今更ですが、熱中症について
暑いですね。 湿度も高い。 僕は汗っかきだったので、 中学時代、野球やサッカーといった汗でびしょびしょになったり、スポーツ着が汚れるスポーツが嫌いで 水泳部を選びました。実際は水球部だったのですが、おかげでいくら運動してもさっぱりしているのがこだわりの強かった自分には良かったようです。
さて、先週は熱中症で点滴をしなくてはいけないレベルの人が二人もいました。
熱中症の救急搬送状況
熱中症の救急搬送状況をみると 平成29年から平成30年(2018)に急増していますね。去年は暑かったから、でしょうか? それとも救急車を気軽によぶようになったから?
熱中症とは
熱中症とは 暑熱環境における身体適応の障害によっておこる病態 深部体温の上昇による臓器障害 と言われています。
「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」より。このガイドブック無料でダウンロードできるので、ぜひお子さんも大人も役立ててほしいのです。
熱中症の分類
日本救急医学会の熱中症分類2015によれば(こちらのPDFはマニアックなので詳しく知りたい人だけでいいと思います。)
Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度の順で悪くなっていきますが、きっちり分けることは難しいし、時間がたって悪化することもあります。
子どもは熱中症になりやすい
上記の熱中症診断ガイドラインには抜け落ちているのが、こどもは熱中症になりやすい、ということです。
ただし、医師が診察するときに熱中症以外でもそっくりな症状で運ばれてくることがありますから、
敗血症、中枢神経疾患、痙攣、薬物中毒、セロトニン中毒、悪性症候群、甲状腺クリーゼ、悪性高熱といった他の病気ではないだろうか、という視点でも診察しています。
熱中症の予防方法
特効薬があるわけではありません。だから予防が大切。
1環境 高温環境にさらされること、高温環境での運動制限
2水分摂取 ただの水よりは塩分をふくんだもの。ただしスポーツドリンクは砂糖が多すぎる
通常水分接種量 推奨量
・乳児 30-50mL/kg/日
・幼児 300-600ml/日
・成人 1000mL/日程度
暑熱環境
・9-12歳 100-250mL/20分毎
・中高生 1000-1500mL/60分毎
激しい運動
1時間で1000-2000mL程度の発汗
3服装 帽子の着用(さいきん、帽子をしない人が多いのが謎です)、ゆとりのある服、明るい色、重ね着なし
4慣れ 小学生は高温になれるまで7-14日、中高生では4日程度
(国立成育医療センターの植松先生のスライドを一部改変)
熱中症予防のものさしWBGT
暑さ指数というものがあります。 人体と外気の熱の出し入れに着目したものさしです。暑さ指数(WBGT)℃=気温1:湿度7:輻射熱2
となっています。Wet Bulb Globe Temperatureの略です。
予防のためにはこのサイトをみてください。暑さ指数でみなさんが使える情報がすべて整っています。
地域毎に数字が色分けででています。これをみれば、運動中止なのか、厳重警戒なのかなど、5段階の対応方法がひとめでわかるようになっています。