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小児科的に新型コロナウイルスの情報まとめ

[2020.05.20]

小児の新型コロナウイルス感染症に関する医学的知見の現状

小児科医の杉原 桂です。

医師会のホームページに掲載された情報です。小児科医としては安心材料が多いのですが、他の病気に対するワクチンをうてずにいる子どもたちが増えていることが心配です。

 
  • COVID-19患者の中で小児が占める割合は少なく、また、その殆どは家族内感染である。
  • 現時点では、学校や保育園におけるクラスターはないか、あるとしても極めて稀と考えられる。そして、小児では成人と比べて軽症で、死亡例も殆どない。乳児では発熱のみのこともある。10代では凍瘡様皮膚病変が足先にできることがある。他の病原体との混合感染も少なくない。
  • SARS-CoV-2は鼻咽頭よりも便中に長期間そして大量に排泄される。
  • リンパ球減少、D-dimer高値、CK-MB高値に注意が必要である。胸部CTでは、成人と同様に磨りガラス様陰影や胸膜下病変がよく認められるが、consolidation with surrounding halo signが小児の特徴の可能性がある。
  • 殆どの小児COVID-19症例は経過観察または対症療法で十分とされている。ただし、急性呼吸不全症例ではコンサルタントや転送のタイミングを逃さないように注意する。
  • COVID-19罹患妊娠・分娩において母子ともに予後は悪くなく、垂直感染は稀である。しかし、新生児の感染は重篤化する可能性もある。
  • 学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しく、逆にCOVID-19死亡率を高める可能性が推定されている。
  • 教育・保育・療育・医療福祉施設等の閉鎖が子どもの心身を脅かしており、小児に関してはCOVID-19関連健康被害の方が問題と思われる。

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