メニュー

小児の小陰唇癒着について

[2020.10.23]

小陰唇癒着は、乳児健診では良く見つかる病気だ。多くの小児科医が気づいていないのが残念でならない。


治療はいろいろあるようで、

リンデロンVGでも、ゲンタシン軟膏やワセリンといったものが使われている様子。

ゾンデで拡げるだけでも、と考えている。

いずれにしろ、健診できちんと観察し、経過をきちんと見ておく。母親に外陰部の清拭の指導を行う。それらが大事なのであって、外用薬の種類や方法はあまり差はないのかもしれない。


1歳半や3歳健診でもなるべく観察するが、ぐっと頻度は減ってくる。滅多に見ない。自然軽快も多そうだ。
ただ、幼児期や成人まで気づかれずに大きくなった場合は、外科的処置も必要になる例もある。

その様な場合の親子の心労を考えると、乳児期にきちんと直しておいてあげたいと思っている。

 


古い文献では、成人期にはかなり堅くなり、外科的処置が必要であり、恥ずかしくて受診もせず、自殺した患者もいた、という記載を見た覚えがある。

その様な例は極端としても、3才以降でなかなか外陰部を見る機会は無くなると思うので、乳児期が大事だと思っている。

 

いぜん、千代田区の健診で小児の外陰部診察したことで一人の親からクレームがあった。

趣味でみていると勘違いされたらしい。

 

きちんと診察する専門医がうたがわれる時代だ。僕の人徳が足りないせいもあるだろう。

 

健康診断ですら、インフォームドコンセントが必要になってくる時代がやってきそうだ。

 

トラブルになりそうな診察はしなければ、クレームもゼロになるし、時間もかからずに楽だ。そう思う医師もでてくるかもしれない。

手をぬいても専門家でなければどこを抜いたかはわからないのだから。

 

不器用なのかもしれないが、それでも僕は手を抜かずに子どもの健康を守る仕事だけはきちんとやり続けていきたい、と思っている。

 

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME