炎症が強く残ると、鼻の奥やのどの奥の不快感が長く続くことがあります。熱や咳が落ち着いても、なんとなくすっきりしない感じが残る方は少なくありません。
鼻炎や副鼻腔炎の影響
鼻水がのどに流れ込む状態、いわゆる後鼻漏が続くと、上咽頭に刺激が加わりやすくなります。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が背景にある場合、上咽頭の炎症が長引くことがあります。
扁桃炎など周辺の炎症との関係
口蓋扁桃、つまり扁桃腺に炎症があるときは、のど全体に負担がかかり、上咽頭にも炎症が及ぶことがあります。扁桃炎と上咽頭炎が重なっていることもあります。
上咽頭炎によって引き起こされる病気
上咽頭炎そのものが主な病気ですが、炎症が続くことで次のような不調につながることがあります。
長引くのどの違和感
はっきりした痛みではないものの、のどの奥に何か張りついているような感じや、つかえ感が続くことがあります。風邪が治りきらないように感じる方もいらっしゃいます。
後鼻漏による咳や痰がらみ
上咽頭に炎症があると、鼻の奥からのどへ分泌物が流れやすくなり、咳払いや痰がらみの原因になることがあります。呼吸器の病気と思っていた症状が、実は上咽頭の炎症と関係している場合もあります。
扁桃炎や副鼻腔炎との関連
上咽頭炎は単独で起こることもありますが、扁桃炎や副鼻腔炎など、鼻やのどのほかの炎症と一緒にみられることもあります。そのため、上咽頭だけでなく周辺も含めて確認することが大切です。
上咽頭炎の処置や治療法
上咽頭炎の治療では、まず本当に上咽頭に炎症があるのか、ほかの鼻やのどの病気が関係していないかを丁寧に確認することが大切です。
上咽頭の診察を丁寧に行います
上咽頭は見えにくい場所にあるため、一般的な自己チェックでは状態がわかりません。当院では、鼻やのどの状態を確認しながら、必要に応じて上咽頭の炎症も評価します。上咽頭の診察は容易ではないものの、症状が長引いている方ではとても大切な確認になります。
原因に応じた治療
感染による炎症が続いているのか、後鼻漏や鼻炎が背景にあるのかによって、治療の考え方は変わります。風邪の延長としてみえる場合でも、耳鼻咽喉科の視点で原因を整理しながら治療を進めていきます。
鼻やのど全体をみることが重要です
上咽頭だけに注目するのではなく、扁桃腺、副鼻腔、鼻炎の有無なども含めてみることで、より適切な治療方針につながります。症状のある場所と原因の場所が一致しないこともあるため、全体をみる診療が大切です。
上咽頭炎についてのよくある質問
Q1. 上咽頭炎は普通ののど風邪と違うのですか
A1. のど風邪の一部として起こることもありますが、上咽頭は鼻とのどの間にある見えにくい場所のため、炎症が残っていても気づかれにくいのが特徴です。軽い風邪と思っていたのに治りにくいときは、上咽頭炎が関係していることがあります。
Q2. 鼻の奥がずっと痛いのですが、上咽頭炎のことはありますか
A2. はい。鼻の奥のヒリヒリ感や違和感、痰がからむような感じは、上咽頭の炎症でみられることがあります。
Q3. 咳や痰が長引くのも上咽頭炎ですか
A3. 上咽頭の炎症や後鼻漏が関係して、咳払いや痰がらみが続くことがあります。ただし、ほかの原因もあるため、鼻やのど全体を確認することが大切です。
Q4. なかなか治らない風邪は耳鼻科でも診てもらえますか
A4. もちろんです。鼻やのどの炎症が長引いている場合、耳鼻咽喉科で上咽頭や扁桃腺を含めて確認することが役立つことがあります。
院長より
上咽頭は、鼻とのどの間にある大切な場所ですが、見えにくく、症状もはっきりしないことがあるため、炎症が見逃されやすい部位です。「軽い風邪だと思っていたのに、なかなか治らない」「のどが痛いというより、鼻の奥やのどの奥がずっと気になる」といったご相談は、耳鼻咽喉科の外来でも少なくありません。そうした方を診察すると、上咽頭にしっかり炎症が残っていることがあります。
すずらんクリニックでは、確かな専門性に基づく丁寧な医療を心がけ、扁桃腺や上咽頭といった見えにくい場所の炎症にもきちんと向き合っています。医学博士、日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会専門医として、原因を整理し、わかりやすくご説明したうえで、その方に合った治療をご案内します。治りにくい風邪症状や、鼻の奥、のどの奥の違和感が続く方は、どうぞお気軽にご相談ください。
