科学的根拠に基づく予防医療のすすめーワクチン編 肺炎球菌ワクチン(成人用)
これまでは、成人用の肺炎球菌ワクチンには2種類ありました。
・ニューモバックス® PPSV23
-髄膜炎、菌血症、侵襲性肺炎球菌感染の予防
-非侵襲性肺炎球菌の54%減、侵襲性肺炎球菌を74%減少させます。
-費用対効果は350万円/QALY
・プレベナー®PCV13
-65歳以上のワクチン型肺炎球菌性肺炎の予防。非侵襲性肺炎球菌の54%を減、侵襲性肺炎球菌を74%減
-費用対効果は290万円/QALY とニューモバックスより安価です。
ところが!
小児の肺炎球菌ワクチン(PCV13)が広がったために、PCV13で守れる肺炎球菌は成人の世界からも駆逐されてきたことがわかりました。
MMWR2019Vol. 68 / No. 46(日本語訳)
したがって、結論としては健康な高齢者にはPPSV23のみ推奨!
こうした、感染しやすい小児をワクチンで予防していくと、老人の病気もなくなっていくというのは他の病気でもみられる現象です。インフルエンザもその一つですので
ワクチンは自分のためだけでなく、家族のため、地域のため、社会のために接種していきましょう。