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帯状疱疹は予防が一番!と言ってみます(その①)

[2019.09.12]

 帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の治療をしながら、これからは”かかる前からワクチンで予防する”方向へすすんでいくものと予想しています。

 一度かかると、長びくその痛みにわずらわされる帯状疱疹後神経痛ですが、ワクチン接種により発症率を下げたり重篤化を防ぐことが知られています。

 自分がかかったときもそうでしたが、疲労やストレスで体の免疫力が低下することを防ぎましょうと言っても、なかなかそれらの状況をさけられないときもあります。また皮膚症状の皮疹ではなく痛みが先に出た場合は、ほかの疾患かもしれないと帯状疱疹の診断がつくのが何日か遅くなってしまうことがあり、それゆえ神経痛の重篤化につながりやすかったりします。

 外来で診察していると「この年になってこんな痛みがつづくなら死んだほうがまし」と訴える方や、老老介護中にかかり休むに休めない、など事前になんとか防げていればという状況をたびたびみかけます。私も5年先か、20年先かはわかりませんが、体力低下やおとろえを感じるとともに、ワクチン接種を検討したいと考えています。要するに高齢の方にはとくに積極的におすすめします。

 原因となる水痘ウイルスをワクチン接種することで抗体価が上がり、帯状疱疹罹患や帯状疱疹後神経痛をふせぐとされます。60歳以上であれば、ワクチン接種が有意に帯状疱疹後神経痛の発症を低下させたとする海外の報告もあります。以前の帯状疱疹からおよそ5年以上経過していれば、ワクチン接種の効果がある(体内の抗体価が下がっている)とされます。数年以内にかかった方は、抗体が体内にあるため予防接種は必要ありません。

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(Medical Tribune 2018年7月9日より)

 2019年9月現在、使用可能な帯状疱疹予防ワクチンは、乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン)となります。免疫抑制剤使用中や化学療法中で免疫力が低下している方は、ワクチン接種は適応外となります。今後、乾燥組み換え(サブユニット)帯状疱疹ワクチン(GSK シングリックス®)が発売予定で、これらの免疫力が低下した方に接種可能とされています。帯状疱疹治療関係者のあいだでは、かなり発売が待ちのぞまれている状況です。(その②に続く)

 帯状疱疹予防ワクチン接種は自己負担ですが(当クリニックでは(乾燥弱毒生)水痘ワクチン6000円+診察代)、施行を検討する価値はあると考えています。まずどんなものか聞いてみたいという方は、ぜひお問い合わせください。(文責 松野)

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